キンカメ、ボリクリ、ロブロイ、ハーツのカルテッドがもたらすパワー増幅効果(後編)
※前編はこちら
キングカメハメハ(セックスアピール)の今後
キングカメハメハは直系がしっかりと繁栄。今年はサートゥルナーリアが産駒をデビューさせますね。シンボリクリスエス、ゼンノロブロイ、ハーツクライのいずれとも問題なく組み合わせることができます。母の父にこれらの血をもつ産駒は要注目です。
一方、母の父キンカメや2代母の父キンカメなど、母方でサポートに回るパターンも変わらず結果を残してくると思います。また個人的に狙ってみたいのが、母の父ルーラーシップ産駒。エピファ×母父ルーラーは5頭すべて勝ち上がっていますよ。
シンボリクリスエス(トリアルゴ)の今後
父系はエピファネイアを通じて存在感をみせています。また母の父としても結果を残しており、キンカメと同様に父方、母方ともに役立つ機会は多いでしょう。
新種牡馬としてはルヴァンスレーヴがおもしろい存在になるかもしれません。パワー増幅カルテッドの効果は、ダート路線でも間違いなく恩恵となるはず。サンデーサイレンスのクロスが付随しない、キングカメハメハとの組み合わせが安定しそうです。
ゼンノロブロイ(アイパス)の今後
唯一の後継種牡馬だったペルーサは20年に種牡馬引退。残念ながら父系は途絶えてしまいました。ちなみにペルーサの代表産駒であるラペルーズ(ヒヤシンスS)は、「トリアルゴ≒セックスアピール」を内包しています。もしかしたらペルーサはトリアルゴが配合の核だったのかもしれません。
ロブロイに関しては、母の父や2代母の父として、母方からサポート役として頑張ってもらうことになります。
ハーツクライ(マイビューパーズ)の今後
ハーツクライの後継種牡馬として頑張っているのがスワーヴリチャード。いまのところパワー増幅カルテッドの恩恵を受けた活躍馬はでていません。ただし母の父シンボリクリスエスは3頭中2頭が勝ち馬になっています。いずれ大物もでてくるのではないでしょうか。個人的にはサリオスの配合においても活用できるのではないかと思っています。
エンパイアメーカー
上記4種牡馬ほどメジャーではないものの、一時は日本でも種牡馬として繋養されており、母方の血統表で見かける機会も少なくありません。実はエンパイアメーカーはセックスアピールの血を内包しています。パワー増幅カルテッドに組み合わせれば、おなじような効果をもたらすはずです。第5の存在として覚えておくべでしょう。
ウェイヴァリングモナーク
たまに血統表の4~5代目あたりで見かけるような、少し昔のマイナー血統です。ウェイヴァリングモナークはアイパスのイトコ。血統構成も4分の3が共通しています。つまりパワー源もゼンノロブロイとおなじ。これもパワー増幅カルテッドの仲間になれる血統です。
ちなみにフェブラリーS連覇などの実績を残したカフェファラオは、父方にエンパイアメーカー、母方にウェイヴァリングモナークを内包。おなじ仕組みでパワーを増幅した馬です。カフェファラオは今年から種牡馬として共用されますね。となればキンカメ、ボリクリ、ハーツ、ロブロイを使って、パワー源を刺激した配合馬には注目したいです。
その他の注目血統
最後に補足として、キンカメ、ボリクリ、ロブロイ、ハーツ以外で注目しておきたい種牡馬や血統をまとめて紹介します。
キングカメハメハ以外のセックスアピールもち
フォーウィールドライブ、シスキン
シンボリクリスエス以外のトリアルゴもち
アメリカンペイトリオット
ハーツクライ以外のマイビューパーズもち
ミッキーアイル、ロジャーバローズ
すでにアメリカンペイトリオット×キンカメがビーアストニッシドを、ミッキーアイル×シンボリクリスエスはウィリアムバローズをだしており、実績を残しています。今後このあたりの種牡馬は、パワー増幅カルテッドの仲間に加わる可能性はありますね。