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2023年11月 カンボジア・シェムリアップ1

アンコール・ワットへ行きたいと思っていた。少し前にNHKBSで、2時間でまわるアンコール・ワットというよく出来た番組が放映され、しっかり予習した。
まずは、成田からハノイへベトナム航空で飛ぶ。4年前にホーチミンへ行った時以来のベトナム航空。機内食はその時と同じ選択肢。座席は少し広いような気がする。今回はボーイング787。

成田9時半出発。ほぼ定刻に離陸。
行きは片道6時間25分の予定だったが、5時間40分ほどでハノイに到着した。

ハノイでの乗り継ぎはもともと4時間。早着のためさらに待つ。

ハノイ空港内、時間つぶしをする場所があまりない。しょうがないので、フォーを食べた。
まずまず美味しい。が、フォー2杯と缶ビール1本で5000円近くした! 
円安のせいだけではないなあ。ショバ代が高いのだろう。

ハノイからは1時間半でカンボジアのシェムリアップ空港に着く。先月、新しい空港が開港したばかり。どんな素敵な空港かと期待したが、全然素っ気ない。世界的な観光地への入口というのに、味も素っ気もない。建造したのは中国。なるほどね、という感じかな。気温は20℃を越えている。ムワッと暑い。

シェムリアップ新空港。なんだか全体に造りが安っぽいんだよね。

入国手続きを終えて、現地時間20時半過ぎに迎えのバスに乗り込み、ホテルへ。以前の空港は町まですぐだったらしいが、新空港は遠くなって1時間ほどかかる。ホテルは、ソカ・アンコール・リゾート。そこそこ上等なホテル。広いロビーで、美味しいウェルカムドリンクをいただき、部屋に。

シャワーブースとバスタブが独立して付いている。ここに4泊する。

荷物を出して整理し、ホテルすぐ脇のコンビニへ行って、缶ビールとアイスを買ってきた。

ホテルの玄関。チョー長いリムジンが駐まっていた。買ってきたビールは安くて旨い。1$から1$弱。US$で支払うと釣りは現地通貨のリエル紙幣。どっさり返ってくる。アイスもあまり甘くなくて美味しい。小豆アイス。

時差は2時間。翌朝は5時に目覚めたが、まだ外は暗い。6時半頃、朝食を食べにレストランへ。

こちらではフォーではなくクイティウ。目の前で調理してくれた。
クイティウは出汁がやさしい味わいで大変美味しい。フルーツは大好きなスイカがあったが、あまり甘くはない。その代わり日本ではちっとも美味しくないドラゴンフルーツが甘くて美味しい。オレンジ色の果物は甘くて美味しいが、カキかと思ったら、パパイアだった。
部屋のテラスからは中庭のプールが見える。プルメリアの花が咲き、野鳥の甲高い鳴き声が響き渡っている。

さて、これから遺跡観光が始まる。まずは入場券を作る。4日間の滞在なので、1週間分のチケットを購入。

ホテルから遺跡群までは近い。バスで10分あまり。
写真を撮影して、チケットを発行。72$。
毎日、最初にチェックを受ける場所で日付をパンチしてもらう。他の遺跡は7時半からだが、アンコール・ワットだけは日の出ツアーがあるので、5時からになっている。

今日午前中はまず、アンコール・トムを見学するのだが、その前に外濠を小さなゴンドラでクルージング。金ぴかのゴンドラに正装して乗っているのは新婚さん。こちらでは遺跡周辺での前撮りが定番みたい。

現地ガイドのキューさん。日本語学校で2年間勉強したと言うが、細かな表現を使い分けて、驚くほど上手な日本語。素晴らしい。1艘に4名ずつ乗船。ちなみに、今回はラクをしようとツアーに参加。9名のみのゆったりツアー。行程も現地4泊で実にのんびりできる。
一辺3㎞の城郭都市アンコール・トムは周囲を外濠に囲まれている。アンコール・ワット造営の半世紀後にジャヤヴァルマン七世が作り上げた。その入口のひとつ南大門を水面から見上げられるのはゴンドラクルーズならでは。
南大門へと続く参道。大きな敷石には丸い穴が開いている。ここに木の棒を差し込み、お湯をかけて膨脹させ固定し、山から運んできたという。
南大門前の参道の東側には阿修羅像、反対側には神の像がずらり並んでいる。

まず向かうのは、アンコール・トムの中心、バイヨン寺院。ここは仏教寺院、四面に大きな観世音菩薩を彫った塔がたくさん立っている。

少しずつ表情は異なるものの、基本的には穏やかな笑みを浮かべる。クメールの微笑みとも呼ばれている。

バイヨンの見所は第一回廊に彫られたレリーフ。戦争の様子や庶民の日常生活、さらにはヒンドゥー教の神々の世界、宮廷の様子など、正直言って説明を聞いていても全てを正しくはとても理解できない。ある程度の予習はしてきたつもりだったが、全然追っつかない。目の前の彫刻に圧倒されっぱなし。

第一回廊に屋根はない。その柱にもデバターと呼ばれる女神像なども彫られている。
耳たぶが長いのはクメール兵士。立体的に掘り込まれている。
米を運んだり、串刺しの焼き物を炙ったり。庶民の暮らしぶり。
船に乗り込んで攻め込む兵士達。魚やワニも描かれている。
闘鶏をしている様子。左側はクメール人だが、右側のあごひげを生やして髷を結っているのは中国人。ボウルを持っているのは胴元だそうな。
これは天女か女神かどちらかな。神に捧げる踊りならアプサラス。

