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眼に浮かぶ「海坂藩」/「藤沢文学」の聖地/鶴岡市
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鶴岡を訪れるなら、やはり藤沢周平作品の何冊かは手にしていきたい。近年人気が高まっている藤沢作品の多くの舞台が「海坂藩」こと庄内藩、鶴岡の城下町に残っているからだ。
藤沢は鶴岡近郊の農村生まれ。生家跡には碑が立つ。教師として嘱望されながら結核で退職し、上京して仕事を得るも最初の子は死産。続いて娘を残して妻が病死と苦難の人生を歩む。しかしここで挫けずに45歳で直木賞を受賞した。
以後海坂藩ものの時代小説などで人気を博すが、郷土への深い思い入れがその陰にはあった。藤沢の名も、現在は鶴岡市内にある最初の妻の実家集落の地名だ。
鶴岡駅
作品の人気が高まると映画化が相次ぐが、そのロケの多くが実際の鶴岡市内で行われた。「たそがれ清兵衛」「蝉しぐれ」「山桜」「花のあと」など、ほかの作家と出身地やモデル地では思い浮かばない関係だ。
これは鶴岡市を大きな災害や大火が襲わず、空襲被害もなく、古い街の面影や建物を多く残していたからだ。市内には作品舞台の案内板が25か所もある。不思議とどの場所でも、作品に描かれた情景を思い浮かべるのに違和感はない。
著作中の五間川こと内川のほとりには、芭蕉ゆかりなど歴史ある地も多く、散策には絶好だ。個人的には「義民が駆ける」の終盤、数千人の領民が押しかけた鶴ヶ岡城大手門前に立つと、史実に基づくだけに、ああここがそ
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