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心の中で拍手した曲の仕掛け3選

普段音楽を聴いていて、「おぉっ!」と反応してしまう瞬間はないでしょうか?
この記事では私が思わず拍手(心の中で)してしまった曲の「仕掛け」をご紹介します。

今回取り上げるのは以下の3曲
L'Arc~en~Cielさんの「Seventh Heaven」
Aimerさんの「残響散歌」
Lezelさんの「葛藤 Tomorrow」です。
それぞれの楽曲がどのようにリスナーを引き込むか、そしてどんな印象を与えているのかを深掘りしていきます。



①L'Arc-en-Ciel - 「SEVENTH HEAVEN」

1曲目はL'Arc~en~CielさんのSEVENTH HEAVENです。この楽曲で拍手した仕掛けはサビの最後に登場する「The answer in a minute thirty one」というフレーズと演出です。
⚠️音量注意

① 時間の予告による期待感

最初のサビの最後の部分、約1分45秒~
「The answer in a minute thirty one」
「1分31秒後に答えが出る」
という歌詞は、リスナーに強烈な興味を引きつけます。

実際曲の進行と共に、この「答え」は2回目のサビ
約3分20秒~
「The answer’s waiting under your feet」
「その答えはあなたの足元で待っている」
というフレーズで明かされます。

この仕掛けは、単なる時間の提示だけではなく、
リスナーを引き込むための予感や興味を持たせる遊び心として機能しています。
「1分31秒後に答えが出る」と明言することで、リスナーに「そのタイミングで何か大きな展開が起きるのでは?」という期待感を抱かせます。

とはいえ、1分31秒後に明確な答えが提示されるわけではありません。この予告は具体的な結論ではなく、歌詞の象徴的なフレーズやテーマと繋がっており、曲の進行と歌詞の流れにより、その「答え」を探したくなる気持ちを引き出す仕掛けです。
表現が抽象的かつ曖昧であることで、リスナーに考えさせる余白が生まれ、解釈の幅が広がり、曲全体に深みを与える効果があります。

つまり、一見すると時間に関する具体的な提示のように見えますが、実際には抽象的な問いを投げかける巧妙な仕掛けであり、曲の世界観に没入させる役割を果たしています。

仕掛けのポイント

・時間の予告による期待感
1分45秒から3分20秒までの間は、
95秒(1分35秒)です。
・具体的な答えを示さない遊び心
・曲のテーマとリンクする示唆

-仕掛けの効果-
この仕掛けの特徴は、「時間」という具体的な数字を用いて、リスナーに注意を促しつつ、実際には抽象的な問いやテーマを考えさせる余白を与える点にあります。
単なる歌詞以上に、時間・言葉・テーマが交差するポイントとして、リスナーを魅了する仕掛けと言えるでしょう。この遊び心ある表現が、楽曲全体の魅力を一層引き立てています。


②Aimer - 「残響散歌」

2曲目はAimerさんの「残響散歌」です。この楽曲で拍手した仕掛けは、サビの最後に登場する「残響」というフレーズと、その瞬間の演出です。
⚠️音量注意

① 「残響」という言葉の響きと音の静寂

サビの最後の「残響」というフレーズは楽曲のタイトルであると同時に、曲全体を象徴するキーワードでもあります。

「残響」というフレーズが放たれる瞬間、伴奏が一瞬止まり、Aimerさんの声だけが響き渡る「アカペラ」の状態になります。この演出は、音楽的な盛り上がりのピークから突然静寂に移行することで、言葉そのものが持つ音の広がりや、存在感、余韻を際立たせ、リスナーの心の中に深く刻まれる仕掛けとなっています。

この配置は非常に効果的で、楽曲タイトルとリンクしているだけでなく、曲の中で生じた感情やメッセージを締めくくる。そして、Aimerさん独特の歌声が感情の残響を強く残すという楽曲全体のテーマにも寄り添っていて「残響」1つで一石三鳥?の効果を発揮しているのです。

② 「残響」の繰り返しによる感情の波

「残響」というフレーズがサビの最後で繰り返されることで、その一言に込められた意味がさらに強調されます。この言葉が単なる音の広がりを指すだけでなく、過去の記憶や感情が心の中で響き続けている様子を象徴しているように感じられます。この繰り返しが感情の波を作り、リスナーを曲の世界観へとより深く引き込む効果を生んでいます。

仕掛けのポイント

・サビの最後で伴奏が止まり、アカペラ状態になる演出
・「残響」という言葉と静寂の対比が生むインパクト
・楽曲タイトルとのリンクによる印象の強化
・繰り返しによる感情の高揚と余韻の強調

-仕掛けの効果-

この仕掛けの効果は、何よりもリスナーの心に深い印象を刻む点にあります。「残響」という言葉自体が持つ余韻と広がり、そしてAimerさんの情感あふれる歌声が、その言葉の力をさらに引き立て、ただのフレーズ以上の感動を演出しています。サビの最後での静寂と相まって、リスナーの心に響く感動を演出する要素として見事に機能しています。

