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コトバのチカラと『日々是好日』

著書に『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ #超言葉術 』を持つコピーライターで作詞家の阿部広太郎さんのセミナー(マイナビのMY FUTURE CAMPUS主催)に出席して、改めて『コトバのチカラ』 を認識し直したので、私なりのコトバのチカラについて綴っていければと思う。

言葉は、意識の引き出しを開けるもの

まずは、セミナーで阿部さんが仰っていた内容をざっくりと振り返っていく。(※阿部さんの仰った内容に自分なりの解釈も入れつつ展開しますので、鵜呑みにはしないでください。)

言葉は、意識の引き出しを開けるもの。個人的に最も印象に残っているメッセージだ。無意識の意識化を助けるのが言葉である。

私たちにとって、普段から意識の上に上がってくるようなものは、すべての感覚の中の氷山の一角に過ぎない。大部分は無意識下に眠っていて、そこに対して言語という形態をもってアプローチしていくことができる力を持つのが言葉である。

では、無意識にアプローチするためにはどうすればいいのか。『思い出』のしっぽを掴み、『思い出す』のミルフィーユを作ることが必要だ。掴み取りにくい『思い出』を必死に追いかけ、幾層にも重ねる形で『思い出す』事が必要だ。

例えば、『I LOVE YOU』の翻訳を夏目漱石は『月が綺麗ですね』としたという逸話がある。愛というものを自身の思い出から認識し直した結果であろう。愛とは何だっただろうか。『思い出』を振り返ってみれば新たに見えてくることがあるだろう。

ここで、愛について再認識をして言葉にしたもので、いくつか僕個人的に心の琴線に触れたモノを載せておく。(たぶん著作権とかはないはず。)

【阿部さん&セミナー参加者のコピーから引用】
・半分こにしようか(愛=共有)
・あ、消しゴム落ちたよ(愛=発見)
・卒業したから生徒じゃないです(愛=関係の変化)
・月に行かない?(愛=未来)
・仕方ないなあ(愛=許容)
・背中が点になるまで見送った(愛=余韻)
・ううん、今着いたところだよ(愛=気遣い)
・これ好きだったよね(愛=理解)
・各駅でいいや(愛=ともに過ごす時間)

良いコピーには『言外の情報』が詰まっている。その言葉の背景にある情景が思い浮かんでくる。その情景が私たちの無意識に訴えてくる。

せっかくなので、阿部さん、または阿部さんが紹介された著名人、及びセミナー参加者のコピーで僕の心に刺さったものを載せてこの章を閉じたいと思う。

【現状とその捉え直し】
・あなたと別れることは私の独立記念日
・世の中にある欠陥は、あなたが貢献するための招待状
・キャリアが停滞中、それは人生の企画中ということ

【大学生活/自粛期間についてのコピー】
・冬眠中なの。もうすぐ春。
・蝶になる前のサナギ。
・最高のガラクタ集め。
・ただいま発酵中。
・自宅留学。
・思い描いていたようにはならなかったけど、思いもよらなかったようにはなった。
・4年後に咲く花。花言葉は「まずやってみよう」不安は肥料です。


僕が思う『コトバのチカラ』

僕は『人生の質は言葉との出会いで大きく向上する』と考えている。言葉が、『無意識の意識化』を促すものだとすれば、今まで当たり前に通り過ぎてきた日常の中のあらゆる事象をわざわざ意識の上に持ち込むことを意味するのだと思う。それはつまり、気づかなかった幸せに気づくとこができるし、一見ネガティブな事象をポジティブに捉え直すこともできる。

言葉を借りると、例えば、『半分こにしようか』という何気ない共有に愛を感じられる(気づかなかった幸せを噛みしめる効果)のはその言葉に出会ったからだと思うし、自粛期間を『自宅留学』だと意味づけられる(ネガティブをポジティブに転換する効果)かどうかもその言葉に出会ったかどうかに掛かっているはずだ。


『日々是好日』

高校3年生のときの副担任の先生に教えてもらった『日々是好日』という言葉、これは僕の大好きな言葉であり、座右の銘と言えるかもしれない言葉だ。

端折ってその意味を説明するためにWikipediaから引用すると、

『日日是好日』は、表面上の文字通りには「毎日毎日が素晴らしい」という意味である。
そこから、毎日が良い日となるよう努めるべきだと述べているとする解釈や、さらに進んで、そもそも日々について良し悪しを考え一喜一憂することが誤りであり常に今この時が大切なのだ、あるいは、あるがままを良しとして受け入れるのだ、と述べているなどとする解釈がなされている。

僕なりの解釈は、『人生(日々の生活)の質はその解釈の質に依存しており、いいことも悪いことも自分の人生の一部で、そこにどんな意味付けをするかが大切なのだ。』である。『日々是好日』を『Good day ,Bad Day,My Day.』と表現している人がいて、秀逸だなと思った記憶がある。

僕はこの言葉に出会ってから明らかに人生の質が上がった。質というと物質的な感じがするから適切な表現ではないかもしれないが、とにかく幸福度が劇的に変容したことは確かだ。

普段から色々な言葉に出会い、できるだけ大部分の無意識を顕在化させることを通してより豊かな人生を歩んでいきたいと思う。


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