見出し画像

2024年4月 みたび、越後長野温泉嵐渓荘へ

3年前の春、初めて越後長野温泉嵐渓荘に泊まった。4月半ばで、柏近辺では3月中に桜は散っていたので、桜の花をみられるなどとは全く思ってもいなかった。が、泊まった部屋のすぐ目の前の2本の桜の大木がまさに全開で、心底驚き、感動した。同じ年の10月に2回目の宿泊。さて、今回はどうなることやら。関東あたりがやっと4月になって見頃を迎えたばかりだから、まず無理だろうな。
車で関越道を走る。まず目指したのは塩沢つむぎ記念館。越後上布や塩沢紬など見せてもらって、次へ向かおうとしたら、立派な町並みが現れびっくり。

三国街道塩沢宿牧之通り。雪国の知恵、雁木が続く商店街は、相当お金をかけて整備されていた。
せっかくの美観なのに、残念ながら、歩いている人がいない。近くに北越雪譜などを著した鈴木牧之記念館がある。

それにしても今日の新潟は暑い。予報では最高27℃。塩沢から坂戸山の麓、六日町を通って、八海醸造魚沼の里へ。八海山の蔵元が広大な敷地内に、醸造所や研究所、雪室貯蔵庫、ショップやレストランなど多くの施設を展開している。
まずは昼メシ。そば屋長森。

みんなの食堂というレストランにも惹かれたが、軽めに済ませたくて、こちらにした。
十割蕎麦。香りも味も上々。田舎蕎麦もとても美味しかった。そばつゆは田舎風の薄味と江戸前の濃いめの2種類。フキノトウの天ぷらも美味しく、ビールを吞みたくなったが、車なのでアウト。

桜並木にはまだ蕾しかなかったが、林床にはカタクリがたくさん咲いていた。雪室には酒や調味料などのショップと雑貨の店、さらにカフェ。雪室内の見学ツアーに申込み、案内をしてもらった。まもなくこれは有料ツアーになるとの掲示があった。

雪室では日本酒の貯蔵を主にしているが、他にも焼酎や野菜などを冷蔵熟成させている。
このあたりは多雪地帯、冬に積もった大量の雪を利用して昔から野菜などを保管してきた。
それを応用して大規模な保冷施設を作ったのがこの雪室。1000トンの雪を収容できる。

ショップでお酒や調味料、甘酒などを買って、いざ、宿へ。平地ではぼちぼち桜も咲き始めているが、山へ分け入ると、まだ蕾。宿のすぐ手前、妙蓮寺の枝垂れ桜は少しだけ咲いていた。

妙蓮寺の枝垂れ桜。二分咲きぐらいか。庫裏の左手側にも桜が数本、そちらは蕾だった。

15時前、嵐渓荘に到着。チェックインすると、ちゃんと3年前の宿泊記録を女将が参照しながら、手続きしてくれた。やっぱり桜はまだとのこと。去年は早く咲いたんですけどねとおっしゃる。今回も緑風館という旧館の3階。目の前に桜の大木があるんだから、古くてもトイレや洗面所が共同でもがまんできる。

よくよく見たら、数輪だけ花が開いていた。気分はそれだけでアガル。

温泉の前にひとりカメラ片手に庭へ出た。桜以外にも、野草の花がいいのだ、ここは。

玄関出てすぐ左手の木の根元に、ショウジョウバカマ。
池の近くにはリュウキンカ。
そして池の周囲にカタクリ。いい感じで咲いてる。
さらに、キクザキイチゲ。3月末に妙法寺や弥彦山でいっぱい見てきたばかりだけど、嬉しい。
庭を流れる小川に水車が回る。左手奥の東屋には卓球台。

さあ、混まないうちに温泉を一浴びしよう。案の定、独泉。

ここの湯は強食塩泉。よく体が温まり、病後の療養などにも適しているとか。そうそうあせもにも効くらしい。外の露天風呂は湯温低めで個人的には好ましく、長々と浸かってしまう。

