文学賞と作家-アンデルセン文学賞-
みなさんは、「国際アンデルセン賞」はご存じですか?
デンマークの高名な児童文学者ハンス・クリスチャン・アンデルセン。
『人魚姫』、『裸の王様』や『みにくいアヒルの子』など、みなさんが幼少期から触れている物語の作者です。
このアンデルセンの名前を関した賞が「国際アンデルセン賞」であり、「小さなノーベル賞」と呼ばれ、児童文学の最高峰の賞となっています。
作家に贈られる賞であり、近年では『守り人シリーズ』の上橋菜穂子さんや、『魔女の宅急便』の角野栄子さんも受賞しています。
しかし、アンデルセンの名前を関した賞はもう一つあり、今回はこちらの賞を紹介します。
今後、別記事で「国際アンデルセン賞」についてもまとめる予定です。
アンデルセン文学賞とは
アンデルセン文学賞(Hans Christian Andersen Literature Award)は2007年のパウロ・コエーリョ(Paulo Coelho)の栄誉賞を発端に、2010年より創設された比較的新しい賞になります。
アンデルセンの生誕地のオーデンセの選考委員により選ばれ、授賞式は市庁舎で行われます。
コエーリョが贈られたのは白鳥のブロンズ像と白鳥の証書でした。
受賞者リスト
受賞者の中には、日本の村上春樹や、J・K・ローリングも含まれていて、賞のイメージがしやすいのではないかと思います。
2007年: パウロ・コエーリョ(栄誉賞)(Paulo Coelho)
2010年: J・K・ローリング(J.K. Rowling)
2012年: イサベル・アジェンデ(Isabel Allende)
2014年: サルマン・ラシュディ(Salman Rushdie)
2016年: 村上春樹
2018年: A・S・バイアット(A.S. Byatt)
2020年: カール・オーヴェ・クナウスゴール(Karl Ove Knausgård)
作品紹介
パウロ・コエーリョ
ブラジルの小説家で、1988年に出版した第2作『アルケミスト - 夢を旅した少年』は、読んだこともある人が多いのではないでしょうか。
J・K・ローリング
イギリスの作家で、あの「ハリー・ポッター」シリーズの作者です。
説明は不要ですね。
イサベル・アジェンデ
チリの作家で、ラテンアメリカ文学の傑作ともいわれている『精霊たちの家』が代表作になります。
また、亡くした娘に語りかけるように書き留めた、一族の半生の記録と体験を綴った作品『パウラ、水泡なすもろき命』は作者自身が「自分の最高傑作」と称しています。
サルマン・ラシュディ
インド生まれのイギリス系アメリカ人の小説家。
1981年にブッカー賞を受賞した『真夜中の子供たち』は、同賞の25周年と40周年を記念して2度にわたって「全受賞者の中で最高の小説」とみなされることになった。
村上春樹
日本の小説家・翻訳家。京都府京都市伏見区に生まれ。
現実世界と非現実の異界を不思議な感覚で行き来する作風で、熱心なファンも多い。
代表作があまりにも多いですが、『ノルウェイの森』と『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を挙げておきます。
A・S・バイアット
デイム・アントニア・スーザン・バイアット、イギリスの小説家。
1990年の『抱擁』でブッカー賞を受賞。
現在、ほとんどの書籍が中古での購入か、図書館の利用での閲覧となっています。
カール・オーヴェ・クナウスゴール
ノルウェーの作家。
1998年から執筆を開始し、2009年から2011年にかけて発表した『我が闘争』と題する6つの自伝的小説がベストセラーとなった。
日本語訳は2冊刊行しています。
終わりに
コエーリョの『アルケミスト - 夢を旅した少年』を再読しようと思い、調べたら「アンデルセン文学賞」をみつけました。
近年創設の賞であり、受賞作家も気になったため、まとめてみました。
好きな作家が受賞した賞から、新たな作家をみつけて読んでみるのも、本屋とは違った出会いでおもしろいのかなと思いました。
文学賞もいくつもあり、大きいものだけでも知っていると、読書の幅も広がりそうですね。
文学賞については、今後もわたしなりにまとめていきたいと思います。
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