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文具語り/PARKER61 万年筆
パーカー社の万年筆と言えば皆さんはどのモデルを思い浮かべるだろうか。ソネット?デュオフォールド?それとも51?
今回は少しマイナーだが僕が大好きなパーカーきっての"迷作"、parker 61を紹介しよう。
PARKERとは
まあ聞いた事くらいはあるだろう。
1891年、ジョージ・サッフォード・パーカーがアメリカで立ち上げた筆記具ブランドで、後にイギリスへ移転する。現在はアメリカのサンフォード傘下のブランドだ。
今回紹介する61以上に有名なモデルが山ほどある。一世を風靡した51、これはヘミングウェイや坂口安吾も使ったと聞く。
フラッグシップは昔から変わらずデュオフォールド、これはマッカーサーが有名だな。
本当にキリがないのでここらにしようか。
もちろん万年筆だけでなく、かの有名なG2規格は別名"パーカータイプ"、ボールペン界でも一目置かれるメーカーである。
☆概要という名のオタク語り
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PARKER61は日本では1956年に発売された。当時はまさに万年筆全盛期で各メーカーが次々と新製品を発売した時代だったのだ。
1952年にシェーファー が発売したシュノーケルはまさに革命的だったのだろう。シュルシュルと管を伸ばして吸い上げ、手が汚れないのだ。もちろんパーカーも黙っちゃいない。
なんとこの61は"軸を外してインク瓶に漬けて置くだけ"で吸入が可能なのだ。
この独自の機構をcapillary fillerという。
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写真の黒い棒の先端をインク壺に漬けるだけ、1分後には吸入は終わっているだろう。
「アラ便利!全部これにしましょ!」
なんて思ったキミ、残念でした。
なんとこのcapillary filler、洗浄が恐ろしく面倒なのだ。従って一度入れたら中々色を変えられない。インク沼の住人には耐え難いだろう。
ついでに吸入量も少ないというあまりに大きな代償を背負ってしまったのだった。
もちろん、PARKER社の主力商品で、当時のPARKER社はモンブラン、シェーファー と同等かそれ以上の力を持つブランド。
前モデルである51の成功もあってか61はそれなりに売れた。シャープペンシルもボールペンも出した上に軸のバリエーションも豊富で流石は主力モデルである。
しかしながら不評は不評。後期型では普通の両用式万年筆となってしまったのでした…
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この万年筆のもう一つの特徴が、フーデットニブである。一世を風靡した51や21、17といったモデルなどこの時代のPARKERの特徴とも言える。ペン先、ペン芯の保護や乾きにくさ等が目的らしいがあまり感じた事はない。
では何が良いのか?そんなの簡単だ。カッコいいのだ。細くなった軸の先、アローマークを超えた先にチョイと見えるペン先、ある種の変態的な興奮すら覚える景色である。
もちろん近頃言われる柔らかさは無く、面白味のないガチニブかもしれないが、カッコ良さは全てを解決するのだよ明智くん(?)
☆製品情報
値段→不明
機構→キャピラリーフィラー(前期型)
カートリッジコンバーター両用(後期型)
字幅→EF、F、M、B(国内未発売字幅もあったはず)
☆個人的評価
価格→評価不能(基本的にビンテージだしな、)
性能→★★★☆☆
・インクが決まってれば大丈夫。ただし顔料とかラメは確実にダメだと思う。なるべく古典も使わない方が良いんじゃないか?
外見→★★★★★
・個人的には全ての万年筆の中でもトップ^ ^
・好きだよフーデット
入手難易度→★★★☆☆
・モデルによっては海外サイトでも全く出てこない。これはビンテージパーカーあるある。
・逆にモデルに拘らなければ出回る。
おわりに
じゃじゃ馬ほど可愛いと思ってしまった俺は末期症状を呈しているのかもしれないな。
おすすめはしないが、どこかで捨てられそうになっているparker61を見たら是非救ってあげて欲しい。所有している61は気が向いたら別の記事として紹介しようと思わなくもなかったり…
ではまた、次の記事でお会いしましょう。
さらば!