(21-16-21E)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第二十一章 祈り(16)~(21)
十六
その時、掃き出し窓越しに、中庭に自転車が降って来るのが見えた。大枝の時とは違い、平屋建ての前方部分の屋根を越えて吹き飛ばされてきたのだ。映画ではない、実際の光景ではおおよそ考えられないことが起こっている。自転車は能舞台に斜めに飛び込んできて、大枝の頭をかすめ、さっき三人が瞑想していた辺りを直撃したのち、さらに奥まで舞台を滑って、松が描かれた一番奥の壁にぶち当たって大破した。車輪が横の橋掛かりを力なく転がって、座禅を組んだままの杏児の体側に当たって倒れた。
ユキは