2024年印象に残った作品④「岡崎友紀 - Dancing Lady」
あけましておめでとうございます。
ここ数年放置気味のnoteですが、今年はもう少し投稿頻度を増やしていけたらと思っています。
過去には、たまたま世間のトレンドと合致したのか2万ビュー近くみられたものもありましたが、普段はすこぶるマイナーな内容ばかりでひっそりとやっています。
過去の記事で駄文や情報内容があやふやなもの、その他読み返して恥ずかしいものなどを削除してきましたが、なるべく今後は後に読み返してもそうならないような投稿をしていけたらと思っています。
そんなかんじで、年明け早々ですが、さっそく投稿したいと思います。
年を越してしまいましたが、昨年の総括も込めてもうしばらくこのテーマで続けていきたいと思います。
前置きが長くなりましたが、今回紹介するのはこちら。
昭和40年代に役者としてTVドラマで人気を博し、アイドル歌手としても活躍していた岡崎友紀の1978年のアルバム『Dancing Lady』です。
アルバムは残念ながら入手困難でいまだ持っていないのですが、シングルカットされた同名曲を収録した7インチシングル盤(こちらも入手困難でしたが)は昨年ようやく手に入れました。
役者としては、1970年(昭和45年)放映の『おくさまは18才』を始めとするティーン向けのドラマシリーズが当時大人気で、リアルタイム世代でない方も何かしら知ってる方は多いかと思いますが、音楽面からみれば、本人が歌われているテーマソングがムーディーなソフトロックやフィフスディメンションなどのテイストがあるポップで軽快な楽曲で、歌謡曲中心(当時でいえば、森昌子や桜田淳子に近いかんじ)に歌われているアルバム作品とは一線を画す内容でした。
アルバムでは、途中から荒井由実の楽曲を歌ったりもしていましたが、全体的に歌謡テイストが残ったかんじがして音楽好きには物足りない内容だと思われますが、1980年にリリースした作品『Do You Remember Me』と翌81年にリリースした『So Many Friends』は洗練されたプレ・シティポップ的内容となり昨今のそうした方面からの評価が高い内容となっています。
シルヴィ・バルタンやローリング・ストーンズのカバー曲もありますが、全体的にはモータウンサウンドやオールディーズをベースにしたポップス作品になっています。
↑こちらはアルバム未収ですが、同時期リリースされた7inchのB面の曲で、加藤和彦によるジャパニーズ・ラヴァーズロックの名曲といえます。加藤はサディスティックミカバンドでの活動などで、当時のイギリスの音楽トレンドを直に体験していてそれがまさにその影響が感じられる曲です。
こちらはまた別の方がアレンジしていて、前作とはうってかわって、当時流行していたウエストコーストサウンドやAORを取り入れたような音楽面だけでなくイメージ的にもアダルト路線に移行した作品。
本作『Dancing Lady』は、上記2作品に繋がる前段的な作品にあたるのですが、その作品の変化は作編曲家に寄るところが大きいのではと思います。
『Do You〜』で作編曲を担当した加藤はオールディーズやフレンチポップを意識していたと言われており、それが反映された内容になっていますが、本作ではジャズギタリスト杉本喜代志が担当していて、それがまた上記2作品とは違った形で反映されています。
本作は日本初のサルサグループと言われるオルケスタ・デル・ソルがデビューしたのと同時期にリリースされていて、アルバムM6でシングルA面に収録のタイトル曲は、まだ日本でのサルサ人気が隆盛する前の時期ににしてはなかなか巧みにポップソングに取り入れています。
また、同年にはNYラテンミュージックの第一人者エディ・パルミエリが『Lucumi,Macumba,Voodoo(邦題:褐色の守護神)』をリリースしていますが、当時ラテン音楽がジャズ・クロスオーバーのシーンから注目されてたようで、その辺の影響もあったのではないかとみているのですが、実際はどうだったのか気になるところであります。
アルバムM3でシングルB面にも収録されている「Feeling Love」は、それまで歌謡テイストのある曲が主流だった作品に比べて洗練されたライトメロウな曲で、アルバム全体を通して作曲は数多くの歌謡ポップス作品を手掛けてきた鈴木邦彦によるものですが、楽曲自体はやはり杉本の編曲に寄るところが大きいのではないかと思います。
その他、印象に残った曲は、ニューソウルやクロスオーバージャズなM4、ジャズファンクM5、ミディアムメロウなM9などでしょうか。