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富士見ポイント最終回は、新たに造られた「富士見坂」
「東京、びっくり富士見ポイント」記事一覧
足立区、大規模再開発団地のスーパー堤防から
3年にわたってお届けしてきた「23区内の地面から富士山が見えるポイント」ですが、今回で一区切りとしようと思います。まだまだ見える場所はありますが、こうした場所で記事としてまとまるだけの話題性のある場所はほとんどありません。
またすでに春となり、澄んだ空気の中で富士山の姿を捉えることが難しくなってきました。
今後も素晴らしいポイントがあれば、追っかけて補足しようと思います。
これまでご覧いただきありがとうございました。
さてその最終回にどんなポイントを選ぶかと考えた結果がこちらです。足立区の荒川沿いに再開発でできた大規模住宅団地の一角。富士の眺望を考えて人工的に造られた視線の坂です。
これは素晴らしいと思います。これまで見てきた富士見ポイントでも、開発時にもう少し富士ビューを考慮に入れていてくれたらな、と思う場所がありました。
経済原則やデザイン性も大事ですが、展望という要素も都市開発の中にぜひ取り入れてほしいと思います。
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その展望、夕景を撮影しました。
残念ながらクレーンが入り込んでしまいました。これはこの下で下水道施設を建設中のためで、高層建築が建つわけではないのでしばらくするとなくなります。
富士山の山頂部が全て見えるのがわかります。左側の裾野がかなり長く見えています。
右側は大きなマンションがあってやや残念ですが、この景観が作られた際にはこのマンションはありませんでした。もっと長い裾野の富士山が見えたのです。こうやって日々、富士の展望は削られています。
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富士の見える場所です。左に開けた空の下。突き出た高いビルの左側に見えます。この写真は曇天の日でしたので富士山は見えていません。
ここはかつての工場跡地をURが再開発してできた「ハートアイランド新田」という大規模住宅団地の中です。王子駅からバスで行けます。再開発時に敷地が荒川と接する堤防部分がスーパー堤防化され、堤防の天面から長い傾斜が敷地内に作られることになりました。その時誰かが富士山が見えることに気がついたのでしょう。そのラインに建物を立てないようにして、眺望を確保しました。
そのことは展望広場が「富士見の広場」と名付けられ、片隅にある解説表示でわかります。完成は2005年ですので、21世紀になって新たにできた富士見坂となります。都内でほぼ全ての富士見坂が絶滅した現在、貴重な新種誕生です。人工的とないえ土の上からには間違いありません。大事にしてほしいです。
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広場から続く坂は「ふじみ坂」と名付けられました。こちらが平仮名なのは、敷地内にもう一か所「さくら坂」があり、そちらの表記と合わせたためと思われます。
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広場の解説表示には、今よりももっと雄大に見えた富士の写真が掲げてあります。
だいぶ寂しくなった景色ですが、これ以上削られないことを祈らざるを得ません。
ではみなさん、ぜひこれまでの富士見ポイントも訪ねて見てください。
ありがとうございました。
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