イラスト大広重_雪晴

広重の浮世絵そのままの街道口/江戸時代かと見まごう宿場町/亀山市

★「日本の城下町を愉しむ」一覧
  東日本編
(北海道・東北・関東甲信越)
  中日本編(北陸・東海・近畿)
  西日本編(中国・四国・九州)

★都道府県 三重県
★城郭 亀山城

 歌川広重東海道五十三次は浮世絵の連作として名高い。東海道の宿場には城下町も多く、浜松、吉田(豊橋)、岡崎、桑名とこの亀山で城の姿が描かれている(保永堂版)。
 なかでも亀山城の描かれ方は特別だ。雪景色の中、異様な急坂の上に城門らしきものがある。さらにその坂を、人馬や駕籠の一団が登っている。参勤交代の大名行列だろうか。さぞかし難儀だろう。
 こんな坂が本当にあるのだろうか?
 広重の風景画にはデフォルメも多い。箱根の山の描き方などがいい例だ。実際はどうなのか確かめてきた。
 驚いた。高さはともかく、坂の角度は絵のままではないか。
 描かれたのは亀山城下を東西に通る東海道の西側の入口、京口門だ。当時の城門と櫓は残っていないが、旧東海道の車道沿いに案内板がある。その先は少し下って立派な橋になる。下は深い谷底に川が流れる。
 探してみると道があった。橋の脇に細い踏み跡が川に向かって続いている。降りていくと、あまりの急坂に腰が引ける。ようやく谷底まで下って振り返ると、雪はないがほぼ広重の絵のイメージだ。江戸時代は九十九折りで上り下りしていたらしいが、こんな急坂、雪などあったら命がけだろう

これより有料です。以下には記事全文のほか、城下町案内地図、関連情報リンクなどがあります。ご購入いただく場合、この記事だけで100円お支払いいただくより、マガジン「日本の城下町を愉しむ」全体を500円でお買い上げいただく方がお得かと思います。最終的に100本近い記事をご覧になることができます。よろしくお願いします。

ここから先は

1,956字 / 5画像
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?