黒珈|くろこ|ビジネスラノベ作家

ビジネスライトノベル作家|Kindle👉お仕事SS【営業課長の心得帖】新感覚学園小説【twenty all】【straight】ライティング【あのストーリーの向こう側へ。】|note👉【四条畷課長の備忘録】【twenty all2】【インベンションマン】連載。

黒珈|くろこ|ビジネスラノベ作家

ビジネスライトノベル作家|Kindle👉お仕事SS【営業課長の心得帖】新感覚学園小説【twenty all】【straight】ライティング【あのストーリーの向こう側へ。】|note👉【四条畷課長の備忘録】【twenty all2】【インベンションマン】連載。

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  • 【黒珈の雑記帳】

    お知らせやつぶやきなどなど🐈‍⬛☕️

  • 【小説】「インベンションマン」

    【新感覚学園HERO小説】スタート! 私立たまみらい学園にて、奇妙な連続窃盗事件が発生。 学園直属の相談室リーダー、源内春都はその謎を解き明かすべく、技術部長の旭納蔵敷と開発した『インベンションマン』となって事件に迫っていく……。

  • 【小説】「twenty all 2」

    『あの夏』を越え、新しい弓道場を迎えることになった都合ヶ丘高校弓道部。残された空良と三人娘たちは、其々の思いを抱えながら、ミライに向かって歩き始めていく……。

  • ◎完結note創作大賞2024応募作品【営業課長の心得帖】

    note創作大賞2024『お仕事小説部門』にエントリー! ビジネススキルやマネジメントを手軽に学びたい方にオススメ!各話3分程度で読むことができるショートストーリー仕立てのお仕事小説です。 #創作大賞2024 #お仕事小説部門

  • ◎完結【週末ストーリィランド】

    週末にひと繋ぎのものがたりをご提供いたします🐈‍⬛☕️✨

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【黒珈の雑記帳】文学フリマ東京39に出店いたします(と01-02)

12月1日(日)東京ビッグサイトにて行われる『文学フリマ東京39』に『オトナの電子文藝部』のメンバーとして出店いたします! 📍ブース:と01-02 サークル名:『オトナの電子文藝部』 📅12月1日(日)12:00〜17:00 🏢東京ビッグサイト西3・4ホール 『文学フリマ』とは? 文学フリマは、作り手が自らの文学作品を販売する、文学作品展示即売会です。 小説、短歌、俳句、評論、ノンフィクション、エッセイなど、様々な文学作品を出店者が自ら手売りします。 来場者は、出店者の

    • 【小説】「インベンションマン」008

       ポプラ通りを横切って、学園みらいエリアに入った春都は、左手首にはめた腕時計のランプが赤く点滅しているのに気が付いた。  側面に内蔵されているイヤホンを引き出し、耳に当てた彼は、左手首を口元に持って行く。 「はい、こちら源無……」 『室長っ、どこで何をやっているんですか!』  イヤホンの音声容量一杯に、秋希の声が響き渡った。  ジーンとなった耳を押さえて、春都が呻く。 「今日は、いきなり怒鳴られる日だなぁ」 『え、何?』 「んにゃ、こっちの話」 『とにかく、室長自らミ

      • 【小説】「twenty all 2」008

        「きゃーさっちゃん、この道場すっごくいいニオイがするよォ!」 「ホント、やっぱ新築は違うわねェ」 「コラコラ騒がない、皆さんが呆れてるでしょ!」 「……」  正確には、呆れていない。  佳乃は、目の前に居る彼女達の雰囲気に圧倒されていたのだ。 「ごめんなさい、恥ずかしい所をお見せしてしまって……」  眼鏡を掛けた理知的な女子生徒が、前に進み出て言った。 「啓西高校女子弓道部、部長の和西(かずにし)です。この度は練習試合にご招待頂き、有難うございます」 「都合ヶ丘高校弓道部、

        • 【小説】「インベンションマン」007

          「……で?」  春都は、あらためて画面に向き直る。 「わざわざ呼び付けたからには、よっぽどの案件なんだろうな?」 『ソウ、マズハコレヲミテ』  ナタリーは、画面の端にぴょこんと寄った。  次の瞬間、空いたスペースにデータベースが現れる。 「下着泥棒の被害届リストか。同じものが相談室にも来てるぜ」  大して珍しくもなさそうに眺める春都。  一方の蔵敷は、画面に思い切り齧り付いていた。 「おお、C組の春日ちゃんは苺柄かあ!B組の早紀女史は何と薄い紫、くう~っ!」 「……変態」

