お店+αの場所を作る
いよいよ腹をくくってきた2021年2月。
テナント募集中の今の店舗を見つけました。
今回は、その時のことを書きたいと思います。
マガジン「実店舗を開くまでとそれからの1年」
8本目の記事です。
コロナになり仕事が激減
2019年になった頃。三角物件との縁も切れ、
私の中では「シェアキッチンの販売と講師業で生きていこう」という覚悟が、少しずつ大きくなっていました。
そんな中コロナ社会に突入。
予定していた外部講師の仕事も、自宅教室も、全てなくなりました。
皆様の記憶も少し薄れつつあるかもしれませんが、その後学校は休校に。自宅学習やオンライン授業になり、スタッフも自分自身も、家庭内の調整を行う必要が出てきました。
そして、飲食店も自粛モードに。私も4月から5月まで、シェアキッチンの営業を自粛しました。
そして再開した2019年6月。
営業を再開しました。
再開してみると、地元でリモートワークする人が多かったり、みんなにとって、食べ物が唯一の楽しみという状況になり、コロナ前よりもたくさんの方がお店に来てくれるようになりました。
そうして、販売量が増えていくに従い「店舗を持ちたい」という気持ちは強くなりました。
厳密には、コロナで急に仕事がストップしたり、予定していた仕事がなくなったりした一方でパンの需要は伸びている。
「場所さえあれば仕事ができるのに、場所がないから仕事ができない」そんな気持ちが強くなっていました。
そうして、いよいよ本気で借りたいと思って探しに出たところ、すぐに今の物件と出会いました。
設計士さんへの相談
各方面に相談に乗ってもらい、
融資を受けて借りることになり、以前から相談していた設計士の辰巳さんに依頼することを決めました。
設計士の辰巳さんとは、メールや電話、オンラインやリアルで何度も打ち合わせを重ねていきました。
送った参考画像だけでも100枚以上。
殴り書きのメモ、エクセルで作ったレイアウト図なども含めると倍以上の資料をやりとりしたと思います。
コミュニケーションの場所を作る
ちなみにこちらの物件。
以前考えていた物件よりも広い空間なので、教室的要素も組み込めるかも?と思って借りました。
ただ、検討を進める中で、「製造販売する場所」として考えるのが一般的で合理的。「どちらもなんて、できないんじゃない?」という考えにも何度も行きつきました。
ただ、より具体的な話をしようと打ち合わせをしていた時。
「実はコロナになる前、私はこんなワークショップをしたいと思っていました」という話を辰巳さんにしました。
これまで自宅教室では、初夏に梅。冬に味噌。合間にベーグルやパンを作るワークショップを行なってきたのですが、お家で再現したと聞くのは、教室で作った旬の食材を使った簡単なもの。
料理とも言えないのでは?と私が思うそんな料理を、その後何度も作ったという感想を、いろんな方から聞いてきました。
旬の食材と発酵や調味料の組み合わせについて体感する、そんなワークショップができれば、料理作りへの苦手意識が少しでも減らしてもらえるんじゃないか。
でも、やっぱり出来ないんじゃないか。
一つに絞ったほうがいいんじゃないか。
そんなふうにぐるぐる感じていることを話ました。
その後、それに対して辰巳さんから
「せっかく持つ自分の場所。できるか出来ないかではなく、やりたいことをやれる場所を作りましょう」という熱いメールをいただきました。
そしてそれから2週間。
提案してもらったプランが、今の店舗のベースになるものでした。
模型を見た時の感動は、今でも忘れることができません。
プロに託すということの意味を、痛感した瞬間でした。
なお、辰巳ご夫妻も、Webマガジン「リンジン」で取材受けていらっしゃいます。
+αの場所を、ご自身も体現されている素敵なご夫婦です。
お読みいただきありがとうございました。
次回もどうぞお楽しみに。