見出し画像

FABを実施するにあたり、理解が必要な前頭葉の機能解剖について

初めまして、くろと申します。
今回、FABについて調べる中で、前頭葉の機能を先に知っておくことで、より詳細な解釈ができるのではと感じ、前頭葉について先行研究をもとにまとめてみました。
非常に膨大であったため、バイアスリスク等の評価は行っておりませんが、要望があればさせていただきますので、個別にコメントなどで連絡していただければと思います。
情報が膨大であり読みにくいと感じると思いますが、ご覧いただけたら幸いです。
参考・引用文献の数としてはすべて合わせて1180個の論文からの情報となります。


【前頭葉の機能解剖について】

・(Sarazinら1998) 5)の研究によるとWisconsin card-sorting test(WCST)、ロンドン塔課題、Stroopテスト、語の流暢性などは、前頭前野、帯状回、運動前野、頭頂葉、後頭葉などの複数のネットワークが関与することが示唆されている。このことについて、脳は、一部だけでなくチームとして様々な領域が活動しており、FABに限らず行為や行動時には前頭葉以外にも、頭頂葉、側頭葉、大脳基底核、辺縁系など、様々な部位が共同して働いている。

・(Eapenら2020)666)によると前頭葉機能と障害としては、主に以下のものがある
>左半球
→右半身の感覚・運動、右視野、音声に対する聴覚・言語機能(理解・復唱・流暢性)、読み・書き・計算、言語記憶、聴覚記憶

>右半球
→左半身の感覚・運動、左視野、音楽・音の聴覚機能、発話の韻律的側面、高次視覚空間処理、空間的注意・バイアス、視覚刺激の記憶

>前頭前野の主要機能
→遂行機能、計画、問題解決、セルフモニタリング、ワーキングメモリ、抑制、社会的判断、社会性、自発的な行動の開始

>損傷による影響
→問題解決・推論の乏しさ、忍耐、環境依存的行動、ワーキングメモリ減少とそれに関連した記憶検索の困難さ、抑制障害、衝動性、情緒不安定、社会的スキルの低下、無気力・アパシー、運動麻痺、無動無言症など


<以下に前頭葉について、領域ごとに詳細に記載していく>

①前頭葉の解剖

ここから先は

146,868字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?