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        【黒珈の雑記帳】文学フリマ東京39に出店いたします(と01-02)

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        • 【黒珈の雑記帳】
          43本
        • 【小説】「インベンションマン」
          8本
        • 【小説】「twenty all 2」
          8本
        • ◎完結note創作大賞2024応募作品【営業課長の心得帖】
          11本
        • ◎完結【週末ストーリィランド】
          43本
        • 【黒珈メソッド(有料記事)】
          6本

        記事

          【小説】「twenty all 2」007

          「練習試合、ですか?」 「ああ」  部活終了後、部室への帰り道に、佳乃は空良からその話を聞かされた。 「観月には、前以って動いて貰ってるけどね」 「先方から返事があったよ、今月末の土曜日だってさ」  胸元からメモ帳を取り出した観月が手を上げる。 「ちなみに相手は、啓西高校」 「……超強豪」  ナラ県立啓西高校。  昨年、キンキ大会の全ての種目を制し、今年のインターハイでも男子個人優勝、団体は共に準優勝。  男子個人準優勝の空良が居るとは言え、都合ヶ丘にとっては完全に胸を借り

          【小説】「インベンションマン」006

           数カ月前、春都のスマートフォンに送られて来た一通のメール。  そのメールには、ソフトが添付されていた。  彼は早速、技術同好会で使用していたパソコンにメールを転送、ファイルを開けてみた。  すると、画面にある文字がタイプされた。 ―Are You Inventor?(あなたは発明家ですか?) 「アー、ユー、インベンター?」  よく分からないが、好奇心を覚えた彼は、『Yes』と打ち、エンターキーを叩いた。  すると、ややあって『プログラムを解凍しています……』と

          【小説】「インベンションマン」006

          【小説】「twenty all 2」006

          「なかなか理解が早いわね、井隼さん」 「そ、そうですか」  今日から副書記として初めて生徒会室に顔を出した静香は、生徒会副会長の紺野真琴に直接指導を受けていた。 「うん、これならすぐ作業に入って貰えそうね」 「は、はい」  昨年のミス都高にじっと見つめられた静香は、思わず身を固くする。 「書記の仕事は、ざっとこんな感じです」 「はい」 「分からない所があったら何でも聞いてね。前任者としてキチンとアドバイスしますから」 「有難うございます、副会長」 (夏の風景に、ショートカ

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          ビジネスライトノベル作家の黒珈(くろこ)です。 普段はものづくりの会社で企画マネージャーとして、これまで1000人以上のマネジメント・コーチングを行って参りました。 その経験を活かして、ビジネススキルやマネジメントを手軽に学ぶことができる 「ショートストーリー」仕立てのKindle書籍 「営業課長の心得帖」シリーズを出版しています。 また、ライトノベル作品として【新感覚学園小説】シリーズおよびライティングに関する書籍を出版しています。 本日11月1日(金)に、黒珈の9

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          【小説】「インベンションマン」005

           たまみらい学園は、国内最大級の敷地面積を誇る事から、構内も番地区分がされている。  東南東の外れにある『学園多摩13番地』には、新設校には相応しくない、かなり寂れたエリアが存在していた。  予算の都合なのか、噂では建築事務所の建物をそのまま残したと言われている、鉄筋3階建の専門棟。  その一階に『技術準備室』と書かれた部屋があった。  アルミ製の扉の前に立った源無は、無言でドアノブを握り込む。  程なく、脳内に先程の電子音声が聞こえてきた。 『指紋とIDヲニンショウ

          【小説】「インベンションマン」005

          【小説】「twenty all 2」005

          「はぁ……」  レジの前で、佳乃は大きく溜め息を吐いた。  夕方の混雑する時間までは、まだ余裕がある。 「老けるぞ、佳乃」  横合いから、そう言って嗜める声が聞こえてきた。  彼女が首を廻らすと、Tシャツデニムに緑色のエプロン姿の男子店員が、笑いながら彼女を見ている。 「失礼な言い方ね、マサト」  佳乃は、幼馴染兼バイト仲間である相澤正人(あいざわまさと)に毒付いた。  正人は、良くも悪くも彼女が地を出せる、数少ない相手だ。  ちなみにもう一人は、従姉妹兼彼の恋人である月

