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2022年9月 大阪の写真展「港町にて」
現役時代、お世話になった大阪在住の写真家、糸川耀史さん、御年88歳。若かりし頃、関西在住時代に読んでいたプレイガイドジャーナル(通称プガジャ)で、いつも芸人さんやミュージシャンの写真を撮っていて憧れの人だった。もし編集の仕事ができるようになったら、絶対、一緒に仕事をさせてもらいたいと思っていた。念願の初仕事は40年前、旅の大阪特集。自分の担当記事ではなかったが、作家の村松友視さんに大阪のディープサウスを取材していただくことになり、それならぜひ糸川さんを、と直々に口説いて受けていただけた。通天閣の上で村松さんの素晴らしいショットを撮っていただき大感激した。以来、長い間、あれこれ仕事をお願いしていた。
その糸川さんが大阪谷町六丁目のギャラリーで1週間写真展を開かれることになった。行くのは無理かな、と思っていたが、ひょっとしたらこれが最後の写真展になるかもしれないと思い、間際になって出かけることにした。アシは、おトクな減額マイルで特典予約。1泊で、行きは関空へ、帰りは伊丹から。実は2日目の夜に、なにわブルースフェスがあり、チケットもまだ残っているようなので、もう1泊しようか悩んだが、コロナ禍で旅する時の自分のルール、夜の店は1軒だけ2時間以内、ヤバイと思ったらすぐ出る、ハシゴはしない、欲張らない、に照らし合わせて、断念した。今回はあくまで写真展が目的。
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午前中は、百舌鳥古墳群を見て回る。仁徳天皇陵の前のカフェで朝ご飯。ピザトーストのモーニング、800円。いい感じのカフェ。
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コーヒー含めて美味しく、居心地もいい店だった。
さて、日本最大の古墳、仁徳天皇陵。まずはビジターセンターで概略の予習。空撮映像がいいねえ。
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で、いよいよ拝所でご対面。と言っても大きすぎてピンとこない。ボランティアガイドの方があれこれ説明してくれる。近くの堺市役所の最上階が展望台になっているので行こうかと思っていたが、そこからの眺めを写真でみせてもらうと、たいしたことないのでやめた。
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ガイドさんから、大仙公園内にいくつもある陪塚(ばいちょう)と博物館は見た方がいいと勧められ、従うことにした。陪塚とは、大きな古墳の周辺にある小さな古墳。拝所から大仙公園に入ると、すぐ右手が孫太夫山古墳、公園内をぐるり抜けて南へ行くと、円墳の七観音古墳。道路向かいには方墳、寺山南山古墳。
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そして、道路の向こうには、日本で三番目に大きい履中天皇陵。こちらも全容はとても把握できない。ビュースポット、という濠端の一段高くなった所から眺める。
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もう一度、大仙公園に戻り、帆立貝形墳の旗塚古墳、円墳のグワショウ坊古墳とたどり、堺市博物館へ。時々雨の予報だったが、なんとか傘を出さずに済んでいる。
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博物館には古墳からの出土品、鉄製武具や埴輪、装飾品などが展示されている。
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公園を出て、隣接する大型古墳2基を見て回る。まずは、線路際のいたすけ古墳。そしてさらに、御廟山古墳。どちらもお濠が大きくて驚いた。しかし、これだけの古墳群が町の中によくぞ残ってきたものだ。いたすけ古墳は昭和30年頃、宅地開発のため破壊の危機にさらされたが、市民の保存運動により生き延びたという。
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さあ、写真展会場へ向かおう。まずはJRで天王寺駅まで。天王寺駅、懐かしいなあ。入社後3年間の大阪時代は、この天王寺駅ビル内の支店勤務だった。
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天王寺から地下鉄で谷町六丁目へ。あら、小粋な黒塀の素敵なお宅。そこが会場の楓ギャラリーだった。
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発行を開始したそうな。へええ、そうだったんや。
今回の写真展は「港町にて」。糸川さんの生まれ故郷、尾鷲の町が舞台、展示作品はすべてモノクロ写真。さすが、引き込まれる作品が多いなあ。なくなった銭湯の写真もある。さほど広くない会場に多くのお客さん。あら、下田逸朗さんがいらっしゃる。昔、糸川さんと2人で名田庄村の取材をしてもらったこともある。そのうち、ちんどん通信社の林幸治郎さんもいらっしゃった。この方にも大昔、1年間連載をしてもらっていたのだ。次々お客さんがいらっしゃるしそろそろ失礼しようと思って外へ出たが、まだいいでしょ、と連れ戻された。
