それは意外と情熱的で
鎌倉文学館に行ってきた。
文学館なんていうと、硬いイメージを浮かべる人が多いんじゃないだろうか。
ここで毎年開催される企画展がある。
💕愛は言葉だ!文豪のハートにふれるバレンタイン&ホワイトデー💕
これこれ。
バレンタイン企画だったのが、いつの間にか会期が伸びてホワイトデーも含められている。
鎌倉文学館は1985年に開館。
鎌倉ゆかりの文学者の直筆原稿・手紙・愛用品などの文学資料を収集保存し、展示することを目的としている。
本館と敷地は旧前田伯爵家の鎌倉別邸だった。和風建築だったが、火災を機に洋風に再建されたとか。
この企画展では「愛の言葉おみくじ」なるものがいただける。
玄関で靴を脱いで上がり(おうちにお邪魔してる感満載)、サイコロの数字でおみくじを引く。今回私はこれだった。
鎌倉文士のお一人、久米正雄。
失礼ながら存じ上げない…読んだことない。
タイトルが「ぶをとこ」ってどんな小説?
いろんな意味で興味をそそる。
恋の苦しみ。
旧仮名遣いの時代にも、ひとは悶絶していたんだろうな。
こんなふうに愛にまつわる作品が展示されている企画展。
身近なテーマだから入りやすいかも。
作品の一部しか見られないので続きが気になるし、作家の意外な部分が垣間見れて楽しめる。
個人的には芥川龍之介の恋文が好き。
のちの妻となる女性に宛てているんだけど、もう外見からは想像つかないくらい
べた惚れの甘々!
私はほぼ毎年足を運んでいるんだけど、見るたびになぜかホッとする。
📕「ツバキ文具店」の鳩子が川端康成の直筆原稿を見るために文学館を訪れる場面がある。
今回同行した友達はツバキ仲間。
小説で書かれていたよりは悪筆じゃないよね?と話し合った。
それにしても。
PCで原稿書いてる現代と比べて、手書き文字は重みがある。
お世辞にも読みやすいとは言えない。
でも迷い悩んで綴られた文章は、かけがえのないものだ。味がある。
Deleteキーで簡単に削除できないから、慎重に丁寧に言葉を紡いだんだと思う。
来館者も少なめ、館内はとても静か。
文豪たちの文字を目で追いながら、素敵な時間が過ごせるところ。