本場のハマグリ、実は別物/東海道2番目の大宿場町/桑名市
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テレビの時代劇がすっかり減ってしまい、「その手は桑名(食わない)の焼きハマグリよお」なんて台詞回しは、若い人には「なんすかそれ?」とせせら笑われるのが関の山だろう。
だが私は子供の頃から気になっていた。桑名の焼きハマグリは、そんなセリフになるほどうまいのか? しょせん同じハマグリではないのか?
実は同じではないのである。桑名のハマグリは、「ハマグリ」という種。ヤマトハマグリとかホンハマグリと言ったりもする。スーパーなどで売られているハマグリのほとんどは中国からの輸入品で、シナハマグリという。殻を見ると形は二等辺三角形に近い。
では数少ない国産ハマグリなら同じかというとそうではない。国産の大部分はチョウセンハマグリという別種なのだ。この「チョウセン」は「朝鮮」ではなく「汀線」で、なぎさという意味。鹿島灘など外海に面した砂地に生息しており、碁石などの材料にもなるが、もちろん食べられる。
古来美味とされる「ハマグリ」は、今は桑名周辺か有明海の一部などでしか採れない。この種は内海の河口付近しか生息できないが、水質汚染や埋め立てで生息地がどんどん無くなった。環境省の絶滅危惧種リストに乗ってしまうほどだ。
桑名では名産地だった目の前の干潟を干拓で埋めてしまったため、戦後2000トンほどあった漁獲が激減、1995年にはなんと0・6トンになってしまった。ほぼゼロである。これではいけないということで、同じ三重県の牡蠣養殖技術に学んで稚貝を育成し、人工干潟も整備してようやく100数十トンにまで回復した。
「ハマグリ」は他の親類とどう違うのか。まず殻の形は不等辺三角形で片方のへりが長い。さらに殻に「ハ」の字模様が出る場合が多い。そして味。何より柔らかく旨味が違う。
この「ハマグリ」を気軽に味わってもらおうという施設が、ハマグリ漁の
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