第一回廊の内側には第二回廊。さらにその中央に中央祠堂。が、そこへは立入出来ない。

入れるのは正面の階段上まで。この上にも観世音菩薩が彫られている。バイヨンは、須弥山(メール山)を象徴するために建立されたという。が、単純に仏教遺跡かというと、その後、ヒンドゥーの影響も受けているらしく、そのあたりは難しくてよく分からない。

初日の遺跡見学から、暑いし、内容は難しいし、けっこう応える。ま、とりあえず、考え込まずに先へ進むことにする。
バイヨンから北へ。次はピラミッド式寺院、バプーオン。創建は11世紀中頃。アンコール・ワットよりさらに古い。ここは希望者のみ、正面の階段を登っただけ。

創建当時はバイヨンより高い50mほどの塔が中央に立っていたという。復元はフランスチームの手による。
バプーオン正面の階段を登り、振り返ると、まっすぐに寺院に向かって伸びる空中参道が見える。200m。

さらに北へ進むと、王宮跡。そこに残るのはピミアナカス寺院。

ピミアナカス。ここも外から観るだけ。

ピミアナカスから東の正門を出ると、象のテラス。幅350mに渡り、ここに立ち、王は凱旋した将兵達を閲兵したという。基部に象が彫られている。

壁面には象のレリーフ、出っ張りには象の鼻。

そして、象のテラスに続き、北側にはライ王のテラス。

テラスの基部には9つのアタマを持つ蛇の神、ナーガが彫られている。ナーガ神は必ず、奇数のアタマを有するのだそうだ。
ライ王のテラスの上のライ王像。ジャヤヴァルマン七世自身がライ病で亡くなったという説もあるようだ。ここにあるのはコピー。本物はプノンペンの博物館に陳列されている。三島由紀夫の「癩王のテラス」により日本では有名。
象のテラス、ライ王のテラスの正面には、12本の塔が立っている。プラサット・スゥル・プラット。綱を張って綱渡りをさせたという説もあるが真偽は不明らしい。

さて、これで午前中のアンコール・トム遺跡見学は終了。ふううう。もうお腹いっぱいだ。が、昼ご飯は食べるのだ。クメール料理のランチ。

案内されたのはメッチャお洒落なレストランだった。中庭に噴水がある。部屋は個室。
サラダ、トムヤムクン海鮮スープの後、メインディッシュ。豚のカレー風味串焼き、手前は魚とカシューナッツ炒め。野菜が多いのが嬉しいし、その野菜がどれも旨い。飲み物は、今回はビールだけで通した。この日は、アンコールビール大瓶、4.5$。ちなみに、カンボジアの米は実は大変美味しい。世界の米グランプリでも最高位を取ったりしているのだ。
レストランの中庭に咲いていた見慣れぬ花。タニア・ジェニキュラータという水生植物らしい。よく分からんけど。

一度、ホテルに戻り、小休憩後、午後は本当はバルーンに乗って空からアンコール・ワットを観る予定だったが、食事中に激しい雨が降ってきたりして明日以降に変更。国立博物館見学へ出かけることになった。遺跡見学は日焼け止めと虫刺され防止のため長袖の山シャツを着ていたので、シャワーを浴びて、もっと涼しい格好に着替えた。こんな余裕があるのがありがたい。

国立博物館はホテルのすぐ近く。日本語オーディオガイドを付けて、見学。
こちらは千体仏の間。様々な仏像が展示されていた。
この博物館でも多くの貴重な展示物を見せてもらったが、どれが何だったか混乱している。
たぶん正面の像は、ジャヤヴァルマン七世だったように思うのだが、自信はない。

ミュージアムショップも楽しみにしていたのだが、ほしいものはあいにくなかった。博物館の後は夕食。ビュッフェ形式の食事で、宮廷舞踊のアプサラダンスショーを観ながら。案内されたのはめちゃくちゃデカイシアターレストランだった。我々は一番乗り。前の方のいいテーブルに案内された。その後、続々と、主に欧米系のツアー客が入ってきて、さすがに満席にはならなかったが、3分の2ぐらいは埋まった。観光地でも感じたが、コロナ前はもっと多くの中国人客が来ていたはずだが、彼らの姿はほとんど見かけない。こっちはありがたいのだけど、お店やカンボジアにとっては早く戻ってきてほしいのだろうな。

ビーフとダックをグリルで焼いていた。
ぼくはダックを取ってきて、カミさんのビーフとシェアした。
ショーが始まった。いわゆるカンボジア美人ですね。ラーマーヤナのお話を踊る。
タイのムエタイみたいな演目も。
こちらはクジャクの舞い。
そして、最後は、アプサラダンス。これぞ宮廷舞踏。指の動き、足の動きが独特。
そういえば、バイヨンで見た女神像もいろいろなポーズをしていた。

長い1日が終了。ホテルに戻り、シャワーを浴びて寝酒の缶ビールを1本。旅の間、ずっとこのペースを貫いた。

なかなか濃くて美味しい缶ビールだった。お休みなさい。

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