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スピイベント潜入記⑥【2020年10月6日、7日「シンデレラ・プロジェクト」】


⑤はこちらから

いろいろと多忙につき、イベント潜入から一カ月近く経ってもなかなか最後までまとめきれておりません。
しかし、たくさんのアクセスやスキの数が本当に励みになります。

サイゾーウーマンの連載「教祖様注意報」でもシンデレラプロジェクトに潜入した記事が公開されました。まだご覧になっていない方は併せてお楽しみください。
→ 「シンデレラ・プロジェクト」潜入レポ 

noteとは違ってちょい固めのトーンですが、別に怒っちゃいないですよ。
ただただ虚しいとしか……。


◇◇

■「アンドレ逝きまくり」

happyの愛人である愛さんのライブステージの熱気冷めやらぬ中、続いてはツイッター上でも物議を醸していたアレだ。

「マリーアントワネット&ベルサイユのばら」

これはもう宝塚ファン激おこですわ。

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まあ、もろに劇団四季と名前出してた初日のCATSよりはマシなのかなあ……。


「マリーアントワネットは自分王国の女王なのですから…」という謎の声が響き、ドヤ顔のおば様たちがド派手なふわふわドレスで登場。

いや、これまた年齢層高い。
スカートを持ったり扇子をひらひらさせたりしてランウェーで踊っている。
ちなみにいま確認のために動画視聴したけど耐え切れず30秒ずつ早送りする。

入れ替わるように続けて、貴族(オスカルとアンドレ)の格好をした20人(2人×10組)が颯爽と走ってランウェーへ。

突然、ドーン! という砲弾の音や、ゴオオオという戦乱の音響が鳴り、慌てる演者たち。
い、いったい何が始まるんだ!?(もういいすよ。好きにしてください)

「オスカール!!来るな!敵は近いぞ!」(×10人)
ドキューン!ああ!撃たれた!(×10人)

アンドレが苦しんで倒れる!(×10人)
で、オスカルが駆け寄りきつく抱きしめる!(×10人)

「アンドレー!!」(×10人)
そして、悲しき別れの口づけ……(×10組)

会場大拍手。
あの……色んな意味で悲しくなってきたのでもう帰っていいっすかね。

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「♪ 愛ーそれはー…」
起き上がり、厳かに歌い踊るアンドレたちとオスカルたち。
徐々にテンポアップし、さっきのマリーアントワネット達もわらわら再び出てきて、会場の手拍子に合わせ、最後はもう歌劇団のエンディングのような大団円の雰囲気に。

アリーナで感動しながら温かい拍子をしているそこの客よ…。
その席のチケット代10万円あれば、こんな頑張りましたド素人さんじゃなくて凄みのある本物を何回も観劇できたんやぞ……。

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■「ラスボス」

ステージとステージの合間でちょいちょい準備に手間取っているのが分かる。そりゃ1時間も押すわな。
勘弁してくれ。晩メシの約束があんねん。

ずんちゃっちゃずんちゃっちゃ♪と、これまでの転換とはやや趣向の違ったスクリーン演出が始まった。
ああ!出ました! 皆さまお待ちかね!
いよいよ真打ち登場でございます!

燃えるような背景にゴールドの文字で

「八木さや」

スクリーンにこれが表示される時点で、強敵感がハンパない。
子宮系女子の開祖、元・子宮委員長の登場だ。

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ハンパないラスボス感
これ、バトル前に回復してくれるパターンのやつじゃないと絶対に全滅しちゃうよ。

happyの大親友で、この日のために壱岐島から「降臨」した教祖様。
happy信者の全員が待ちわびていた。
happy信者と子宮系女子は、阪神ファンとデイリースポーツ読者ぐらい親和性が高いのだ。
私も思わずシャッターにかかる指に力が入る。(決して信者ではない)

やはり会場のボルテージも最高潮。
大拍手の中に「ギャーッ!」という歓喜の雄たけびすら聞こえる。
(隣の人が血吐して倒れた時にしか出せない声だろうよそんなん……)

さっきのマリーアントワネット達が使いまわしのようにランウェーに並ばされている。
一人スポットライトを浴び、薄緑色のデカいドレスを纏った八木さや。
拍手の渦の中、八木が通るたび、一人ずつ膝を曲げて服従するような演技のマリーアントワネット達。ひい。

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中央に進むと、ふっとひと息吐き、八木さやオリジナルソングの独唱スタートだ。
(だから、なんでお前らみんな自分の歌を持ってんだよ)


うおおお低い! 声がしぶい!!
民謡のような曲。決してうまくはないが、おそらく何らかのプロのトレーニングを施されたのは感じる歌い方だ。

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「生きよ生きよ生きよ」というフレーズでも分かるように、移住先の壱岐と八木さやをマッチさせたようなイメージなのだろう。

冒頭ワンフレーズをほぼアカペラで放つと、プワーっとオーケストラの演奏が始まる。

うーわっ!私の横の席のおばはん、肩を振るわせてハンカチ片手に号泣してるよ!
友達らしき人が気遣ってその震える肩を抱いてるよオイ!
たぶん音楽の高揚感にやられちゃってるんだよな……。
私の爆笑とのコントラストがすげえわ、この二階中央F列。(自分から位置バラすなって)

八木さやは手の動きなども加えつつ大演奏に合わせて気持ちよさそうに歌い上げる。

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すると曲の途中で、ああっ!やっぱり来た!! 
奴が!奴が、ここぞとばかりに再び出て来たぞ!八木さやとお揃いで色違いの薄ピンクのドレスだ!

