GⅠ勝ち馬考察:ジャスティンミラノ(皐月賞)
父:キズナ
母:マーゴットディド
母父:Exceed And Excel
キズナ×母の父イクシードアンドエクセルの配合は、該当する3頭すべてが2勝以上。先週の桜花賞で鬼脚を使って3着になったライトバックもこの組み合わせです。「ストームキャット≒パトローナ」3×3によって、スピードを引き出していることがポイントでしょう。またイクシードアンドエクセル内に含まれる『ロモンド』の血がキズナと好相性。これも親和性の高さを生み出す大きな一因となっているように思います。
※以下の記事もご参照ください
キズナは牡駒に対して重厚なスタミナを伝えやすい種牡馬です。ところが本馬はキビキビとした脚の回転と、しなやかな捌きが目につきます。父の重厚感はあまり感じません。
脚の回転を生み出しているのは、母の父イクシードアンドエクセルが伝えるデインヒル的な要素でしょうか。しなやかな捌きについては、祖母がもつシャリーフダンサーとダルシャーン、そしてサーゲイロード4×3の影響だと思われます。デインヒルのパワーとシャリーフダンサーの切れ味を源泉にしているという点で、どこかハービンジャー産駒のような雰囲気をまとった競走馬です。
共同通信杯は2番手で先行しながら、上がり3ハロン32秒6の瞬発力を使って完勝。高い決め手性能をもつことは証明済みでした。しかし鋭敏な切れ味の使い手だけに、厳しい展開ほど決め手が削がれやすいタイプではないかと、個人的には疑っていたところがあります。
今回はメイショウタバルが大逃げしたかたちですが、離れた2番手以降もおそらくは淀みないミドルペース。道中の追走力、勝負どころでのスピードの持続力が問われています。この流れを5番手で先行して勝ちきったのですから、僕の推測は見当違いだったということでしょう。本当にごめんなさいの心境です・・・。
皐月賞というレースは、前走からプラス体重で出走した馬がほとんど勝てていません。1986年まで遡って調べましたが、プラス体重での勝利は今回で5例目(ナリタタイシン、テイエムオペラオー、ノーリーズン、ネオユニヴァース、ジャスティンミラノ)。二桁増での勝利は初めてです。
ひょっとしたら藤岡康太の魂が乗っかったぶんの+10キロなのかもしれない。レース後の陣営の涙を見ると、つい思いを馳せてしまいます。