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2025年1月 人吉~熊本市

天草から高速道路経由で一気に人吉へ。宿は老舗の人吉旅館。

球磨川沿いに立つ人吉旅館。建物は国指定重要文化財。
ロビーにはくまモンのダルマ。
大きな古時計も。

案内されたのは2階の小波。ゆったりした間取り。

縁側からは球磨川が見える。いいねえ。川にはカワウなど多くの水鳥がいた。

寒かった御所浦島の宿とは違って、部屋の中だけでなく廊下もしっかり暖房されていた。ほっと寛げる。

ガラス窓は今時珍しいねじ込み式の鍵。

階段の途中には、5年前の災害の痕跡を印してあった。

下の印は1965年の豪雨の際の水位。上はもうほとんど2階、5年前はそこまで水に浸かった。

温泉浴室への通路には、昔の宿の写真と並び、5年前球磨川が氾濫した際の宿の様子の写真も掲示してあった。

泊まった部屋、小波は創業当時からあった部屋だと分かる。上の写真の左から2番目の部屋。
泥まみれとなった被災当時の写真。よくぞそこから復活されたと感心する。

さて、温泉は、まずは露天風呂から。こぢんまりした浴槽。先客は3名、韓国の方々らしい。

先客はすぐに上がっていったが、濡れた体を拭かずに脱衣所へ行ったらしい。困ったもんだ。お湯はつるつるすべすべ系。温めで気持ちいい。

次に、内湯へ。こちらは夕食後に女性用と入れ替えになると説明された。

宿のHPの写真。浴槽は深くて、中にベンチがある。同様の浴槽が奥にもうひとつ。露店より湯温が高い。

部屋に戻り、夕食までビールは我慢して、大相撲観戦。柏出身の琴勝峰と隆の勝、2人とも今場所は勝てない。お隣松戸出身の琴櫻も綱取り場所のはずが負けてばかりいる。うーん、なんとかしてよ。
晩メシは、大部屋ではなく、他に1組だけで、衝立の仕切りでゆったりスペース。

きれいに盛られた前菜は山ウニ豆腐などどれも美味しい。それ以上に、ヤマメの刺身が美味しくてびっくり。ビールを早々に空にして、米焼酎をソーダ割で。
球磨の黒豚ロースと地元特産の花咲たもぎ茸を陶板で蒸し焼きにする。JR九州のSL人吉号にちなみ、煙を上げるSLみたいに蒸気が噴き上がる。肉も茸も大変美味しゅうございました。

食事の途中で女将が挨拶に来られた。まず手前のテーブルに行くと、韓国語で会話。韓国から嫁いでこられた方みたいだ。その縁で、お客さんも韓国の人が多いのかな。で、我々のテーブルにも挨拶に来られた。水害の被害からよくここまで立て直されましたねと言うと、さすがに直後はもうだめかと思ったそうだ。でも全国から応援や支援があり、がんばって再興したと苦労話を話して下さった。凄いなあと感心させられた。今日は韓国からゴルフで3~4泊するグループが泊まっているので、大きな食事部屋は賑やかだから、こちらに用意させてもらいました、とも。
その後、ヤマメ塩焼き、茶碗蒸し、天ぷら、卓上で炊き上げたカニ飯などいただき、最後のデザートでまたまたびっくり。

リンゴのソルベと球磨栗のモンブラン最中仕立て。めっちゃ旨い。が、大きい。これ1個でお腹がいっぱいになるほど。

部屋で一服してから、男女入れ替わった温泉風呂に入り、まったり。食事の間に敷かれていたお布団は、電気毛布が敷かれていて、フワフワ布団でほっかほか。いやあ、実に寝心地よく眠れた。
翌朝、気象情報を確認したら、最低気温は-2℃だった。朝風呂はまだ暗いうちに。朝食は昨夜より大きな部屋で。

これで十分お酒を飲める内容の朝食膳。アユの干物は炙って。右の鍋は豆腐を炊き上げる。

カーテンを開けると、外は一面真っ白。濃霧が立ちこめていた。出発はゆっくりめなので、ひとり散歩へ。

宿の裏手から見ると、こんな感じ。宿もビルじゃないと、景色も美しいねえ。

人吉駅まで行くと、閑散としていて、中に入ろうとしたらカギがかかっていて驚いた。からくり時計もまだ動いてない。少し歩くと古い町並み。鍛冶屋町。

蔵造りのお茶屋さんや味噌醤油の店などが並んでいる。
味噌醤油蔵の釜田醸造所。内部の見学は9時からだが、たまたま表で掃除中の女性が、どうぞ見ていって下さいと声をかけて下さった。中に入ると麹のいい香りが漂っていた。

球磨川に架かる大橋のたもとに、五木の子守歌の石碑。その先に、上村占魚先生のプレートがあった。そうか、人吉のご出身だったんだ。

雑誌の編集をしている頃、連載記事などで大変お世話になりました。

宿を出て、熊本市内へ向かう。昨日は高速道路で来てしまったが、せっかくなので球磨川沿いのルートを走った。が、水害からの復興はまだ終わっておらず、至る所で道路や河川工事中。片側通行ばかりでなかなか進めず。大変さを実感できて良かったけど。そして、レンタカーのカーナビが大問題を。これが古くて道路事情を全く反映できていないことはすでに分かっていたことだったが、球磨川から海辺へ抜ける際に、日奈久温泉へ山越えする3桁国道へ連れて行かれてしまった。昼なお暗く、ヘッドライトが点灯し、ガードレールもない1車線、カミさんはポツンと1軒家みたいと言う。対向車来たらアウト、どうか来ませんようにと、冷や汗ものの峠越え。そのままもう少し行ってれば、高速の八代ICに出られたのに、八代南ICへ強引に誘導されて、大わらわだった。
なんとか熊本郊外の中華料理店、海天に到着。昼メシは熊本名物だ。

