ライブの効用 ~【櫻坂46】「MTV VMAJ 2021 -THE LIVE-」鑑賞~
先日「MTV VMAJ 2021 -THE LIVE-」で、櫻坂46のパフォーマンスが放送された。Huluでもライブ配信されたので、現在も同サイトでアーカイブを観ることができる。
2回収録したものを編集して放送されたこともあり、MTVらしい雰囲気が感じられるクールな仕上がりとなっている。
受賞したのが『Best New Artist Video -Japan-』(新人アーティスト賞)であったことから、トップバッターでの披露だったのだが、ライブ全体を勢いづけるものとして最高のパフォーマンスとなっていたのが嬉しい。
全国ツアーを終え、約2週間後に1周年ライブを控えている時期であるためか、彼女たちのダンスの切れとシンクロ具合が凄まじい。
披露されたのは、櫻坂46の楽曲の中でも、最もハードな「BAN」と「流れ弾」のフルサイズである。
静の状態から、一気にテンションをあげて、パフォーマンスをすることが要求されるのだが、そんなことはお構いなしに、出だしからトップギアであるのが、画面からも伝わってくる。
衣装は、この番組用に新しく制作されたようで、「流れ弾」衣装の赤Ver.と黒Ver.を合わせたような独特なものである。今回も、一人ずつ異なったデザインとなっており、非常に手が込んだ作りになっている。
全員がパンツスタイルという共通点以外は、赤の割合や袖の長さなどにも変化がつけられており、それぞれをじっくりと鑑賞できる機会が欲しいと思わせるほどの出来映えである。
櫻坂46となってから、個性の輝きが重視されていることも関係しているのだろう。一人ひとりの衣装が異なる場合が増えてきている。メンバーのどの部分に注目してデザインを変えてきているのか、このあたりの違いについて、衣装を担当されているデザイナーの方に是非とも聞いてみたいところである。
「MTV VMAJ」でのライブには、欅坂46時代から出演しているため、一期生にとっては馴染み深い舞台ではあるが、今回は有観客ではない。そのため、普段は観ることができない横のアングルからの映像も収められている。様々なアングルからのカメラ映像とパフォーマンスが見事に融合され、非常に迫力のあるものとなっていたのではないだろうか。
ライブを重ね、熟成されてきた感のあるパフォーマンスを、いろいろな角度から鑑賞できる貴重な機会と言えるだろう。
パフォーマンスを観て、すぐに感じたのは、彼女たちの良い意味での余裕である。
今までの音楽番組などでは、1曲をフルサイズで披露する場合、かなり体力的にきつそうにしているのが感じられたのだが、今回は、ハードな2曲を披露しているにも関わらず、全く息が上がっていない。各自が歌う場面でも、息の乱れがなく、きれいな歌声を披露している。
これは、全国ツアーの中で、ライブを重ねてきたことで、自然に持久力がついてきていることを表しているのではないだろうか。ライブの本番はもちろん、それに向けて、リハーサルを繰り返し行ってきたことで、全力パフォーマンスができる時間がどんどん長くなってきているのだろう。
「BAN」をリリースしたばかりの頃は、振り付けの激しさから、フルサイズでパフォーマンスをすることに、かなり不安を覚えていたメンバーの皆さんも、日々の努力とライブの積み重ねによって、それを乗り越えてしまったことが、このような場面からも窺い知ることができる。
彼女たちの歩みは、これからも留まること無く、どんどんと突き進んでいくだろう。
紅白で、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、今から非常に楽しみである。
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