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2022年7月 18きっぷで南東北居酒屋巡り その2

さて、郡山駅で軽く昼メシ。駅ビル内のもりっしゅ。福島の日本酒をずらり揃えている。注文したのは今月の利き酒セット。栄川の特別純米、大七の完熟生酛生原酒、花春の夏酒大吟、渡辺酒造の純米大吟東北復興宇宙酒、の4種類の酒と、長芋浅漬け、枝豆ガーリック風味、ツナサラダの3種肴。この後、冷や奴と笹正宗純吟をいただき、贅沢な昼吞みとした。

一番好きなタイプの酒は大七の生原酒だった。

郡山から福島、白石と乗り継ぎ、仙台へ。ホテルは東口なのでそちらへ向かうと、仙台駅東口へ出るのは初めてだと気がついた。いつもホテルは西口の方だし、食事にしても観光にしても、やはり西口方面だからなあ。駅ビルの東口はまだ新しい感じ。真ん前のヨドバシカメラの手前ビルが工事中。もう少し変わっていくのかな。

仙台駅東口。

ホテルビスタは歩いてすぐ。お店は17時の予約。本当は美術館へでも行こうかと思っていたのだが、駅ビル内の書店を巡っている間に時間がかかり、その余裕はなさそう。駅前の図書館へ行こうと出向けば、なんと木曜なのに休館日だった。しょうがない。地下鉄で大町西公園まで移動し、公園界隈をうろつく。広瀬川が見えるかと公園の端っこまで行くが、見えない。代わりに乗ってきた地下鉄東西線が地上へ出てくる所が見えた。櫻岡大神宮へお詣り。

公園内におしゃれな彫刻が置いてあった。
櫻岡大神宮の手水場には、風鈴がかけられ、涼やかな音を聞かせてくれた。

さて、そろそろいい時間。のんびり酒場ニコルへ向かう。こちらへ初めて伺ったのは10年前。日本各地の酒蔵を訪ね歩く仲間と仙台で泊まった際のこと。置いてある酒、ワインや日本酒のラインアップがずばり好みのど真ん中だったし、出される料理のどれもが美味しく、一発で気に入ってしまった。以来、一人でも、時にカミさんと二人でも訪ねてきた。

悦凱陣の樽が出迎えてくれるのんびり酒場ニコル。

で、この日も美味しい酒と美味しい料理に変わりはなかったのだが、ただひとつ店主の接客態度が変わってしまっていた。実は昨年夏に来た時も少し感じた。その時は人相まで別人みたいな印象を受けたのだが、気のせいかなと思っていた。が、今年、はっきり、今後もう来ることはないなと感じてしまった。なるべく他のお客さんがいない時間帯を、と去年も今年も予約は17時に入れていた。案の定、しばらくはひとりで吞んでいられる。なので、あれこれ話しかけてみるのだが、必要最低限しか答えてくれないのだ。いくらコロナと言っても、店主はマスクをしているし、距離も十分とっているのに。せっかくはるばるやって来て、吐き捨てるような一言しか返してくれないのは悲しすぎる。来るなというなら、事前に予約のメッセージを送った時に断ってくれればいいのに、とまで思ってしまう。かつては、ニコニコしながらいろいろなことを教えてくれた。国産ワインの共栄堂やノラポン、山田農場のヤギチーズgaro、山形の酒屋源八などなど。年末に販売するカキのオイル漬けも何度も購入した。そして、来店すると店を出る時は外まで必ず見送ってくれた。ここ数年はそれもない。前夜の門土庵の歓迎ぶりとは大違い。
この日、いただいた酒は北海道の白ワイン、宮城県の日本酒から、大学生が仕込みに参加した酒、続いて高校生の酒、最後に定番の悦凱陣のお燗。料理は、突き出しがヒラメつくね、注文はホヤ三昧、アユのコンフィ、ミンククジラのタルタル。

ホヤの刺身は3~4年もの。旨味が違う。ウワサのホヤ玉子も美味しかった。
塩辛は、これだけで酒が何杯でも飲めそうなほど。
アユのコンフィは頭からがぶりと食らいついた。
悦凱陣のお燗、ほっとする旨さ。行き着くところはここだなあ。

どうにもやるせない気持ちのまま、帰路は歩いて。商店街のアーケードにはまもなく始まる七夕祭りの飾り。そして、狭い小径は昔ながらの吞み屋がびっしり。

コロナ前だったら、絶対にどこか暖簾を潜っていただろうな。

旅先での飲食には自分なりのルールを設けており、1.可能な限り知っている店で2時間まで、2.ハシゴ酒はしない。だから、寄り道はせずにホテルへ戻り、大浴場で汗を流した。
翌朝は、早出。7時1分発の福島行き。仙台駅を出る時にはさほど車内は混み合っていなかったが、徐々に通勤通学客が増えていった。夏休みのはずなのに学生さんもそれなりに多い。どこで皆さん下りるのか分からなかったが、なんと白石駅で大勢下車した。福島から乗り継ぎ、郡山から快速で会津若松へ向かう。磐梯山が迫ってくる。