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とりあえずはお元気そうだったので、少し安心した。
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直接、ご本人にそのことをお伝えできて嬉しかった。まだまだ死ぬまで歌は作り続けて、
歌い続けますとおっしゃっていた。この歳でなければ歌えない歌がある、とも。
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今夜の宿は、御堂筋本町のまだ新しいアパホテル。地上30階以上の建物。部屋は26階。御堂筋が小さく見える。一服して、晩メシは近くにある、お燗やまなか。17時の開店早々に。
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一番乗り。一度、来たことがあると思い込んでいたが、同じやまなか酒店グループの別の店だった。こちらは4年前のオープン。つまみはおすすめセットを。口開けの酒は、島根の開春をひやで。今日は西の酒オンリーでいきたい。突き出しはクリームチーズ豆腐。
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サバ生ずし、もちガツオ。どれもうまいが、ウオゼ、めっちゃ旨い。
焼き物は三河味醂で干したアジ干物、酒肴盛りはタコ頭煮、ハマチなめろう、小芋唐揚げ。揚げ物はハモの天ぷらだった。このおまかせ、これで1000円ちょっとだったかな。ええわあ。酒は開春の後はお燗で、赤くて甘い伊根満開、酸っぱい舞美人、しっかり十旭日ひやおろしと。個性一杯の酒たちを次々。店長は40になってから日本酒に目覚めたという奥手。あれこれ日本酒談義も。肴もハモの蒲焼きも食べ、最後は、イチジク揚げ出し。これに合わせたのは扶桑鶴。このマリアージュもバッチシ。お勘定も安くて、いいねえこの店。
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マイルール、ハシゴはしない。コンビニで寝酒とアイスを買って、部屋に戻り、B1Fの大浴場で汗を流し、映画の無料サービスでアルゼンチン映画を大画面で見ながら寝酒を楽しんだ。
翌朝、晴れている。ホテルは素泊まり4000円なので、早朝6時半から営業してる近所の喫茶店へ。380円と格安のモーニング。
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9時にチェックアウトして、地下鉄御堂筋線の終点、千里中央へ。今日は帰るだけだが、夜便なので、「民博」で1日過ごすのだ。
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そこから大阪モノレールで万博記念公園まで。駅を出ると、もう例のシンボルタワーが見えた。
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国立民族学博物館、何度か来たことがあるが、収蔵品の数々にはいつも圧倒される。
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早めに館内のレストランでお昼にした。淡路島牛産国産牛ハンバーグステーキランチ。
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昼食後は、常設展の続きを見て回るが、最後は駆け足状態。ここは丸1日いてもじっくり見てると時間が足りない。
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憂歌団の木村君のギター。学芸員の中に、よほど好き者があるんやね。
まあ、東京だったら、こんなのありえへんわな。
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13時半から、館内シアター1で、今回のお目当てのドキュメンタリー映画が上映される。コロナ騒動真っ最中の4年間、今年までかけて伊勢太神楽の山本源大夫社中を追いかけた作品「それでも獅子は旅を続ける」。いや面白かった。15名限定定員だが、他に客はナシ。
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他の一団が回っていて今はそこが消滅して回れなくなったエリアへも新規開拓と称して
出向くシーンがあって面白かった。また、新たに弟子入りしてきた若者もいて興味深い。
1時間半の上映が終わって、小さなビデオブースで阿波番茶の映像を見た。40年前の映像。今や高級品と化してしまった阿波番茶だが、当時は素朴な伝統的飲料として、手間をかけながら作られていたことが分かって面白かった。あの方々、あるいはその後継者達は、高値でバンバン売れて、御殿にでも住んでいらっしゃるのかしら。
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いやあ久しぶりの民博、6時間弱の滞在だったが、それでも十分には見切れなかった。またいずれそのうち。
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老人割引で入館料490円だった。