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神座

2023.09.30 021

大阪に9年住んでいた。
中学生から専門学生の頃まで。
青春時代は19~21歳の3年間の専門時代だった。
学校に行くのが楽しくて仕方なかった。
クラスメイトとはとことん仲良かった。
大体同じ面子で3~5人くらいでほぼ毎日遊んでいたし、週末は誰かの家にみんなで泊まったりもした。
彼女がいた友人も、彼女を連れて泊まりに来たり遊びに来たりした。
それくらい楽しかった。

地方から来たSというやつは、ガリヒョロのくせに食べ歩くのが好きだった。
ある日「血相を変えて夕飯ラーメン食いに行くで」と俺のことを誘い出した。
「どうせお前のことやから知らんやろうけど」とわざわざひと言付け加えて。
俺らが通っていた専門学校は徒歩圏内でミナミ、いわゆる大阪の難波・心斎橋近辺に行けた。
アメ村もしょっちゅう通って古着なども買っていた。
心斎橋からアーケード内を歩いて難波まで。
戎橋、通称ひっかけ橋を渡ったところに行列の店があった。
それが神座、かむくらとの出会いだった。
しょう油ベースなのだが、少し甘めのスープ。
煮込まれている白菜も入っていてあっさりした印象を受けた。
小さな壺の中に入っている、唐辛子漬けのニラを入れるとまた美味くなる。
黙々と一気に食べた。
そして、違う友だちを連れて翌日も行った。
多分、週に1度くらいは通っていたと思う。
バイト代が入れば3日続けていくこともあった。
それくらいはまっていた。

大阪に行くことがあれば、必ず神座に寄って食べていた。
友だちも呆れるくらい。
今、俺が住んでいる関東地方にもチェーン店があるらしい。
近ければ行くけどね。
この年にもなると、さすがに結婚式で大阪に行くこともなくなった。
だからここ15年ほど大阪には足を踏み入れていない。
久々に大阪の神座、食べたいなあ。
噂の塩元帥も、食べたいなあ。
お店でラーメン、食べたいなあ(最近食べてない)。