【POG考察】ルージュスエルテ
注目は先週の追い切り。ラスト1ハロンで10秒7という時計をだしています。フットワーク自体は大きいのに、脚の回転がすごいですね。実際に映像をみた方のほうが、衝撃をより大きく受けたのではないかと思います。
父:ハーツクライ
母:リュズキナ
母父:Storm Cat
ハーツクライ×母父ストームキャット
父のハーツクライは欧州の持続力に富んだ種牡馬。一方、母の父のストームキャットはアメリカのスピード血統。父と正反対の資質を母の父から補う構成です。
この組み合わせからはゴーフォザサミット(青葉賞)、ワンダープチュック(5勝)、ステラロッサ(5勝)などの活躍馬がでています。牝馬の目立った実績はありません。
切れ味の源泉はどこか
本馬はまだデビュー前の新馬。実際に切れ味があるかどうかは、レースを走ってみないことにはわかりません。ですが、もし追い切りどおり本当に切れ味があるのだとすれば、その源泉は3代母の父にいるハビタットだと思われます。
ハビタットはしなやかな体質に優れた血。ヌメヌメとした独特の脚さばきを伝えます。しなやかすぎて非力になりやすり弱点もありますが、切れ味に特化した唯一無二の存在と言ってもいいでしょう。
ハビタットの切れ味が活きた馬といえば、現在種牡馬として活躍するエピファネイアでしょうか。もっと最近の活躍馬を挙げたかったのですが、ハビタットがあれほど美しく表現された馬が、ほかに思い浮かびませんでした。
サドラーズウェルズの長打力
2代母の父にいるサドラーズウェルズは、ハーツクライの配合的に大きな意味があります。この血をもつハーツクライ牝駒からは、リスグラシュー、マジックタイム、メイショウミモザ、シュンドルボンなど多くの活躍馬がでています。牝駒の収得賞金上位にはサドラーズウェルズもちが多いです。
なおハーツ×サドラーの組み合わせ自体は、好相性というほどではありません。強さを保証する根拠にはなっていないことを留意してください。ただ上手く噛み合ったときの威力は、これまでの活躍馬が実証しています。もしルージュスエルテが新馬戦で高いパフォーマンスを見せた場合は、その上のクラスも軽々と突破してくる可能性が高まりそうです。
POG的な弱点は?
ハーツクライ産駒は基本的に体質が緩め。馬体の成長を待ちながら、じっくりと力をつけていく傾向があります。本馬の場合、緩いハーツに非力なハビタットを組み合わせた配合。早期に完成するのか?という点は気になりますね。
肉体的な負荷が低いときは、ハビタットを切れ味として使えることが追い切りの動きで判明しています。あの感じだと、ゆったりとした流れになりやすい新馬戦も問題ないと思います。荒れた馬場や、内で揉まれる競馬など、タフな戦いになったときにどうなるかでしょう。
でも久しぶりに新馬ですごい追い切りを見たな~という感じなので、細かいことは抜きにして楽しみですね。