重賞勝ち馬考察:リバーラ(ファンタジーS)
リバーラ
父:キンシャサノキセキ
母:インドリヤ
母父:Stormy Atlantic
母の父のストーミアトランティックは、シアトルスルー×ストームキャットという構成。アメリカの軽快なスピードを伝えます。本馬の前向きなスピードは、この血によるところはあるでしょう。
ただ本質の部分で言うなら、2代母の父のラーイの影響のほうが強いと見ています。脚さばきのアクションに無駄がなく、効率よくササッと走る感覚。このあたりがとてもラーイ的な印象です。最近の活躍馬で言うと、府中牝馬Sを勝ったイズジョーノキセキもおなじく2代母の父にラーイをもち、似たような走法をしていますね。
ラーイは気性面の難しさを孕んだ血。この課題とどう向き合うかがポイントになります。イズジョーノキセキの場合は馬群に入れることが有効。強制的に気持ちを抑圧させることで、直線の爆発力につながるタイプです。一方、本馬は今回はじめて逃げる競馬をして、予想以上にパフォーマンスを上げました。ストレスのかかる環境におかず、最初から気持ちを完全開放させるかたちがはまったのでしょう。イズジョーとは方法は違いますが、これも有効な解決策のひとつと言ってよさそうです。
キンシャサノキセキとラーイの血の組み合わせは、本馬のほかにヒラボクラターシュ(佐賀記念)、ジュランビル(4勝)などの活躍馬が出ています。該当する17頭中9頭が勝ち馬。52.9%という高い勝ち馬率を残しています。ちなみにキンシャサ産駒全体は38.9%です。ラーイの特徴を受け継ぐということは、キンシャサノキセキの配合視点で見ても恩恵といえるでしょう。