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夢を見た、君の夢

お久しぶりです。今日はエッセイ。終わってみたら小説なのかもしれない。

これは私と彼女のショートムービーである。

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ここ最近は仕事が忙しすぎてポエムを書くことができなかった。忙しいと余裕がなくなり、普段のパフォーマンスが出せないから無理に何かをすることはよく無い。

同じように忙しく余裕がない友達がメンタルをやられてしまった。だから今夜は無理してでも会いに行こうと、そう決めた。

ある朝彼女は目覚めた時から涙が止まらなかった。ベットから出れないでただ泣くしかできなかった。記憶はあるが何かを考えているという感覚はなかった。大切な仕事の打ち合わせにも連絡をせずに休んでしまった。

その話を聞いたのはついさっきのこと。

「気分転換になるから海を見に行こう」

二人で東京からの夜を走り抜け海を目指した。無理して笑う彼女の顔を見るのは辛かった。それでも一生懸命自分のことを話してくれた。だから私はその言葉を一字一句取りこぼすことはできなかった。

海について二人ではしゃいだ。演技なのか空元気なのか、夜のカーテンが二人を覆い隠してくれていたので喉が壊れるほど叫んだ。叫んだ後に心から笑って二人で抱きしめあった。

首にキスをされ「ありがとう」と耳元で囁かれてた。その時水滴が鎖骨を通るのを感じた。だから私は何も言わずに強くて抱きしめた。この時間はそれしかできないと悟ってただただ強く抱きしめた。

少し経って浜辺を歩いた。

「実家に帰るだ、今日会社に話してきた」

そうか、彼女は遠くに行ってしまうのか。止めることはできない、そもそも止めるのは私のエゴだ、介入するなどあってはならない。再び強く抱きしめた。

「いつでも帰っておいで、そっちにも遊びに行くから」
そう言って二人は抱きしめあった。

帰りの車内はlo-fiの音楽とコンクリートの区切りをリズミカルに通る音で埋め尽くされた。言葉はいらない、欲しいのは沈黙。

信号で止まるたびに記憶に残るほどでもない会話した。タピオカを飲んだとか、梅雨がどうなっているとか、最近いつセックスをしたかとか。本当にどうでも良い会話だったけど、今の彼女にはとても必要なものだった。

「次いつ会える?」
「仕事やめるからいつでも空いてるよ」
「今から北海道行こう!」
「私は明日仕事だよ」
「休んじゃいなよ」
「あはは、それはできないよ」
「そっかー、残念」

このゆるい空気の会話が心地よかった。本当にそう感じたし、仕事を休んでしまおうかとも思った。そして不謹慎で身勝手だけど幸せだと感じてしまった。本当に人間は身勝手だ、というか、それは私だ。

次の日、彼女からの返信はなかった。
その次の日も待ってみた。しかし返信はなかった。
少し待った、次の週もなかった。

そして今日、返信があった。
送り主は彼女の母親と名乗る人からだった。

私は後悔をした。

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