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ウィッグ
今日は気分がいい
大好きなジャニャーズみたいに
キレイな栗色で長髪の
カッコイイ人と話をしちゃった
気分転換に公園に来てみて
ラッキーだったかも
あの人とは正反対
家に帰ってもつまんないなぁ
でも帰ってご飯の支度しなくちゃ
──────────────
帰宅を
うながすメロディーがなっている
私はしぶしぶ帰宅した
──────────────
- ̗̀ ピンポーン ̖́-
「おかえりなさい。」
あの人 :
「…」
あの人が帰ってきた。
「ただいま」ぐらい言えばいいのに。
ビビッとこの人だって思って
スピード結婚したけど
はじめは、こんな
冷めた関係じゃなかったのになぁ
まだ新婚なのに
あーぁ。
明日も公園に行ってみようかな?
目の保養は必要よねっ
明日のために
ジャニャーズのライブ映像
見ながらお風呂に入って
早く寝よう
── チュンチュンッ ──
あっ
今日もジャニャーズ君来てる!
今日もカッコイイ
ゎっ
目が合った
どうしよう
こっちに来る
ジャニャーズ君
「こんにちは。
今日も、いらしてるんですね」
「お隣いいですか?」
それから、公園で会っては
他わいもない話をしてる
ドキドキして
お姫様にでもなったみたい
最近、気づいたんだけど。
ジャニャーズ君の髪
ワンコの尻尾なみに
感情がダダ漏れで。
これって今話題の
感情表現しちゃうウィッグだ
なんでウィッグつけてるんだろう?
イケメンのコミュ症?
イケメンだったら感情表現ヘタでも
許されちゃうと思うけど?
イケメンなりの悩みとか?
話してると
喜んでるのか
髪はブンブンって大きく横に振れ
帰り際には
シュンと下にた垂れ下がっちゃって
もう可愛いすぎる
────────────
帰宅を
うながすメロディーがなりはじめた。
今日もジャニャーズ君
充電したから、そろそろ帰ろう
帰りの足取りは軽かった
────────────
- ̗̀ ピンポーン ̖́-
「おかえりなさい。」
あの人:
「た…」
ん?今すっごく小さい声で
ただいまって言った?
空耳かな?
まぁいいや。
早く明日にならないかなぁ
─── 次の日の公園 ───
ジャニャーズ君:
「あのさ、悩み聞いてくれる?」
「どうしたの?」
ジャニャーズ君:
「オレ奥さんと
なんか気まづい感じで
ケンカとかじゃないんだけど」
「全然、会話もなくて」
「そうなんだ」
「…。」
「…。」
ジャニャーズ君:
「オレ奥さんのタイプじゃないみたいで」
「オレは奥さんとの普通の日常?
上手く言えないんだけど
空気?何もしない時間も癒されてて
それだけで幸せなんだけど」
「結婚してから気づいたんだ」
「奥さんの好きなタイプはオレみたいな感じじゃないって」
「そう思ったら。」
「…本人にも聞けなくて」
「……。
彼女は僕とどうして
一緒にいるのかな?
お金のため?
もう流れで結婚しちゃったとか…」
───────
涙目になって
シュンとするジャニャーズ君
───────
んー私も…
タイプじゃない人と
結婚したからなぁ
なんて言ったらいいか。
気まづい。。。
それに、わかってたけど。
なんか寂しい…。
何か望んでた訳じゃないけど。
この人は私のじゃない。
…………。
私のは、あの人。
あの人のは、私?
…………。
私の事なんか
もう何も想ってないのかな。
間違えて結婚しちゃったとか?
想ってたのと違かったとか?
いーなー。
こんなに思ってもらえて。
「ジャニャーズ君はさ、素直に
その気持ちとか、思ってる事とか、
奥さんと話してみた方がいいと思う」
「聞いた事ないんでしょ?」
ジャニャーズ君:
「!。な、ない。こわくて。」
「聞いてみなよっ!」
「大丈夫っ!」
「何かあったら、また
私が相談にのるからさっ」
────────────
帰宅を
うながすメロディーがなりはじめた。
私は複雑な気持ちのまま
公園を後にした
────────────
- ̗̀ ピンポーン ̖́-
「おかえりなさい。」
あの人:
「ただぃ…」
…?
やっぱり
返事してる?!
「お風呂、出来てるから
先に入ってきたら?」
あの人は
少し驚いた様にお風呂へむかった
服は脱ぎ散らかしてるし
バッグも空いてるし
どうなってるの
ん?バッグの中に
最近、見慣れた
キレイな栗色の髪が見えた
え……
- ̗̀ ガチャッ ̖́-
「これ、どうゆう事っ?!」
何分たったのか
目を見開いたあの人は
フリーズしてるみたいだった
あの人:
「それは、いま開発してる
従来の感情を表現するウィッグに
フィルターをかけて
イメージした顔を映し出す機能が
ついている試作品」
「試作試験で公園に行ったり…」
あの人が最近
プロジェクトリーダーを
任されたのは知ってたけど
このウィッグだったなんて
しかも新機能?
イメージした顔を映し出すって
「なんで言ってくれなかったの」
………。
あの人:
「公園であった奴の悩み聞いただろ」
「そのままだよ」
それって…
あの人:
「"あかり"より年下で
頼りない研究ばっかりな僕」
「あかりは本当は
僕みたいな人じゃなくて
正反対のキラキラした奴が
好きなんでしょ?」
「そう思ったら…」
「魔が差して…」
「公園でウィッグを付けた
僕と居る"あかり"は
じっと僕を見てくれて
僕のしらない"あかり"
みたいだったけど
"あかり"の隣に居て
堂々とお似合いに見える
自分が嬉しくて」
こ。これは
ジャニャーズ君のシュン顔だ
外見は違くても
雰囲気がまったく同じだわ
はぁ。なーんで私も
早く気づかなかったかなぁ
恥ずかしい
バカみたいじゃんっ
……。
「ねぇ。私の事スキ?」
夫:
「スキ。」
夫はちゃんと
私の事が好きだったんだ
タイプなだけで
ずっと一緒には居られない
夫だから
一緒に居たいって思えるんだ
でもー
あのジャニャーズ君
髪だけに後ろ髪を惹かれる
カッコよくて可愛くて
最高だったのに!
!!!
「ねぇねぇ、このウィッグ、
家でもつけてみたら」
Fin♡*°