うおおおっ!猪突猛進! happy様のお通りじゃああ!!!
(すまん。ちょい抑える努力する)

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中央で並んで歌う二人。
世界よ見てるか、これが日本が生んだ自称スピリチュアリスト女教祖の二大巨頭だ!
国内外問わず数多の著名アーティストが沸かせて来たここ幕張メッセはまさに今、スピ系自己啓発ソングが放った火種から大炎に包まれ、会場の熱気は熱く紅く時に黄金色にも燃え盛(抑えろってのに)

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曲も最終局面の盛り上がり。二人の歌声もひときわ大きくなっていく。

「天岩戸がいまひらく、壱岐よ壱岐よ さやけく生きよ」

このイベントのハイライトと言える名シーンだ。
二人が向き合って見つめ合うとスクリーンに映されたのは感極まったhappyの表情。

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涙ぐんで顔が歪み、そこで二人の歌声は同時に震えてしまう。
見つめ続けることができなかったかのように、顔をそむけ、泣くのを堪えながら鼻をすすり頷くような八木さや。

どんな感情が沸いたのか特に想像もしたくないが、会場でもそこかしこで涙を拭う姿。
一方、腹を抱えて「何を泣いとんねんw」と爆笑するワタクシ。

さっきの隣のおばちゃんなんかもう腰を折り曲げて前の背もたれに突っ伏して「ワー!」みたいな感じで号泣しちゃってるんだよ。
見ていられない。なんなんだよ。
この状況で逆になんで笑いが止まらないんや。ワイは鬼か?

終了。ハー……。

鳴り止まない拍手喝采。みんなみんな感情の整理に忙しい。

happy「最高の歌だったー……」
八木さや「ヤバかったねえー向かい合って歌ってるとき!ヤバかった!」
happy「ヤバかったヤバかった!向き合ってブワーってなったね!」
キャッキャウフフのステージ上。
楽屋でやれよ。

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happyはドレスやステージの自慢などをしつつ、「どうでした?」と振る。
八木さや「3回目のシンデレラ・プロジェクトなんですけれども、一番緊張して初めて私も参加してるって一体感、私もこの中にいるという気持ちが大きくて。壱岐島に移住して2年ずっと引きこもってて、今回久しぶりに都会に出て来た。本当にいい思い出ができたなと思います」

会場大拍手。
いや、ウォッチャーはみんな知っとるぞ。
お前さ、2年引きこもりとか言ってっけど、サンディエゴも行ったし福岡も行ってたよな。まあそんなんは別にええんやけどもな。

するとhappyが会場を見渡し、「どこで見てくれているのかしら、息子」と促す。
八木さやが「どこかな、あ!あそこ!」と指さす。
スクリーンに映されたのは、元気に手を振る八木さやの6歳の息子さんだ。

会場ドワーーーーー!!

親権を前々夫に渡したという男の子。
前々夫とは血の繋がりがないらしい。八木さやはつい最近、前々夫と色々ともめたらしく縁を切られたのでこの息子とは会えなくなるところだった。
おそらく会場のみんながそういった状況を分かっている。凄いことだよな……。

ここに姿のない前々夫がどう許可したのかは知らないが、普段から頻繁に預けているらしき子宮委員長ファンの女性がその子を連れている。

夫婦や家族の形、男女関係、親子関係の考え方は人それぞれだと思う。
とはいえ、これを表に出して、みんながそんな状況をなぜか好意的に分かっていて、息子と再会できた!なんて美しい物語にするとしたら理解ができない。

曇りのないキラキラした目で嬉しそうにステージに立つドレス姿の実の母親を眺める息子くん。
それを気にもとめないように、このあと八木さやは「壱岐島の男性と入籍に向けた準備を進めている」と発表するのだ。
前夫(前々夫ではない)八木氏との離婚を発表してから2カ月。これが事前にブログなどで告知していた「重大発表」だ。

客席の息子くんはどんな気持ちで見ていたのだろう。
実の子である自分への配慮より、ここで信者たちに向けた発表をすることを優先させた母親を。

どうか、どうか真っ直ぐに育って欲しい。
子どもには全く罪は無い。


― 続く ―

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黒猫ドラネコ
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