16時半過ぎ、予約してあった貸切風呂が入れるとフロントから電話。渡り廊下を辿って、山の湯へ。2つあるうちの石湯。

眼下には守門川の流れ。周囲の木々の新芽が鮮やか。吹き渡る風が心地よい。
山の湯への渡り廊下から緑風館を眺める。この建物は、もともとは燕駅前の旅館だったものを1955年に移築した。国登録有形文化財。3階の左側の部屋に今回は泊まった。望楼も見える。

風呂上がり、部屋で新潟ならではのビールをぐびり。風味爽快ニシテ。サッポロビールの創始者は新潟の人だったそうな。へええ。それで、感謝を込めて新潟限定のビールを作ったんだって。
夕食は新しく改装した個室で。お庭が見えて雰囲気もよし。

季節柄、山菜があれこれ並んでいて嬉しい。名物、ゼンマイ1本漬け、太いワラビお浸し、フキノトウなど。
これが一番驚いた。カタクリ。お品書きには中華風とあったが、あっさりした味付け。
3月末にも立ち寄った三条市の蔵元福顔酒造の純米吟醸しただみ。名前の由来は、使用する酒米が、地元三条市下田と福島県只見町の両方であることから付けられた。両者の間には八十里越と呼ばれる難所があり、日本海と太平洋を結ぶ国道289号は未通。が、数年先に開通予定とあって、これを記念して仕込まれた酒とのこと。しっかり米の旨味を出し、食中酒に相応しい味わいだった。
コイの洗いやヤマメ塩焼きなどの後、大トリで出されたのは和牛の石焼き。もちろん旨い。

ご馳走を堪能して、部屋で一休み。

先日オープンファクトリーに立ち寄ったSUWADAの爪切りをフロントで借りてきた。確かに良く切れる。が、左手で右指の爪を切るのは難しかった。

さて、もう一度大浴場へ。埼玉から来たというお兄さんと湯船に浸かりながら少だけおしゃべり。雨が降り始めたが、露天風呂は屋根付きのため問題なし。気温がグッと下がって、内湯の方がありがたい。
夜中は布団にくるまり、雨音なのか川の音なのか定かならぬざわめきを子守歌にした。
翌朝も雨。昨日、27℃もあったとは信じられぬほど冷え冷えしている。朝風呂は、早朝は予約不要の貸切風呂へ。今度は深湯。

立って浸かる方式の深湯露天風呂。川の向こうに滝が見える。

あれ、窓の外の桜が昨日より咲いている。

昨日の27℃の高温で、一気に蕾がほころび始めたんだね。これはこれで美しい眺め。

お茶を飲みながら、昨日、魚沼の里で買ってきたバター餅をいただく。秋田名物バター餅、カミさんの大好物。新潟でも作るとは知らなかった。濃厚な牛乳の風味。

こちらが新潟のバター餅。

朝食も素晴らしい。ご飯は源泉を使った温泉粥。お湯のしょっぱさを生かしている。

右上は湯豆腐。左下の木の蓋が温泉粥、その上は茶碗蒸し。真ん中の小グラスは、天然山ぶどうとハチミツの健康ドリンク。お粥の後は白ご飯。さすが米所、ご飯が美味しい。昨夜はタケノコご飯だったので、どうしても白いご飯を確かめたかったのだ。

ゆっくり支度をして、チェックアウト。長岡駅前の自家焙煎コーヒーの店、珈琲豆山倉で、コーヒーブレイク。

コーヒーはもちろん美味しかったし、2階の店内も雰囲気がよくて居心地がとてもよかった。

向かったのは、新潟県立歴史博物館。近くの縄文遺跡には以前立ち寄ったが、こちらの博物館は未訪。

縄文コーナーが非常に充実している。春のシーンは山菜採り。左には雪の中での狩猟シーン、さらには集落の様子なども丁寧に作られている。

そして、新潟の縄文時代といえば、これだ!

火焔土器がずらり勢揃い。これは迫力あるわ。素晴らしい。

いや、最後にいいものを見せてもらった。関越道に乗る前に、先月末にも寄った道の駅ながおか花火館で、ランチと買い物。

今回は塩中華そばにした。あっさりしてて美味しい。

帰路の関越道は渋滞は一切なしで極めて順調に帰宅。

いいなと思ったら応援しよう!