RIOTのThundersteel スピードあり、泣きあり、歌あり、訳ありの最高傑作 無かったのは運だけ
RIOTというバンドは哀愁漂うメロディが特徴のメタルバンドです。
音だけ聞くとヨーロッパ系列のバンドかなと思うのですが、アメリカのバンドなんですよね。
Thundersteelは1988年にリリースされたRIOTの6枚目のアルバムです。
RIOTの日本での知名度をぐっと上げた、RIOT史上どころかメタル史上に残る超絶名盤。
メンバーは中心人物のマーク・リアリの他は以下になります。
トニー・ムーア - ボーカル
ドン・ヴァン・スタヴァン - ベース
ボビー・ジャーゾンベク - ドラムス
一部の楽曲では前メンバーのマーク・エドワーズがドラムを叩いています。
はじめてこのアルバムを聴いた時、ものすごい衝撃を受けました。
スピード、メロディ、パワフルでメロディアスなヴォーカル。
私が思い描いていた理想のヘヴィメタルがそこにありました。
このアルバムはビルボード最高150位を記録したらしく、アメリカでもこんな音楽が売れる時期があったんだよなぁと、とても懐かしく遠い目になってしまいました。
曲のテンポはどの曲もほぼ疾走曲か駆け足気味ぐらいで、そしてどの曲も格好いい。
thundersteel、fight or fall、johny's backなどその格好いい楽曲群の中でも私が一番好きなのはFlight Of The Warriorです。
疾走しつつも途中でノリが変わり少し浮遊感を感じるサビの部分がすごく好きなんですよね。
RIOTといえば初期の頃、具体的には1st～5thはおかしなアザラシ男のジャケットが有名でしたが
それがどういう心境の変化かこの6thアルバムあたりからしばらく使用をやめていきます。
個人的にはあのアザラシ男のジャケットをいいと思ったことは一度もなかったので、6th以降ジャケットのテイストが変わった事は大歓迎です。
ただ、手放しで素晴らしいと思えていたのはこの1枚だけで、次作ではメンバーはそのまま持ち越すものの、うっかりコンセプトアルバムをリリース。
このコンセプトアルバム、曲自体は悪くないのですが曲の前や曲間にしつこいぐらいラジオ番組のザッピングみたいなSEが入り純粋に楽曲を楽しめない。
物語性が曲を積極的に邪魔してくる典型的な失敗コンセプトアルバムでした。
次こそはと期待した矢先にビジネス面での対立でVoのトニー・ムーアが脱退。
そのため8thアルバムのNightbreakerではキーボードとして入ったマイク・ディメオが急遽Voとして歌う事になり、それなりに健闘しているものの正直トニー・ムーアと比べると力量不足は否めず。
11曲中2曲がカヴァー、1曲がリメイクで後ろに引っ込んでエコーのかかったVoのミックスも相まってかなり物足りない印象のアルバムとなりました。
soldierやNightbreakerだけでなく、SilentScreamといった良い曲もあったんですけどね。
やっぱり歌わせるんだったらこんな後ろに引っ込ませたらあかんよ。
次のThe Brethren of the Long HouseもVoが弱いという印象はぬぐえず。
また、ディメオ期初期はVoにチェンジした彼が不慣れなこともありライブの評判も悪く、まぁ私はライブ行かないのですが、それでもいろいろ漏れ聞こえてくる悪い評判は決して印象を良い方向に動かすことはなくむしろその逆で。
このあたりでアルバムをリアルタイムに追いかけるのはやめてしまいまして。
次にRIOTに関して目にしたニュースはリアリ死去のニュースでした。
wikiなどを調べてみると、その後もメンバーチェンジを繰り返しつつ、ムーアも戻ったり抜けたりアルバムを出したり出さなかったり、次のアルバムすぐ出るよー的なことを言ったり言わなかったりという感じらしいです。
リアルタイムで追いかけていなかったことを後悔しつつ、追いかけていたら色々失望させられただろうなと思ったりも。
このアルバムはレコードを聴き始めた当初、色々と探し回ってヤフオクで発見、5000円ぐらいで落札した記憶があります。
今（2024年3月）amazonをチェックしてみてもレコードの取扱はほぼ無く、中古で16000円とかなっています。
少し前はもうちょっとあったはずなんですが…
昨今はレコードブームと言われていますが、個人的にはブームではなくバブルだと思っています。
一過性で終わらせないためにも、欲しい人にちゃんと行き渡るようもっと堅実な展開してほしいですね。
まぁ、そう考えると5000円で入手できた私は運が良かったのでしょう。
ヤフオクの中古品なので傷などもあり少々ノイズなどが乗りますが、入手した当時嬉しくて何度も聴いていましたし、今も時々聴いています。
とても大好きなアルバムなのですし、好きなメタルバンドは？と聞かれたら結構早い段階で名前が挙がるバンドなのですが。
じゃあどのアルバムを聴くのかというとThundersteelになりますし、他のアルバムは別に…という感じです。
RIOTが好きというよりも、私はThundersteelが好きなのかもしれないです。