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重賞勝ち馬考察:アーバンシック(セントライト記念)

父:スワーヴリチャード
母:エッジースタイル
母父:ハービンジャー


 スワーヴリチャード×母の父ハービンジャー、そして祖母がランズエッジという配合。前日のローズSに出走したレガレイラとは、血統構成がまったく一緒のイトコ同士です。

 母の父・ハービンジャー、2代母の父・ダンスインザダークがともにスタミナ寄り。全体的に重厚な血統です。レガレイラは牝馬のぶん、先天的な素軽さによってバランスが取れていました。一方の本馬は男の子。筋肉質でもっさりとしており、やや偏った印象をうけます。

 ストライド幅が広く、器用に走れるタイプではありません。またデビュー前から気性の危うさを指摘されていた馬。いまは常識にかかってきましたが、操縦性の低さは課題でしょう。スタートも遅く、さまざまな面で荒削りです。

 今回の中山2200mは外回りを使うため、4コーナーを除けば全体的にゆったりとしたコース形態になっています。本馬にとっては走りやすい舞台と言えるでしょう。ただし今の中山は先行有利の軽い馬場。後方から競馬をする時点で、苦しい状況になることは目に見えていました。

 ところがそれをリカバーしたのがルメール騎手。案の定スタートで後手を踏んだものの、1コーナーからじわじわとポジションアップ。勝負どころではすで先行集団に取り付いていました。コスモキュランダが良い競馬をしていただけに、今までのように外から追い込むかたちでは、おそらく勝てていなかったでしょう。馬の成長があったにしても、癖馬から新たな一面を引き出すことは容易ではありません。それをテン乗りでサラッとやってのける操縦技術。さすがの一言ですね。


※数値は個人の主観です


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