201712 乗り放題きっぷ片手に、初冬の津軽・弘前へ
12月初め、JR東日本の大人の休日倶楽部パスを買って、青森へ出かけた。4日間乗り放題のお得なきっぷ。
金曜の夜に仙台へ移動し、純米酒と自然派ワインを売りにする居酒屋、のんびり酒場ニコルへ。白ワインには、生ガキと名物カキフライ団子。口の中で旨味爆発。日本酒は奥鹿や悦凱陣(よろこびがいじん)の熟成酒を、クジラ刺身や燻製盛合せに合わせる。前夜祭ではしゃぎ過ぎないよう早目に切り上げた。
翌朝、仙台駅から新幹線に乗り込み、新青森駅で下車。駅前から弘南バスに乗って五所川原(ごしよがわら)へ。
駅前の津軽鉄道直営食堂で昼食。地場の土産物が並ぶ店内には、文豪ストレイドッグスというアニメのキャラが置いてあり、若い女性が次々と写真撮影のために入ってくる。昔懐かしい味わいの中華そばを食べて、1両きりの津軽鉄道列車に乗車した。女性乗務員が沿線マップを配ったり、案内放送をしたりして、楽しませてくれる。
20分ほどで金木(かなぎ)駅に到着。太宰治の生家、斜陽館まで歩く。旅館として営業していたこともある明治時代建造の立派な建物。中の造りも豪勢。向かいにある三味線会館に立ち寄ってみると、ちょうど年季の入ったお師匠さんが弟子の女性と一緒に津軽三味線を生演奏で聴かせてくれた。
帰りに金木駅から乗った列車はストーブ列車。車内に達磨ストーブが置かれている。車販でスルメを買うと、乗務員がストーブで炙ってくれる。車内はスルメの匂いが充満。岩木山を赤く染める夕陽が眩しかった。
五所川原で乗り換えて弘前へ。駅前から送迎サービスのタクシーでホテルまで。お城近くのドーミーインが定宿。夕食は、シェ・モアというフレンチの店を予約してある。フレンチと言っても、敷居がさほど高くなさそうな人気店。ニシン、ホッキ貝、リンゴ、八甲田の鴨など、地元食材を上手に使ったコースは、大変美味しかった。
2軒目は、杏(あんず)という津軽三味線のライブを聴ける店。4年前にも来たことがある。3人が出てきて、囲炉裏脇で演奏開始。リーダー格の女性は見覚えがあった。この人がとても上手で、バチさばきが迫力満点。
翌朝は温泉大浴場で朝風呂。焼き立てのオムレツやせんべい汁、イカメンチなど充実した朝ご飯を食べた後、弘前城方面へ散歩も楽しんだ。
新青森駅まで出て、バスに乗って三内丸山(さんないまるやま)遺跡へ向かう。ちょうど無料ガイドツアーがあったので参加。広い敷地内には、竪穴式住居やその超大型版、さらにはこの遺跡の象徴的建造物、六本柱建物などが復元されていて、縄文時代への想像力がかき立てられる。隣の敷地に立つ青森県立美術館へ歩いて移動。巨大な白いあおもり犬などを鑑賞して、バスで青森へ出た。
青森駅からは青い森鉄道に乗って浅虫温泉駅まで。浅虫温泉に泊まるのは初めて。お宿は駅前の割烹旅館さつき。まだ早いので浅虫水族館へ行ってみた。ラッコやアザラシ、イルカ、ペンギンなどの他、ウーパールーパーもいた。
宿に戻り、温泉で汗を流した後は、お楽しみの夕食。部屋食は久しぶり。生ガキやツブなどの前菜の後に、アンコウのとも酢、なまこ酢が一品ずつ。地元の銘酒、田酒(でんしゅ)が進むことこの上なし。刺身も中トロ、ソイ、ヒラメなど旬の魚。そして殻付きウニは醤油なしでワサビを少しだけ載せて。磯の甘味。お酒はやはり青森の銘酒、豊盃(ほうはい)。毛ガニ、ソイのアラ煮をいただくと、見事なタツ(鱈白子)たっぷりのお鍋。お酒は八鶴(はちつる)のお燗を。内子たっぷりのハタハタの味噌田楽も美味。
翌日は八戸へ回り、市場や酒蔵見学を楽しんだ後、帰路についた。