【J2第1節 vs水戸 レビュー】基点 is 大事
勝ったぜおうぇ~い。
試合概要
■試合情報:J2リーグ 第1節 水戸ホーリーホックvs大宮アルディージャ @ケーズデンキスタジアム水戸
■試合日時:2021.2.28.Sun 14:00 K.O.
■試合結果:水戸 1-2(1-0/0-2) 大宮
■得点者:
8分:深堀隼平(水戸)
70分:柴山昌也(大宮)
83分:奥抜侃志(大宮)
■選手交代:
〔水戸〕
64分:OUT 深堀隼平→IN 奥田晃也
64分:OUT 木村祐志→IN 山根永遠
75分:OUT 安藤瑞季→IN 松崎快
75分:OUT 村田航一→IN 柳澤亘
84分:OUT 森勇人→IN 新里涼
〔大宮〕
HT:OUT 佐相壱明→IN 柴山昌也
57分:OUT 松田詠太郎→IN 黒川淳史
81分:OUT 大山啓輔→IN 石川俊輝
89分:OUT 奥抜侃志→IN 翁長聖
89分:OUT 中野誠也→IN ネルミンハスキッチ
■両チームのスタメン:
前半の大宮
前半の大宮はお世辞にも良いとは言えなかった。
ボール保持時はあまり手数をかけずに裏をシンプルに狙う方法を多く採用。理由は正直よく分からないがやたらと攻め急いでいた。攻め急ぎ野郎だった。
この際、4バック+2CHの6人がかなり後ろ重心なポジション取りをし、水戸の4-1-4-1の前6人に完全に分断される形となってしまった。
前の選手が下りてくる形も何回かあったが水戸のプレッシングにより、あまり時間を作れなかった。
そして時間を多く使わない攻撃、つまり速攻が結果的に多くなり、CHやSBが効果的に攻撃参加することが出来なかった。
ボール非保持時は4-4-2でのブロックをベースに守備陣形を展開。この際水戸は4-3-3の布陣を展開。お互いに嚙み合わない形だ。
大宮のCFはとにかく即時奪回を目指したのか、水戸の中盤へのパスコースを切らずにCBへとアッタクしてしまうシーンが散見された。
ただでさえ中盤では数的不利な状況なのでCHが対応しきれずに芋づる式に守備をはがされてしまう―――そういったシーンが目立った大宮の守備だった。
前半の水戸
水戸の攻撃は4-3-3をコンパクトに展開。先ほども触れた通り、大宮の守備とは嚙み合わせのズレが生じるので、中盤より前の選手はファジーな位置取りをしつつ、IHやWGがハーフスペースを上手く活用。
大宮の前からのプレッシングからボールを失うシーンもありはしたが、基本的な数的優位と対人の強さがあるので、さほど危ないシーンにはならなかった印象だ。
守備では、まず奪われたら即時奪回を第一目標とし、第二にブロックを形成するといった狙いがあったように思われる。水戸は基本的に中盤では数的優位にあるので、ここで高い運動量を以て奪回すればすぐに二次攻撃・三次攻撃に移れるからであろう。
ブロックの形成は昨季までの4-4-2とは異なり4-1-4-1を採用。水戸は守備が課題だと秋葉監督も言っていたそうなので、単純に中盤の枚数を増やすのと同時に、より前へとプレスをかけやすくするためであろう。
先ほども触れたように、前の6人でほぼ完全に大宮を分断することに成功。時々、大宮の選手が下りて来てボールを受けても、素早く中盤とSBで挟んでしっかりとボールを回収。
前半はほぼ完全に大宮の攻撃を窒息させることに成功していたと言える。
後半の大宮
後半の大宮はビルドアップ時の重心を少し前に修正。前半は大宮のCHが相手CFよりも後ろにポジション取りをしていたため、相手ディフェンスがあまり脅威を感じることなくボールと選手を同時に見れていたが、最低でも相手CFの裏にポジショニング。
また、相手のアンカー脇をCFとCHが積極的に利用回数を増やし、SHも下りて来てボールを引き出してタメを作ることで前半よりも効果的な前進と厚みのある攻撃の実現に成功した。
前線でタメを作ったことで成功した攻撃が1点目の形だ。
まず奥抜にボールが入り、黒川・中野が流動的にサポートに入る。その際全体的に押し上げられる時間が生まれる。上がってきた松本は味方の配置を見てポストプレー。左サイドにボールが入ったタイミングで渡部のインナーラップで相手SBの村田を引っ張って、最後は柴山のビューティフルゴール。
2点目はカウンター気味に相手の中盤裏を利用したポストプレーから。
相手の守備強度が落ちてたこともあり、時間的にも空間的にもかなり余裕があった。あとは馬渡の下馬評通りの正確なクロスから逆転。
後半の守備は基本的な事はあまり変わってはいなかったが、全体的にコンパクトな陣形を敷き、スライドを大きくすることでCHのカバー範囲を狭くしていた。
だがそれも完全なものではなく、水戸の攻撃陣にハーフスペースを使われたり、スライドが間に合わずにサイドを基点にされるシーンもいくつかあった。
個人レベルの話にフォーカスすると、ハスキッチは短い時間ながらもパスコースを切った良い守備が出来ていたように思う。
後半の水戸
攻守共にベースの形は変更なし。
ただ、大宮サイドの修正にあまり対応出来なかったことと、体力的な問題から高いインテンシティを維持出来なかったという2点を前述しておこう。
攻撃時は、前半よりも中盤へのパスコースが狭くなっていたというのもあったのか、すっ飛ばして最前線へというパスが増えたように感じる。
しかし1vs1の勝負では大宮守備陣に分があったので、山根・奥田・松崎と攻撃的なカードを投入していった。実際彼らが受け手となってゴールに迫るシーンというのもいくつかあった。
守備では、先ほども触れた通り、大宮が前半よりも効果的に水戸との嚙み合わせのズレを利用してきたため、少し後手を踏むシーンが見られた。
アンカー脇を使われるのはアンカー制を採用するチームの宿命みたいなものである。
また、前半には多く見られた前からボールを奪っていく狙い・姿勢も時間の経過と共にだんだんと薄れていった。
ここら辺の90分通してのマネジメントは水戸の今後の課題として挙げられる点の1つであろう。
さいごに
柴山昌也はスーパースターだし、黒川淳史はファンタジスタ。