テイストの違い ~【櫻坂46・日向坂46】TAKAHIRO先生の振付が目指すところ~
最新シングルの発売に合わせて、櫻坂46と日向坂46のフルVer.披露を『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)で鑑賞することができた。
やはり、生放送のフルVer.披露だったこともあり、かなり気合いが入っていたのが、観ているこちらにも伝わってきた。
櫻坂46は、3rdシングルになって、欅坂46の良さを残しつつ、櫻坂46独自の路線が確立されてきているのが、パフォーマンスからも確認できるようになってきた。
今回の「流れ弾」には、《集団と個の対立》を描いている部分があるが、21人構成の時に比べて、14人では、画的に少し集団の威圧感が弱いように感じられる場面もあった。広いスタジオでパフォーマンスできる良さを活かして、今回は全員による披露でもよかったのではないだろうか。
それでも、楽曲のパフォーマンスを通じて、しっかりと物語を感じさせてくれたのが素晴らしい。
日向坂46の場合は、とにかく安定感がすごい。メンバーの高いダンススキルを思う存分発揮する形で、ノリノリでありながら、全員の振りが揃っているのが、とても心地よい。
両グループ共、TAKAHIRO氏が振付をしているが、まったく違うテイストである。彼が、以前『めざましテレビ』に出演したとき、両グループの振付の違いについて、次のように解説したことがある。
【欅坂46】
⇒お客さんが魅入る振付
舞台作品のような
ストーリー性のある世界観
【日向坂46】
⇒お客さんがのれる振付
王道アイドル路線で
ステージ上のアイドルと
観客が一体になれるもの
今回の楽曲でも、この振付の違いを確認することができる。
どちらのグループも、今回の振付が、過去最高にきついと言っている。
TAKAHIRO氏は、振付師という一面だけではなく、ダンスレッスンの指導者という一面も持ち合わせている。そのため、デビュー当時から、メンバーに対して、さまざまなダンスを段階的に指導している。
そのかいもあり、最近の楽曲では、数時間で振りが入るレベルにまで上達しているそうだが、今回に関しては、かなり苦戦したようである。
日向坂46の「ってか」も、細かい手の振りと、足元の素早いステップなど、相当に難易度が高いことがわかる。
この難しい振りが、大人数で揃った時の気持ちよさは格別である。ダンス甲子園の強豪校によるパフォーマンスなどでも観られる、集団が揃った時の独特な気持ちよい領域にまで達しているのが、さすがプロの仕事だと言えるだろう。
明るく、さまざまな番組にもひっぱりだこの彼女たちであるが、パフォーマンスとなると、きっちりと高いダンススキルと歌唱力で決めてくれるのが、最大の魅力である。
王道アイドル路線を突き進んでいるため、とかく軽く見られがちであるが、ダンスに関して、日向坂46から学ぶところは非常に多い。