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重賞勝ち馬考察:シーズンリッチ(毎日杯)
父:ドゥラメンテ
母:エバーシャルマン
母父:ハーツクライ
サンデーサイレンス3×3、トニービン4×4。二つまとめて「アドマイヤグルーヴ≒ハーツクライ」2×2のニアリークロスと言っていいでしょう。なかなかインパクトのある仕掛けですね。
ただサンデー3×3のクロスは、同3×4や4×3の濃度と比べてデメリットが大きく、一概に恩恵とは言えません。またトニービンのクロスも重賞勝ち馬はロードマイウェイと本馬の2頭のみ。いまのところ実績に乏しい状況です。本馬の走りにはトニービンの重厚斬れがよく表現されており、間違いなく個性としては根付いています。ただこれを配合的な美点として取り上げるべきかについては、慎重に判断すべきではないかと思うのです。
本馬の血統表をみて面白いなと感じたのが、父の父・キングカメハメハと母の母・ラシャルマンテの関係です。ミスタープロスペクター、「トライマイベスト=エルグランセニョール」、グリーンダンサーの血が脈絡。ニアリークロスとまでは言いませんが、結構密な繋がりになっています。
これと前述のサンデーとトニービンのクロスを全部ひっくるめて、「父のドゥラメンテと母のエバーシャルマンが、血統全体で父母相似配合になっている」ことが重要なのではないでしょうか。
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その一部にサンデーサイレンスとトニービンのクロスが組み込まれているという視点で考えたい
エバーシャルマンは現役時代に2勝を挙げた馬。きょうだいは5頭中4頭が2勝以上を挙げています(エバーシャルマンを含む)。派手な実績はありませんが、牝系のポテンシャルはたしかな血統です。この資質を名種牡馬・ドゥラメンテとの相似配合により堅実に引き出したことが、息子である本馬にとっては、大きな恩恵となっているように感じます
僕は“木を見て森を見ず”な人間。「アドグル≒ハーツ」2×2を見るとつい「うおぉ!😆」ってなってしまいますが、本馬に関してはもっと大きな視点で、好配合と言うべきではないかと思います。
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