太平燕。ちゃんぽんの麺の代わりに春雨。やさしい味わいで美味しかった。

市内へ向かい、熊本城の駐車場。チケットを買ったら、これから無料ガイドがありますよと教えられた。

この方、歴史にチョー詳しい。昔は我孫子に住んでおられたとか。故郷でボランティアガイドをされているんだね。

9年前の地震でお城もずいぶん壊れた。直後に取引先訪問のため熊本へ来たことがあるが、その時は城の周囲はひどい状況だった。
とりあえず、現在は天守閣はきれいに復興されたが、全体の工事完了まではまだまだ年月が必要。

数寄屋丸の下の石垣も崩れたまま。重文のため、ひとつひとつナンバリングされた石を積み直さなくてはならず、途方もない時間がかかるとのこと。優先順位を付けて作業中。

ひとりで参加している栃木から来たというおっさんが、知ったかぶりにあれこれ微細な質問をガイドさんに投げるために、やたら説明が長くなる。天守閣を見上げる場所まで来て、やっと解放された。しかし、人吉では韓国人だったが、熊本へ来た途端、中国人が多いこと。久しぶりにこんな多数の中国人を見た。昨秋の京都では欧米人はいっぱいいたが、中国人はほとんど見かけなかったのだが。旧正月休暇のせいか、あるいは九州は来やすいからか。しかも大半は子連れファミリー。ひょっとしたら、半導体の大工場作ったから台湾からたくさん来るようになったのかしら。

天守閣最上階から、工事中の宇土櫓を見下ろす。
今はこのような特設通路が張り巡らされている。
城とわくわく座の共通入場券を勧められて買ったが、わくわく座は必要なかったなあ。加藤清正公。
土産物など売る一角で熊本城のゆるキャラがダンスをしていた。
今回の旅の足、ニコニコレンタカーで借りたフィット。ナビ以外は問題なかったけど。

さて、まずはホテルにチェックイン。ホテルに駐車場がないことは分かっていたが、スーツケースなど下ろそうと近辺へ行ったが、アーケード街の中にあるので、脇の路上に駐めて、慌てて入口へ運び入れた。車は近くのデッカい立体駐車場に駐めた。

アーケード街の中に立つホテル、レフ熊本。1階は巨大パチンコ屋だった。
2階のホテルフロント前にはやっぱりくまモン。

チェックインの列は中国人で大賑わい。おやおや、ここもかあ。部屋に荷物を置いて、町中へ。

真新しいショッピングモールの前にクスノキの巨木。注連縄が張られている。世継神社という古い神社の跡地、今は別の場所に移っている。
くまモンが出迎えてくれる物産館。天草で買いそびれた天草ウニ豆を買いたかったのだが、なぜか現在欠品中だった。結局、空港にもなくて買えずじまい。欲しいものは見つけたときにすぐに買わなくちゃアカンなあ。
熊本には大きなアーケード街がけっこうたくさんあるようだ。
地元デパート鶴屋百貨店まで行って、帰りは市電に乗った。新しい車両は派手なペイント。古いままの市電車両もたくさん見かけた。

晩メシは、事前にチェックして予約しておいた松風という店。

素っ気ない入口。

カウンターのみの和食の店。ここは大当たりだった。おまかせコースにするか、アラカルトにするか迷ったが、気になるものを単品で。お通しは銀の椀でハマグリ吸い物。

刺身盛合せ。ヤイトカツオ、タイ、コノシロ、〆サバ、モンコウイカ、炙りタチウオ。カツオは甘く、〆サバはほぼ刺身、タチウオ絶品。
刺身にビールはもったいない。熊本の米焼酎、球磨拳をロックで。香りいい。飲み過ぎ注意なタイプ。
キビナゴ唐揚げ。ふんわり柔らかく揚げてあって、こりゃ旨い。

塩トマトとカニもよし。さて、熊本へ来てまだ食べていない馬刺し。でもメニューにはあれこれあるぞ。盛合せは5000円近い。たぶん量も多くて食べきれないと思い、少なめにしてもらえますかと訊いたら、あっさりいいですよと。

赤身、タテガミ、レバ刺し、タン刺し。レバ刺し、サイコー。タンも旨し。タテガミを赤身と一緒に食べると霜降りみたいになるとご主人から勧められ、まさにその通り。

〆は揚げたてを出してくれるという辛子レンコン。生のレンコンを切るところから目の前で。辛さは好みを聞いてくれる。あまり辛すぎない程度でお願いします。

熱々、ホクホク。こんな辛子レンコン食べたことないわ。何よりレンコンが旨い。そこへほどよい辛味が混じって。

ご主人はもともと浦安のディズニーランド周辺のホテルで働いていたそうで、柏から来たというと、少しは地理感覚もあるようだった。話好きであれこれやりとりも楽しかった。大満足。お勘定も決して安くはないが、納得のリーズナブルプライス。
カミさんはもうホテルに帰ると言うが、ぼくはミュージックバーへハシゴするつもり。調べていた店へ向かったが、看板を見ると、入る気がしない感じ。結局、コンビニ経由で帰り、ホテルの温泉浴場に入った。
翌日は午前便で帰るのみ。熊本空港は新しくなってから初めての利用。きれいで機能的な空港になっていた。土産物屋もたくさんあった。

搭乗口は横にずらっと1列。分かりやすい。
最後までくまモンが活躍している。
今朝も九州は冷えたらしい。宮崎あたりの山は雪を被っていた。

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