「はじめての俳句」句会について
俳句初心者の方が入会した場合、俳句を楽しく学ぶ機会として毎月前半に「はじめての俳句」句会を開催します。
ベースとなるのは、俳句集団いつき組・夏井いつきさん考案の「たのしいな俳句」です。
初心者の方にも句を選びやすいよう、夏井いつきさんの句会ライブで配布される季語集を使用します。
季語集については直リンクできませんので、お手数でも下記の夏井いつきYouTubeチャンネルの下記の動画の説明欄から各自ダウンロードをお願いする形を取らせていただきます(うまくダウンロードできない場合はよしざね弓までご連絡ください。プリントが出来ない環境においてプリントをご希望の場合もよしざね弓までご連絡ください)
https://youtu.be/CmRvGfsLzKE
以下、3月に行われたテスト句会での内容です。
今回のテスト句会は「たのしいな」をベースにした句を、5句提出していただきます。
下記の作り方を参考にして作句願います。
今回のテスト句会には句会経験のない初心者さんにも参加していただいております。
感想はやさしめの言葉でお願いいたします。
俳句の作り方
1 「5音+7音+たのしいな」または「たのしいな+7音+5音」の言葉を作ります。5音+7音または7音+5音の12音は「俳句のタネ」となります。
ルールとして、この中には季語を入れないようにします。たのしいなと思うことを12音の言葉にしてみましょう。また、5音、7音の単語や文のぶつ切りにならないように注意してみてください。
文字数ではなく音数です。
音数についての説明は下記の動画をご覧願います。
なお、日常の言葉には「夕焼け」「虹」「月」「花(俳句で言う花は桜のこと)」「ベランダ」など、季語だとわかりにくい単語も沢山あります。歳時記がない場合は「きごさい歳時記」というサイトであらかじめ季語かどうかをチェックしてみると良いでしょう。
例1 はじめての友達三人たのしいな
例2 たのしいな締めの三三七拍子
例2は正確には7音+5音ではありませんが、リズムが五七五になるようであれば全く問題はありません。原則12音であれば大丈夫ですが、最初のうちは声に出して心地よいリズムになるよう心掛けた方がよろしいかと思います。「たのしいな」という気持ちの句はリズムの良さを意識してみてください。
悪い例 たのしいな今日はあの子とひなまつり
季語を含む言葉は入れないようにします。この場合の季語は「ひなまつり」です。
2 「たのしいな」を季語集にある季語に置き換えてみましょう。季語集にある単語(季語)がどういう意味かわからない場合は歳時記またはインターネットサイト「きごさい歳時記」で調べてみましょう。
12音の言葉と季語のイメージは「近すぎず、遠すぎず」という感覚で組み合わせるのがポイントです。
連想しやすい内容は誰もが同じ発想で作りやすく「凡句」と言われる可能性が高くなります。逆にあまりに連想しにくい内容ですと、誰からも理解されない可能性が高くなります。
これで一句完成です。
なお、初心者の方が俳句を選びやすいよう、当面の間はすべての参加者がこの季語集にある季語のみを使用することにします。季語集にない季語は使わないようご協力をお願いいたします。
俳句の表記について
俳句は本来縦書き一行で五七五の間にスペースは入れません。またテレビのように複数行で表記しません(これは画面上のスペースの関係上で三行表記しているだけです)。
当俳句会でも意図を持ったスペースまたは分かち行以外は認めない方向です。当然意図を持って行う場合もあると思いますが、これも上級者テクニックですので、最初のうちは行わないことが無難です。
パソコンの仕様上どうしても横書きでの投句になりますが、選句期間に入ってすべての句が揃った時、夏雲システムでは縦書き表記の設定が可能となります。是非縦書きにしてみて、文字にした時の句の美しさもお感じになってください。また、印刷用の清記表(投句一覧のこと)は縦書きで出力されます。清記表はプリンターを持たない方のために一週間コンビニでプリント出来るようにいたします。
選句・選評について
句会ですので、投句で終わりではありません。投句期間終了後、選句期間に突入します。ここで行うことは、自分のいいなぁと思った句を選ぶことです。天選、地選、人選とあります。要は自分の中の1位、2位、3位を決めていくのです。これが良かった、という句を選んでいきましょう。この際、どこが良かったのか、どうして良かったのかという感想(選評)も記載していただけると幸いです。
実際の句会では、決められた数の句を選び、選句内容を全員の前で発表していきます(これが披講です)。場合によっては、どの句がどういう理由で良かったか訊かれることもあります。そういう意味では、選句・選評も重要なことです。
恐らく選句・選評の方が投句よりも遥かに難しい筈です。それは鑑賞力をつける良い機会でもあると思っています。頑張ってみましょう!
「はじめての俳句」で学ぶこと
今回の俳句の作り方は「取り合わせ」という方法です。俳句には季語自体を詠む「一物(いちぶつ)仕立て」と今回の「取り合わせ」の二種類の作り方がありますが「はじめての俳句」では主に「取り合わせ」について学んでいきます。俳句の80%は取り合わせの句です。まずは一緒に学んでいきましょう。
俳句のオススメサイトについて
●俳句の基礎の基礎を学べるサイト
○日本伝統俳句協会
俳句を作る→俳句入門講座は無料で俳句を学ぶのに一番の基礎が学べるコンテンツだと思います。当俳句会は現代的な俳句をベースにしますが、このコンテンツに書かれてあることを学ぶのも良いと思います。
伝統俳句では季語のことを「季題」 と言います。季節の言葉をテーマにしているのが季題という考え方だからです。季語も季題も誤りではありません。ただし後(きごさい歳時記の項)で出てくる「子季語」については異議を唱えている人が大多数ですので、それだけは注意が必要です。
○夏井いつきYouTubeチャンネル初級編
プレバトなどでもお馴染みの夏井いつきさんのYouTubeチャンネルのうち初心者向けコンテンツを集めています。徐々に中級編、そして1から見るなど、気になったものを見てみると良いかもしれません。
○俳句ポスト365 結果発表「火曜日・俳句道場」
○俳句生活 結果発表「今月のアドバイス」
基本的なルールが記されています。表記方法などの基本をまずこちらでご確認願います。俳句ポストの俳句道場では季語や文法について、投句者同志が学びあっています。中級者以上の方にもおすすめできるコーナーです。
●はじめての俳句に便利なサイト
○きごさい歳時記
インターネット歳時記は原則オススメしておりません。季語として一般的に認知されていない最新の言葉を含む場合があるからです。しかしながら、歳時記によっては記載のない季語もありますし、歳時記を持っていない時点で試しに俳句を始めようかな、というのであればまずはこのサイトを利用してみるのも1つの手です。
しかし、これはあくまでも補助的利用としてお考えください。本気で俳句を始めたくなりましたら歳時記の購入をオススメします。(電子辞書に収録されているケース、角川合本歳時記アプリを購入するのも1つの手です)
なお、きごさい歳時記にある「子季語」という表現については異議を唱えている俳人が多いのが現状です。通常は「傍題」と呼ばれているものですので、当俳句会においても「傍題」と呼ぶことにします。