ゲームキャスター四方山話その①:オールスター運動会
ゲームキャスターの海老江邦敬(えびえくにさと)と申します。
4月からお仕事のお話やゲームキャスターという職業についての記録を残すためにnoteにて記事投稿を開始します。
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さて、今回のお話は3月26日に開催された「オールスター大運動会」についてです。
雲を掴む挑戦
3月某日、マネージャーより急ぎの確認連絡が届きます。
なんでも、MCと以下のゲームの実況が行えるキャスターをUUUM担当者様が探しているとのこと。
上記の条件を見て「該当する人を探すのは大変だろうなぁ」というのが率直な感想でした。
ひとつずつ要素を整理していきましょう。
まず、現行のシーンでは複数ゲームジャンルにまたがって実況を行っているキャスター自体が少数で、特に大会サンプルが少ないタイトルについては実況手法自体手探りになるので、経験の少ないキャスターは必然的に候補にすら上がらないでしょう。
その上、単なるゲームイベントではなく、UUUM様のイベントということでUUUM所属タレントを活かせるMCが必要となります。
いくらキャスターがMCを兼ねるケースが多い業界とはいえ、ゲストがゲーマーではない可能性まで考えると、様々な状況でパフォーマンスを発揮できるキャスターはそう居ないでしょう。
準備期間も同月内の実施との事であまりありません。
そのように考えた際に、自分の経歴を振り返ると、
先方の要望を完全には満たせていない状態ではありましたが、候補者を挙げることがかなり難しい案件だと分析し、自分が選ばれる可能性が十分にあると考え、挑戦の意味も込めて手を挙げました。
会社としてもその気持ちを汲んで「海老江で行きたい」と担当者様に推してくれたのもありがたかったです。
その結果、元アナウンサーでeスポーツキャスターのオデッセイ平岩さんとのダブルMC/実況でアサインが決定。
元々平岩さんは確定していたようで、その横に収まる形となりました。
また決定後に共演者の情報共有が行われ、なんとUUUM様からのゲストはあのHIKAKINさんでした。
HIKAKIN😎ヒカキン 【YouTuber】さん (@hikakin) / Twitter
この情報が先に提示されていたら、無理やりにでも手を挙げるキャスターが相当数いたのではないでしょうか。
「コツコツやっていればこんなご褒美があるんだなぁ」としみじみ思うと共に、この仕事をもぎ取って任せてくれた会社と担当者様の頑張りに感謝。
準備の時間
平岩さんとのタイトル分担が行われ、私の担当タイトルは以下になりました。一つずつどのような準備を行ったかまとめていきます。
・スプラトゥーン2
任天堂が誇るビッグタイトルの一つ。
ただ、大会サンプルが少ないので実況手法は個人裁量に近い。
当然実戦で実況を試す機会はないため、上記3点を軸にシミュレーションにより実況の形を作ります。
今回は出演者の動向を過不足なく視聴者に伝えることの優先順位が高いと考えていたので、比較的複雑に設定されている専門用語は少なめの実況としました。
・マリオカート8デラックス
任天堂が誇る超超ビッグタイトル。
ただ、こちらも大会サンプルが少ないので実況手法は個人裁量に近い。
こちらも実戦は実施不可なので、上記3点を軸にシミュレーションにより実況の形を作ります。
先日のDLCにより大量に使用できるコースが増えたのですが、幸いルールで選択されるコースが限定されていたのでしっかり予習を行うことができました。
特にショートカットと後方からの逆転要素が勝敗を大きく分ける要素となりますので、その部分については説明が必須と考え重点的に覚える時間を割きました。
・Golf it
CRカップの2次会で良く行われるバラエティーゴルフゲーム。
多人数で行うため、非常にカオスかつ醜い展開が予想される。
大会サンプルは皆無、実況手法は完全個人裁量。
こちらは完全なる手探りの実況でしたが、事前にホール構造を頭に入れていたので困ることはほぼありませんでした。
当日はゲストの鈴木ノリアキさんがこのゲームにかなり詳しかったので、今回担当した4タイトルの中では最も実況+解説のフォーマットに近かったかと思います。
・Fall Guys: Ultimate Knockout
昨年Switchにも移植されたカジュアルアクションゲーム。
例によって大会サンプルが少ないので実況手法は個人裁量。
今回の4タイトルの中で最もプレイ経験のあるゲームタイトルです。
ステージ数も多く突破条件も状況によるので、視聴者が現状を把握するのが難しく、兎に角状況を正確に伝えることに全力という実況に。
過去に実況経験もあったのでそこまで心配はしていなかったのですが、スキンも多岐に渡っているのでプレイヤーを特定するのが意外と難しく、当日手こずってしまったのは内緒です(´;ω;`)
このように、各タイトル毎の実況要点を事前に検討・把握することで自身の喋る範疇が設定されていきます。
今回は特定のゲームタイトルのみの番組ではなかったため、ゲーム自体は使用してはいますがゲームについての詳しいお話は最少限にセーブして、出演者へいつもよりフォーカスを当てることに集中する実況を心掛けました。
そして本番へ
限られた時間の中で準備を行い、また出演者の皆様のお力も多分にお借りしながら、なんとか当日はMCおよび実況を終えられた、という印象でした。
内容としては嬉しいことにヒカキンさんとの2ショット(+おにやさんとの3ショット)もバシバシ切り抜かれて拡散されていて、SNS上の反応でも私の起用への好評価がところどころで見られて、改めて手を挙げて良かったなぁと思いました(*'ω'*)
終電の都合で番組終了後即現場飛び出しになってしまい、共演者や運営の皆様と話す時間をあまり取れなかったのが心残りでしたが、非常に貴重な機会をいただきまして誠にありがとうございました。
今回の四方山話
そういえば、今回の番組では「eスポーツ」という言葉がNGワードに設定されていました。
確かに競う要素はあれど番組自体はバラエティでしたし、「eスポーツ」という言葉のイメージには合致しない造りでしたが、このように明文化されたことには少し驚きました。
私自身「eスポーツ」を売りにしているわけではないですし、むしろその言葉に限定されない形をとりたいのでゲームキャスターと名乗っているのですが、もしかすると世のeスポーツキャスターを名乗っている人々は、今後「eスポーツ」を職業の名に冠してしまっているがために受けられない仕事が出てくるかもしれませんね。
今回は以上です。ここまでお読みいただきありがとうございました。
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