KEYAKIイズムとは ~欅坂46からの系譜①~
第1回 アイドルとの出会い
それは、あまりにも突然だった。
30分という短い時間で、アーティストの魅力を伝える異色の音楽番組『SONGS』(NHK)で彼女たちを初めて観た。それ以前に、Yahooニュースでデビュー曲のMVが話題になっていたこともあり、存在自体は知っていたが、パフォーマンスに触れたのは、その時が初めてだった。
欅坂46デビュー1周年として開催されたアニバーサリーライブを終えたばかりだったようで、デビュー曲の『サイレントマジョリティー』から表題の4曲が披露されていた。
なんとはなしに見始めた番組だったのだが、気づけば彼女たちのパフォーマンスに釘付けになっている自分がそこにいた。
正直、グループアイドルに興味をもつことは、それまでの人生でほとんど無かった。「モー娘。」も「AKB」も、歌番組などで観ることはあっても、ただそれだけだった。
そんな自分が、今は夢中になって番組を観ている。
その事実に自分自身が一番驚いた。
「なんだ、この感情は!」自分でも知らない新しい扉が開けられた感覚が、身体中を駆け抜けた。
この初めての感覚の謎を探るために、その日以来、彼女たちのことをあらゆるメディアを通じて検索する旅が始まった。
雑誌、ネットのまとめ記事、YouTubeにあがっているMVなど、彼女たちを知ることができるものであれば、何でも片っ端から読みあさり、観まくった。出演しているラジオやTV番組なども、すべて観るようにした。
彼女たちのパフォーマンスを何回観ても、やはり「あの感覚」になる。
この感じは、一体何なんだろう。この感覚の元となるものは何なのかと調べているうちに、すっかり、彼女たちの沼にどっぷりと浸かっている自分がいた。
調べていくうちに、彼女たちの不思議と人を惹きつけ、心を揺さぶる魅力が、ある振付師との出会いから始まっていることを知った。
そう、デビュー曲から表題曲すべてを振り付けしているTAKAHIRO氏との出会いだ。
『SONGS』でも、彼と平手さんが話をしている様子が紹介されている。
そこで、欅坂46のパフォーマンスの真髄とも言うべき秘密について、TAKAHIRO氏が話す場面があった。(次回につづく)