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赤盤・青盤

ーーといえば、ビートルズ。

先日リリースされた青盤に収録の『Now and Then』が話題になりました。ビートルズをこよなく愛した亡き父が聴いたらどんなふうに感じただろう?と思いを巡らしながら聴きました。

曲について論じるわけではなく、ここではビートルズにまつわる思い出の一端を。


父がビートルズを大好きだったので、私は幼少の頃から生活のBGMにして育ちました。これまでたくさんの音楽を聴いてきたし、1番好きなのはキンクス(知ってる人いないかも)だし、他にも大好きなバンドがたくさんあります。それでも根本にあるのは否が応でもビートルズ。

20代の時、バンドでビートルズの曲をやることになり、自分自身がビートルズのレコードを1枚も持っていないことに初めて気づき驚いたという…。あまりにも染みついていたので〈買って聴こう〉という発想に至らなかったのでした。



レコードの良さが見直されて数年経ちました。《ジャケ買い》という言葉が生まれた通りジャケットはそれ自体アートだし、時々面白い仕掛けがあったりもしました。レコードならではの音質も人気が再燃しているようです。

硬いのに高温に弱くて「陽に当てたらだめ!」と注意されたり(ぐにゃりと曲がってしまう)、傷がつかないように針をまっすぐに下ろさなくてはならないので〈手の掛かる奴〉でしたけど。

ビートルズの赤盤・青盤はとてもきれいで美味しそうでした。(子どもでしたから)私が執着するのを見て父と兄から〈お触り禁止令〉が出てしまうほど気に入っていました。

あの飴のような色と質感は最高に魅力的だった!
透き通った色鮮やかなレコードがもし熱でグニャリと曲がったら、きっともう、飴にしか見えないだろう。赤いのはいちご味に違いない…なんていうことを考えていました。
(お触り禁止令は正解でした)



もうすぐ12月8日がやってきます。
ジョン・レノンが銃弾に倒れた日。
あの夜のことは忘れません。
薄暗い部屋。
父は片っ端からレコードをかけ、『ジョンの魂』を胸に掻き抱いていました。

ウイスキーの氷が

・・・カキン・・・

と弾けた音まで覚えています。


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