博物館実習行くのに、金がいくらかかったか
さて、以前博物館実習に行ってきたよ、という内容でまじめな記事をひとつ書きました。
今回はメンタルの充足を得たという話ではなく、もっと現実的な、博物館実習で何かどれだけかかったか……そう、つまり金が! どれだけかかったか、という話をしたいと思います。かなり細かく見ていくので、いつも通り長文記事です。
なぜこんなことをするかと言うと、私が実習へ行く前にした情報収集で「なにが」「どれだけ」必要で「いくらかかったか」が、ほとんど分からなかったからです。現役大学生たちは、もしかしたら先生や先輩などに聞いて、しっかりとした情報収集ができているのかもしれない。でも私は大前提として「オンライン授業しか受けていない社会人」だったので相談する相手もいなければ、身近に学芸員実習に行ったぞなんていう人もいなかったわけです。
前置き
今日の記事では、博物館実習に行くまで~行っている間にかかった物・値段をリストアップしてみます。
私は現役大学生ではないので、いろいろと社会人らしい制限と、その代わりの自由があったのですが、まあそのへんも含めていただければいいかな、と思います。(つまり、現役生には大して役に立たないと思うんだけど……)その上で、誰かのいつかの参考になれば幸いです。
まず大前提の確認。
・現役大学生ではなく、社会人で仕事を休んで実習へ行った。
・自宅近隣にちょうどよい博物館がなかったため、実習期間中はホテル住まいだった。
この2点は、実習を受けに行くに当たり、そこそこイレギュラーな要素だと思われます。ですが大学生によっては「どうしてもこの博物館でなければいけない」という場所が県外だったりすることもあるでしょうし、2023年現在の価格としてご覧ください。
自宅で事前に準備したもの
ここでは「必要だろう」と予測して揃えられたものを並べていきます。なお、新規購入したものについては、買った時の値段を書いておきます。ないものについては元々持っていた品物とお考えください。
<凡例>品物名(備考)/価格/個数
衣類
・ネイビーのジャケット(ユニクロ)/6,990円/1
・ネイビーのスラックス(ユニクロ)/2,990円/1
・黒のスラックス/1
・黒の低いヒール靴(しまむら)/2,420円/1
・黒無地、スッポリンタイプのスニーカー(しまむら)/1,969円/1
・普段履き(行き帰り用)スニーカー/1
・軍手/2
・ワイシャツ/4
・下着類/4
・白い靴下(3足セット、しまむら)/330円/1
・白いフットカバー(3足セット、しまむら)/330円/1
食品
・インスタントのスープ春雨セット(10食分)/279円/1
・米/3kg
その他
・お風呂の入浴剤/165円/3
・フェイスパック(7枚入り)/528円/1
・実習後のお礼状用レターセット/500円/1
・大学に送るための封筒(レターパック、レターパックライト)/890円/1つずつ
ひとつずつ項目を見ていきます。
まず衣類から。自前で持っていたスラックスとワイシャツは良いとして、ジャケットを持っていませんでした。私が行った博物館は開講式と閉講式があると事前に知らされており「相応しい格好で出席してください」ともありました。クールビズという言葉が世に浸透してしばらく経つかと思いますが、それでも自分は物を教わりに行く立場ですし、始まりと終わりの式に襟付きジャケットがないのは心情的にも抵抗がありました。なので、思い切ってアンサンサンブルでワンセット、新しいものを購入。7月下旬に買い物へ行きましたが、ユニクロで夏向けの「UVカット仕様」「ドライ機能付き」「洗濯機OK」などの条件が揃った商品があったのは有り難かったです。さすがおれたちのユニクロ。黒だと見るからにリクルート感があったので(年齢的にそれも抵抗があった)ネイビーにしました。結果として、こちらは持ち込んで正解でした。
インナーについては、考えるのが面倒だったというのもありますが控えめに見ていい大人ですし、全日襟付きにしようと決めていたので自宅にあったワイシャツを持って行きました。色は白、薄いブルーのストライプなど清潔感があってシンプルなものです。
