【詩】力と理知
それは災い。
それは報い。
それは因果。
世界のあまねく場所で
起こる
血のうねり。
命は天を仰ぎ
理知は地を見据える。
火と知の神話は
流れる血をもって結実する。
残るのは虚。
幾万世代の生命の連鎖が
時の円環となり
やがて虚へと至る。
創生の時
一度だけ起きた
無の発心は
自我達の悶えを経た後に産まれた
虚
として円環の果てに結ばれる。
虚であって無でなし
無でないが虚である
それは神話が終わる時であり
始まる時。
人間たちよ。
今日も火をおこせ。
地を解き放て。
力と理知がせめぎあう結末にこそ
求めるものが、ある。
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