          【小説】「インベンションマン」004

           秋希達が居る相談室の向かい側に当たる校舎には、高等部の学園長室がある。  室内では、デスクに座った初老の男性を前に、一人の男子生徒が直立不動でレポートを読み上げていた。  やや短めの髪を無造作に纏めているが、精悍な印象のある好青年だ。  本人は少し気にしているやや切れ長の瞳は、端正な顔立ちと合わせて、どこか歌舞伎役者のような雰囲気を醸し出している。 「……以上、先週の報告を終わります」 「うむ」  満足そうな笑みを口元に浮かべ、たまみらい学園高等部の学園長が言った。

          【小説】「インベンションマン」004

          【小説】「twenty all 2」004

          「それでは本日の練習を終わります。有難うございました」 「「ありがとうございました!」」  一瞬の間の後、部活終了時の独特なざわめきが室内に拡がって行く。 「ふう」  佳乃は膝上に置いた「弽(ゆがけ)」を軽く握り、小さな溜め息をついた。 (何回やっても、慣れないものはダメだなぁ) 「よしの部長ォ~」  そのとき、あっけらかんとした声が弓道場内に響き渡った。  佳乃はこめかみを押さえながら、その声の主に抗議するような口調で話し掛ける。 「観月ちゃん……その部長って言うの、

          【小説】「インベンションマン」003

           私立たまみらい学園は、トウキョウ都の西部、タマ丘陵の南西部に位置している。  中・高・大学まで一貫しており、男子寮・女子寮も備えている。  その高等部には、創設当時より生徒の学業や受験の相談を行う、学園直属の『相談室』があった。  当初は教師が持ち回りで運営していたのだが、数年前から実際の運営は生徒自身に任せられている。  今では、勉強は勿論、学内での様々な事件や問題を引き受けているため、生徒からは『何でも屋』と呼ばれているのだ。 「ふええ、こんなに来ているの!?」  

          【小説】「インベンションマン」003

          【小説】「twenty all 2」003

          「ごめんなさいおじい様、そんなに時間は掛からないから」  スマートフォンの向こうから聞こえる祖父の怒鳴り声を無視して、亜紀子は改めて現在の状況を冷静になって確認してみた。  おそらく、生粋のお嬢様学校である本校に男子生徒が「公式に」入る事は、史上初めての快挙(?)なのであろう。  理事長である彼女の祖父の承諾を(事後で)取り付けた事に寄って、国府田空良は私立橘女子高校のキャンバス内を堂々と歩いていた。  本人の自覚は全く無かったが、周囲から向けられる視線は相当なものだっ

          【小説】「インベンションマン」002

           私立たまみらい学園女子寮、通称『銀閣』の朝は早い。  しかし、起床を告げるチャイムで起き出すのは、入学間もない新入生か三年の受験組位だろう。  ましてや、今日は日曜日。  しかし、2年生棟の中で朝早くから賑やかな部屋があった。 「今日はタカサゴ君とお出かけだあ~ん♪」  嬉しそうに飛び跳ねているポニーテールを見て、短髪に軽い寝癖をつけた少女が、椅子に座ったまま溜め息を吐いていた。  普段はくりっとした瞳を、眠たげに瞬かせている彼女の表情には、中学生のようなあどけな

          【小説】「インベンションマン」002

          【小説】「twenty all 2」002

          『喫茶フルール』  落ち着いて店内を眺めたのは今回が初めてだったが、大切な時間を過ごしたくなる素敵な場所だなと感じていた。 「お待たせ」  そんな事を考えていた国府田空良の前に、1人の女子生徒が姿を見せた。  目元が少しキツめだが、元々備えている可愛らしさは隠されていない。  長くて真っ直ぐな黒髪の左側を、少し大きめの藍色リボンで括っている。 「安崎さん」 「こんにちは、国府田君。ホッカイドウ以来だね」  私立橘女子高校の安崎亜紀子は、空良の向かいの席にストンと腰を下ろすと