ヒール靴はエナメル素材(光沢がある)踵5センチ程度のものを持っていましたが、こちらもリクルート感が強かった上に、安全面や動きやすさから考えて低いヒールを新しく購入することに決めました。マットな質感で足先がシャープなものを選択。あとは「動きやすく汚れても良い靴」との指定はあったので、こちらも黒無地でスニーカーを一つ購入。ただし紐靴ではなくスッポリンタイプの、すぐに脱ぎ履きできるものを選びました。紐がほどける心配もなし。
ヒール靴については必要がなかったかもしれませんが、式に出席するにあたってやはり足もとも揃えなければおかしい、と考えた末の持ち込みでした。結果として何足も靴を持って行く羽目になったので、余裕があれば博物館に問い合わせれば良かったかな……と反省している点です。
靴下も白色がなかったため、ついでに購入。個人的になんですが、公共施設、特に「清潔感」や「きちんと感」が重視される場では、やっぱり白い靴下かな、と思ってます。特に指定はなかったですが靴を脱いだ時に(特に年配の方には)印象がいいですし。
軍手は指示があったので家にあったものを持って行きました。よく見る白色、黄色の縁と手のひらに滑り止めのついたタイプのものです。
食品については後述するホテルがミニキッチンのついたタイプのビジネスホテルだったため、少しでも食費を節約したくて買いましたが、のちに無駄な抵抗だったと気づきます。スープ春雨は毎朝食べて行きました。
入浴剤やフェイスパックについては、日々の緊張やストレスなどから疲れがたまらないように工夫が必要だと思って(※激弱お豆腐メンタル)好きなものを買いました。普段は自宅の湯船が使えなくてシャワー生活なので、この際湯船にも好きなだけ入ってやろうと思った結果、毎日2時間近く湯に浸かる羽目に。社会人疲れすぎだな。
お礼状用のレターセット、レターパックなどについては実習後必要になるものだったので先んじて購入していきました。お礼状については大学等でも推奨してたりしてなかったり、様々だと思いますが長い期間をお世話になるので、一応、社会人の礼儀として送ることに決めました。普通の白無地封筒、便せんがセットになったもので大型の書店や文房具屋で売ってると思います。飾り気のないシンプルなものですし、大型スーパーとかでもありそうです。当然切手が必要な場合は購入しますが(今だと84円切手)私は筆まめなほうでよく友人らへアナログの手紙を出すため、切手シートを持ってますので今回そちらの購入はしませんでした。
レターパックについては、大学がオンライン通信制で、実習中の日誌を直接教授に手渡す……なんてことができないため、郵送するよう大学側から指示があって購入しました。送り方はなんでも構わなかったんですが、九州から関東へ普通郵便にすると料金が嵩みそうでしたし、最終的に荷物の重さも分からなかったので一律で済むレターパックを買いました。2種類あるのは、送付用と、大学からの返信用です。
必要経費
・宿泊費(ミニキッチン付きビジネスホテル)/52,000円
・洗濯代(1回100円)/800円
・食費/昼・夜合計600円10日間/6,000円 ※概算
・食費/朝食用/1,500円 ※概算
・交通費 実習期間中の往復(ホテル↔博物館)/540円10日間/5,400円
・交通費 自宅↔ホテルの往復/4,340円
宿泊費の内訳としては、実習先博物館から比較的近い距離にあったビジネスホテルを前日入り+10日間=11泊12日分です。博物館へは通えない距離ではなかったんですが、それでも遠くて、自宅から向かうと始発に乗っても始業に間に合わなかったため、仕方なくホテル住まいとなりました。ホテルと言うより、1Kタイプのマンションがそのままホテル化されているとでも言えば良いんでしょうかね、超狭いミニキッチンが各部屋についているタイプで、ごく簡単な自炊ならすることができる部屋でした。
ただこのホテルで一個失敗したのが、炊飯器がなかったこと。前の項目で挙げたとおり、米を3kg持ち込んでいたんですがこれが初日から用を為さなくなった。炊けないからです……。結果、帰宅するまでキャリーケースの中で3kgの重みがただあるだけになってしまった。ちゃんとホテル側に確認すればよかったポイントです。またキッチンも、自炊ができると言っても1Kキッチンです。野菜を切る場所もなければフライパンひとつ洗うにも幅の足りないシンクという感じ。