磐梯山は山頂付近に雲をかぶっていた。

本当は仙台でのんびり過ごして、今日は帰るだけの日のはずだったのだが、会津若松に寄る用事ができたのだ。しかも、せっかく磐梯熱海にいたのだから、前日に行ければよかったのだが、目的の場所が木曜はお休みと分かり、やむをえず、今日寄ることにしたのだ。列車は5分遅れで会津若松駅に到着。外はめちゃくちゃ暑い。歩いて8分、目的のふらっとは見つかった。

障がいのある方の余暇活動支援センター、ふらっと。
近隣他県にはない先進的な取り組みだそう。

が、12時オープン。ここで開かれている写真展がお目当て。窓からのぞくと壁に作品が掛かっているのが見えた。と、窓が開いて、女性がご用ですかと。写真展を観に来ました、と伝えると、すみませんが12時からで、今食事中なんですよ、申し訳ないですけど、そこの日陰でお待ちください、と言われた。日陰は風が通って涼しい。しばらくしたら、どうぞお入りくださいと。え、まだ11時45分だけど、お言葉に甘えて。実は、noteに「只見線のあるまちにて」というタイトルのページがあり、そこで作者のはがきよしさんから、ふらっとで写真展をしていると教えていただき、訪れたのだった。もっと列車の写真が多いのかと思っていたら、それより人物が主体の写真が多かった。全点に長めのキャプションが付いていて、noteを読んでいるかのよう。ただ、写真はプリントなので、いつものパソコンモニターで観ているのとは違う味わいがある。会津本郷駅かな、黄昏時に列車を見送る母子の写真が心を打った。

地元の子供達やお年寄り達のいい表情を捉えた写真も多い。
一番のお気に入り作品は窓の外の光が反射してうまく撮れなかったのです。

ふらっとにいらっしゃった係の女性、おふたりに本当に感謝申し上げます。おかげさまで予定より1本早い列車に乗ることができた。駅で買ったビールと郡山駅で買っておいた会津産の茹で落花生を車中で味わいながら郡山駅へ引き返した。

会津若松駅。暑かった。
豆好きのワタクシメが太鼓判を押します、このゆでピー。
会津産の落花生の豆の粒も大きいし、味も濃くて美味しい。

本来は1時間後の列車で、郡山からいわきを経て水戸方面へ、のつもりだったが、早い列車に乗れたので、郡山から水郡線で水戸直行にした。三角形の2辺でなく、1辺の長辺を行く感じ。短い乗り継ぎ時間に、駅弁とビールを買って3番線へ急ぐ。水郡線には以前にも乗っているのに、3番線の乗り場が分からずオロオロ。2番線と4番線のホームを南の端っこまで焦って歩く。なんとか乗れた。

本当にホームの端っこなんだな。中央の方は、2番線と4番線になっていて、あれ? 
3番線はどこなの? と思ってしまうのだ。

乗り込んで、思い出した。以前に水郡線に乗った時も想像以上に混雑していて、しかも乗客はなかなか下車しないのだ。今日もなんとか座るには座れたが、2人がけのシートで隣には先客がいるので、駅弁を食べる訳には行かない。結局、発車後、1時間ほどして、少しずつ下車する人がいて、隣の方もようやく下車されて、やっと駅弁を食べることができた。相馬野馬追辨当。1100円。おかずが多くて嬉しい。缶ビール吞みつついただいた。

メヒカリ唐揚げ、鶏つくねと玉コンニャク、カマボコ、玉子焼き、イカ焼き、栗、結び昆布、カニカマ天、エビ磯辺揚げ、海苔鮭ご飯。

それにしても水郡線は長い。郡山駅発13時43分、水戸駅に着くのは17時14分の予定。あら、雨が降ってきた。

水戸駅まであと1時間、突然激しく雨が降り出した。が、まもなく雨地帯は抜けた。
石を運ぶ貨物車が停まっていた。ホキというのは何の略称かなあ。
調べてみると保線のためバラストを散布するための貨車のようだ。

水戸駅からは乗り換えなしで柏まで行ける。グリーン車でゆっくり飲みながら行こう。

スパークリングワインとじゃがりこ。実はこの後、郡山駅で買った日本酒、
末廣の山廃純米酒も吞んでしまった。

日が沈み始めて、今回の18きっぷ旅も終わり。仙台でちょっと悲しい目に遭ったけど、会津若松で嬉しいご配慮をいただき、チャラになった。やっぱり旅に出ないと始まらないな。

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