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季語における砕氷船と流氷船の違いについての考察

クリオネ句会の2023年の3月オホーツク兼題は「乗ったつもりで流氷観光船吟行」です。
元々は「砕氷船」を兼題にするつもりでした。
砕氷船ガリンコ号や流氷観光船オーロラを詠みたい、という意見があったのです。


ですが、砕氷船が晩冬の季語であることに引っ掛かりを持ったメンバーから「どうして流氷と同じ春の季語ではないのだろう?」という質問が投げかけられ討論に至ります。

その結果、季語における砕氷船は、本来観光目的の船ではないのではという結論に至りました。多くの歳時記で南極探査船の文字が出てきます。地貌歳時記の中には「流氷を割って航路を開く船」という解説で観光目的の船を匂わせるものもあれば、インターネット歳時記では明確に軍用・探査船と示しているものもある。

流氷観光目的であれば流氷と同じ時期で良いのです。
しかし実際は季節のズレがあります。

さて、ここで俳句結社「群青」の共同代表の櫂未知子さん及び同人数名らと個人的にオホーツクに訪れた際に、流氷船について流氷の傍題として扱っても良いのではという使用についての示唆があったという話題が出てきます。
多くの歳時記ではまだ流氷船は掲載されておりません。
しかし流氷と共に流氷船も歴としたオホーツクの2月の光景です。今後流氷船が季語として歳時記に掲載される可能性は十分あるのです。

恐らく我々が詠みたいものは流氷船のことだろう、そう結論いたしました。



さて冒頭。
ガリンコ号は砕氷船。
オーロラは流氷観光船。
そういう名称となっています。
正直砕氷船も流氷船もごっちゃになって仕方がないのです。



これらを踏まえて、3月のオホーツク兼題は「乗ったつもりで流氷観光船吟行」といたします。
季語の本意を理解した上で砕氷船を詠むも良し、流氷船を詠むも良し、乗船したつもりで流氷シーズンのオホーツク海や動物を詠むも良し、久しぶりの兼題としては自由度のあるものになったと思います。



オホーツクメンバーの作品は北海道新聞朝刊オホーツク版(オホーツクの道新購読者のほか、どうしん電子版を契約されている方もご覧になられます)及び経済の伝書鳩にて公開しておりますので是非ご覧くださいませ。

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