そんなわけで、結局ほぼほぼ外食となって発生したのが10日間の主食分の金額。米があればもう少し抑えられたんですが、毎日コンビニとかホテル近所にあったスーパーでお弁当とか買って食べてました。朝食はオートミールとグラノーラ買って毎日食べてました。あと先んじて買っていた春雨スープ。あくまでも概算なので、多分もうちょいかかってます……。
日々の洗濯について。洗濯機がホテルにあったので毎日回していました。二日に一回くらいで済むかと思っていたけど、ホテルの浴室に洗濯物かけられるスペースがなくて(喚起は24時間あったけど)部屋でエアコン回すしかなく、またハンガーの数が少ないことからも結局ほぼ毎日洗濯してました。その日に来たシャツ、スラックス、下着など。終盤はホテルを変えたり帰宅があったりで、半乾きのものをケースに入れたくなかったので回さず、汚れ物を持ち帰りました。
実習中に追加購入したもの
・布製のメジャー/110円/1
・サコッシュ/110円/1
・帽子/110円/1
・クルーネックシャツ(ユニクロ)/1,500円/1
・ジョガーパンツ(ユニクロ)/2,990円/1
こちらは「最初から持って行っておけば良かったのに~」という言葉と共に、実習中購入したものです。
上3つは百均で購入。私が行った博物館は初日に開講式というオリエンテーションみたいなものがあったんですが、そこで十日間の内必要なものや、どこで何をするか、ということが説明されました。で、私は自宅から通えないために大荷物でいろいろ考えて行ったんですが、布メジャーは完全に失念してました。小中学校の家庭科で使ったような、てろっとした材質のメジャー。蓋を開けたら必須ではなかったけど、最初からあればよかった。サコッシュ、帽子、追加で購入した上下の服は、実習期間中に野外活動があって急遽必要になったものでした。「汚れても良い服」ということは最初から言われてましたが、私は「汚れてもいい」スラックスとワイシャツですごそうと思っていたので……野外を歩き回って汗だくになりながら出土整理するとは思ってなかったから……読みが甘かったですね。鞄も「きちんとしたやつ」しか持っていかなかったんですよ。帽子も然り。日傘あったけど差せないと思ったし、野外歩き回るのに、流石にこの格好じゃどうしようもない……と諦めて、汗だくになっても構わなくて野外で泥だらけの作業しても問題ない装備を揃えました。百均もユニクロもホテルの近くにあってよかった。
おおざっぱではありますが、以上が「私が博物館実習へ行くに当たってかかったモノと金額」です。総計約92,000円。
下手な旅行よりお金がかかることは早い段階から分かってましたので、この半年間めちゃくちゃ我慢に我慢を強いて旅行も行かずに遠出もせずに節約の日々でした……それがなによりもつらかった……。(その分ストレス溜まって大暴れしたりふて寝したり、食べれない量のご飯を馬鹿食いしたのでマイナスだと思うし、我慢しないほうがいい。)
私は行くと決めた博物館で実習が出来て大変勉強になりましたし、何より人間的に学ぶことが大変多く、有意義な時間を過ごしたと思っています。ですが、どうせこんなにお金がかかるならもっと遠くの博物館でも良かったのかな、というのも少し思ったりしました。結果論ですが、もっと自分の興味のある分野、学んでみたい分野が強い博物館(私の場合は(今のところ)中世~近世初期の古文書)に行くという選択肢もあったのかもしれない、と実習が終わったあとに気づきました。これから行く方や、現役の学生などは担当の先生とよく相談をして実習先を決められると良いかと思います。もちろん、時間やお金は有限なので限界はあると思いますが、そのあたりのバランスを考えて実習先を決めるのも勉強の一つかもしれません。
一緒に実習を受けた現役の大学生たちはほとんどが博物館の近隣、少なくとも皆さん電車で一時間圏内程度のところに住んでいらっしゃるようだったので(中には、大学は県外だが実家が近いため、夏休みということもあって帰ってきている、という方もいた)私のようにばかみたいに金がかかってはない……と思います。実習中の服も、見栄張らないでシャツにワークパンツくらいにしておけば衣類代もそう掛からなかったはずですし。いかに毎日外食しているとお金がかかるか、ということも再確認しました(笑)普段は完全自炊なので、実習中はなかなか罪悪感がすごかった……。
それでは、どこまでこの記事が役に立つかわかりませんが、防備録はこれで終わりです。実習のレポートも提出したし、あとは科目合否が出るのを待つのみ。お疲れ様でした。