この仕掛けこそが、「残響散歌」という楽曲のテーマを最も象徴していると言えるでしょう。

一瞬の静寂に込められた壮大な余韻。この「残響」の演出が、リスナーの心に響き続ける理由なのかもしれません。


③Lezel - 「葛藤 Tomorrow」

3曲目はLezelさんの「葛藤 Tomorrow」です。この楽曲は最近私がハマっているTVアニメ『嘆きの亡霊は引退したい』のOPテーマです。この楽曲のMVで拍手した仕掛けは、イントロとイントロの間の突然の余韻とドラムフィルで始まる演出です。
※誤字ではありません。
イントロとイントロの間です。
(大事なことなので2回言いました。)
⚠️音量注意

①意表を突くイントロの展開に隠された魅力

幻想的で静かな始まりから徐々に盛り上がり、さらに激しくなるかと思いきや、突然の余韻と宇宙の映像。そしてそこからドラムフィルで激しいイントロに入る衝撃。
予期せぬ展開に圧倒(万歳しました。)されました。
※言葉だと分かり難くて伝わってないと思うので、先にぜひMVをご覧下さい。
(ハイ。ワタシノセイデス。)

③静寂からの解放

イントロとイントロの間に余韻を入れ、その後ドラムフィルが入る仕掛けには、リスナーの注意を引きつけ、感情的な反響や、次の展開への期待を高める効果があります。静かな余韻の時間が緊張感を作り出し、その後のドラムフィルで予測を裏切り、爆発的な解放感を生み出します。

さらに、楽曲の余韻部分に宇宙の映像を組み合わせることで、聴覚と視覚が相互作用して相乗効果を生み出し、より一層空間的な広がりと神秘的な雰囲気、緊張感を生み出します。(感情的な準備を整え、次の展開に対する期待感を高めます。)

そして、ドラムフィルが始まった瞬間に曲の展開が劇的に変化し、爆発的な解放感を生み出します。音楽と映像が一体となることで、リスナーに強烈なインパクトを与え、楽曲全体に深みと共鳴を生み出します。

②ドラムフィルとは?曲に与える影響

ドラムフィルとは、曲のセクションをつなぐ役割を持つ短いドラムの演奏です。しかしその役割は単なる橋渡しに留まりません。曲の展開に緩急をつけ、リスナーの注意を引きつける重要な要素です。

特に、意表を突くタイミングで挿入すると、緊張感を高めたり、感情を爆発させたりと、曲全体の印象を大きく変える力を持っています。

③ドラムフィルを活用した曲作りのヒント

自分の楽曲にドラムフィルを取り入れる際、以下のポイントを意識することで、より効果的な曲展開が可能になります。

・意表を突くタイミング
静かなセクションの後や、サビ直前に挿入することで、緊張感と期待感を高めます。

・音の厚みとのコントラスト
イントロやアウトロで音数を減らし、ドラムフィルが際立つ瞬間を作る。

・感情のダイナミクスを意識
抑揚をつけ、静と動の切り替えを効果的に演出します。

④まとめ – ドラムフィルが生む驚きと感動

ドラムフィルは、単なる演奏技術ではなく、曲の物語を語る重要な要素です。「葛藤Tomorrow」におけるドラムフィルは、リスナーを一瞬で楽曲の世界観に引き込み、感情を高揚させる仕掛けとして機能しています。

このような意表を突く展開は、音楽を聴く楽しさをさらに深めてくれるものです。ぜひ次の楽曲制作や音楽鑑賞で、ドラムフィルがどのように使われているか意識してみてください。それが新たな発見と感動をもたらすきっかけになるかもしれません。

仕掛けのポイント

・幻想的で静かな始まりから徐々に盛り上がり、
余韻と宇宙の映像を挟んでドラムフィルに入り、意表を突くイントロ展開
・静かな余韻とドラムフィルによる緊張感と解放感の高まり
・ドラムフィルを活用して曲の展開に緩急をつけ、リスナーの感情を引き込む
・楽曲と映像の融合による聴覚と視覚の相乗効果で空間的広がりと神秘的な雰囲気の演出効果をさらに引き上げる。

仕掛けの効果

イントロの幻想的な静けさからドラムフィルへと繋がる展開は、予測を裏切りながらも強烈なインパクトを与えます。静寂の中で緊張感が高まり、その後の爆発的な解放感でリスナーを圧倒。映像との相互作用によって空間的な広がりと神秘的な雰囲気がさらに引き上げられ、感情的な反響を生み出します。

ドラムフィルは曲のセクションをつなぐだけでなく、意表を突くタイミングでリスナーの注意を引き、感情を爆発させる重要な役割を果たします。この仕掛けが、楽曲全体の深みと共鳴を生み出し、リスナーを引き込む力を発揮します。


最後に

これら3曲は、それぞれが異なる仕掛けを持ちつつ、共通してリスナーの心を揺さぶる要素を備えています。音楽におけるこうした仕掛けは、リスナーを引き込み、忘れられない体験を提供する重要な役割を果たしているのです。

あなたにとって、思わず「おぉっ!」と拍手(心の中で)してしまう仕掛けのある楽曲はなんですか?
ぜひコメントで教えてください!


読んでくれたあなたが幸せでありますように。


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