【POG考察】ガルサブランカ
本馬を考察するまえに、まずPOGにおけるキズナ論をざっくりとお話ししておきます。
僕が重視している配合論は、「ディープインパクトの配合論だと思って血統表を照らし合わせてみて、好配合だと思えるか」というもの。種牡馬としてのキズナは、父であるディープインパクトと配合の組み立て方が似ています。細かな違いやバランスの差異はありますが、だいたいの場合、ディープの配合的に良いかたちだと思えるなら、キズナに変わっても大丈夫です。ニックスなどもディープの理論がそのまま流用できますので、ぜひ活用してみてください。
ただし、キズナは牡駒に対して重厚さを濃く伝えます。好配合だと思っても、実馬は想像より鈍重にでている場合が多いので気をつけてください。どの馬とは言いませんが、僕は今年のPOGでこのパターンをやらかしました。やっぱり牡駒は難易度高めだな~と、あらためて痛感したところです💧
父:キズナ
母:シャトーブランシュ
母父:キングヘイロー
キズナ×母の父キングヘイロー
この組み合わせは、ヘイロー、リファール、サーアイヴァーのクロスが発生。軽さや柔らかさを司る血を増幅しています。決め手を引き出してくれそうな仕掛けです。
母の父キングヘイローと言えば、4度のGⅠ2着経験があるディープボンドとおなじ構成です。ディープボンドは牡馬のため、重厚なスタミナが濃いめ。ドロドロとした粘り強さで戦うタイプにでました。本馬は女の子ですから、そこまで重ったるくはならないでしょう。キングヘイロー自体は高松宮記念を勝つなど、スピードに優れた血ですしね。
重厚な血統の祖母
祖母のブランシェリーは、トニービン×アレッジドという凱旋門賞の勝ち馬同士の組み合わせ。さらにその奥にもパワー型のヌレイエフを内包しており、重厚なスタミナや底力がたっぷりと詰まった牝祖です。
本馬は“キズナの牝駒”ですから、(母父の)キングヘイローの資質も相まって、スピードが主体になると思います。バランスを考えれば、祖母の部分が重厚なのはプラスでしょう。
ディープインパクトの配合的にどうなのか
さて、ここから冒頭にお話しした配合論になります。本馬はディープインパクトの配合的にみて、良いかたちなのかどうかです。
詳細は省略しますが、キングヘイローのスピード、トニービンの持続力、アレッジドのスタミナ、ヌレイエフのパワーと、各要素がバランスよく配置された構成です。リファールのクロスは、ジェンティルドンナなどたくさんの活躍馬をだしたパターン。ヌレイエフの血との組み合わせも、牝馬のGⅠ馬を7頭だしています。2代母の父にトニービンを据える構成はハープスターとおなじです。親和性の高い血が多く使われており、ディープの配合として高得点をあげていいでしょう。
追い切りの映像をみるかぎり、走りの雰囲気は配合のイメージどおりかなという印象を受けました。あとはどのくらいギアを隠しているかですね。