【栗原政史おすすめ】自己の内面を表現し続けた写真家・細江英公
こんばんは✌️
今日は雨がひどいですね。。。
週末は土砂降りのようです。
雨があがれば秋に突入。少し寒くなるようですね。
さあ、そんな本日ですが、おすすめの写真家・細江英公さんを紹介したいと思います。
プロフィール
1933年山形県生まれ。51年に富士フイルム主催「富士フォトコンテスト」学生の部で最高賞を受賞。52年、東京写真短期大学(現東京工芸大学)に入学後は、デモクラート美術家協会を主催する瑛九と交流を深め、既成概念に挑む独自の芸術観を確立する。54年同大卒業後、56年に初の個展「東京のアメリカ娘」を開催。57年には、写真評論家の福島辰夫の企画による「10人の眼」展に参加。これを機に、川田喜久治、佐藤明、丹野章、東松照明、奈良原一高とともに写真家集団・セルフ・エージェンシー「VIVO」を立ち上げ、当時主流の「リアリズム写真運動」に対抗し、より「私的」かつ「主観的」な写真表現を展開した。
彼は、記録性を重視する写真界の中で、主観的ドキュメンタリーを大切にされていました。
主観的ドキュメンタリーに、細江さんはこう答えております。
「写真は、写真家と被写体の関係性によって出来上がる」
確かに、細江さんの写真には記録的観念から見ても優れておりますが、それよりもこの方ってどんな人なんだろうって感じがします。
代表作① 薔薇刑
細江英公(1933〜)が1963年に出版した『薔薇刑(ばらけい)』(集英社)である。この写真集には、複雑な技巧を凝らした画面に、ボディビルで鍛え上げた肉体を誇示するように晒(さら)す三島の姿が写り込んでいる
この作品は、細江さんが当時ノーベル賞作家になろうとしていた三島由紀夫さんを撮影した作品です。
細江さんは、この作品で
『薔薇刑』は、三島さんを主題にしたぼくの主観と想像によるドキュメンタリーです。三島さんの肉体を通して、「生と死」を表現し、36歳の肉体を永久にとどめたかった。
と語っています。
写真集の中身を見ると確かに当時のリアリズム写真とは一線を画しているというかもはやこれは写真なのか?という感じです。
「生と死」の表現は古来からよく行われているのですが、これは珍しいです。
代表作② おとこと女
安保闘争の騒然たる雰囲気の中で写真家とモデルたちが切り結び、それまで全くこの世界に存在しなかった写真表現が誕生した。それは以降の写真家・細江のプロトタイプとなったばかりでなく、写真表現のプロトタイプのひとつになった。
この作品は、舞踏家の土方巽さん、ダンサーの石崎みどりさん、ファッションモデルの石田正子さん、ヌードモデルの林ルミさんなどのモデルさんを起用し、「性」について問われた作品です。
こちらは、細江さんがデビューした作品といえるでしょう。
彼らの若々しくも荒々しい肉体、その存在感と関係性を、なんとかフィルムに焼きつけようと、照明効果には徹底的にこだわりました。スタジオでの撮影は十数回にもおよび、最終的には、粒子を粗くして、ハイコントラストの写真に仕上げました。