【週末ストーリィランド】「ためいき泥棒」第24話
「明日かぁ……」
夜空を見上げながら、アオイは病院から自宅へと向かっていた。
本当は毎日泊まって行きたかったのだが、理美は頑として受け付けなかった。
「親御さんが心配するから、ちゃんと帰りなさい」
そう言って叱り付ける姿は、まさに母親のそれだった。
アオイは、自分の母親が嫌いではない、むしろ大好きだ。
だからといって、理美と比べたりは決してしない。
二人とも、全てを理解した上で、アオイの好きにさせてくれているのだ。
そんな事も、今まで気が付かなかった。
「自分で殻を作って、逃げていただけなんだな」
今なら理解できる。
うわべだけで過ごしていた彼女の4か月は、正しくはなかった。
そして、それをやり直すチャンスを、有夢に貰ったのだ。
「……もう、溜め息は付かない」
アオイは、ひとつの決心をしていた。
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