『バケツ一杯の空気』 フリッツ・ライバー -読後メモ#001-
”純粋な酸素を呼吸して、むかしの王様より贅沢な暮らしをしている。”
山に登った時、空気がおいしいと感じられる。
純粋な酸素は贅沢品。
無添加、無塩石、有機栽培。
食べ物に対しての意識はみんな高い。
でも、空気に対しては?
間違いなく体に入ってくるものの中で多いはずの空気。
ここの質について、意識したことがなかった。
というより、軽視していた?
田舎に住む。
空気がきれいだから。
この単純なことは、贅沢だと感じた。
環境を変えることで贅沢になる。
それがわかってはいるけど、踏み込めない。
小説の中の<巣>とその住人は、内向きになり、外に渦巻く力から逃げることの比喩になっていて、育った場所から去りたいかを問いかけてくる。
余談ですが、アルゼンチンのパタゴニアにある、世界で三番目に大きい「ペレト・モレノ氷河」(別名「生きた氷河」)では、氷河トレッキングの後にご褒美があるそうです。
太古の空気を閉じ込めて何万年も生き続けていた氷河の氷で飲む最高のオンザロック、スコッチウイスキー。
現在の贅沢な空気を味わってみたいです。
小説 「バケツ一杯の空気」
フリッツ・ライバー(Fritz Leiber) 著
A Pail of Air (1951)
深町真理子 訳
BOOK
短編集『バケツ一杯の空気』。
Original Copyright ©1964
A PALE OF AIR by Fritz Leiber
Japanese translation published ©1979
目次
バケツ一杯の空気
ビート村
火星のフォックス・フォール
パイプ・ドリーム
時間戦士
六十四こまの気違い屋敷
空飛ぶパン始末記
最後の手紙
ラン・チチ・チチ・タン
性的魅力
美女と五人の男たち
ランチチ・ラウンド・ライバーランド ━野口幸夫━