こどもは親の「成果物」なのか? 独りぼっちの、祖父が怖い。

わたしは怒っていた。
心の中で、ものすごく怒っていたし
嫌悪感でいっぱいだった。

商売人の祖父母にとって、
わたしの「見た目」も「成績」も「進学」も
何もかもが、「ステイタスの一部」として扱われていたこと。
さも「立派な家族」の成果、実績、として
祖父母の成果物のように扱われていることに、
毎回、反吐が出る思いだった。

祖父母は、
ジャイアンと一緒。

おまえのものは、俺のもの。
俺のものも、俺のもの。

理不尽な、暴君。

わたしの「情報」は、
祖父母にとって「ビジネスにプラスになる信用情報」みたいなもので。
小さなことだとしても
口が達者な祖母が
お客さんに「平気で嘘をつくこと」も
本当に大嫌いだった。

わたしが「いい子」「優秀な子」であることを
ビジネスに使われているような
そんな気持ちになって
わたしはいい気分ではなかった。

プライベートで、
自宅で、
純粋に「関心を持って」
わたしを褒めてくれるなら、
また違う印象を持っていたと思う。

けど、
そうじゃない。

祖父母は、
わたしをみていたわけじゃない。
商売のことしか頭になかった。

元々、祖父にいたっては
不幸な生い立ちだったりする。
祖母は、祖父のことを「可哀想な人」だと言っていた。

そうだろう。
確かに、そうだったのだろう。
「子育て」なんて
まるで向いてない人だったし
どちらかというと「こどもは苦手、嫌い」だろうし。
なんなら、そもそも「人が苦手」なんだろう。

わたしは18年一緒に暮らしていて
祖父から「愛」とか「優しさ」を感じたことはなかった。

わたしに手をあげるようなことはなかったけど。
祖父とは「繋がれる」気がしなかった。

本当に「独りきり」な人だった。
周りに家族が居たとしても
「独りきり」な人は、
「独りぼっち」なんだと。

わたしは感じとっていた。


独りぼっち、で
暴君だった祖父。

それを、
母は十分知っていたし
わかっていたけど、
母は祖父と「離れる」ことができなかった。

もちろん、
わたしを「守る」
というようなこともできない人だった。


独りぼっち、な人は
危ない。

わたしは
祖父をみて、感じて
そう思うことがよくあった。

何を考えているか分からないのだ。

そんな祖父が
わたしは怖かった。


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