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重賞勝ち馬考察:アスコリピチェーノ(京成杯AH)
父:ダイワメジャー
母:アスコルティ
母父:Danehill Dancer
父のダイワメジャーはノーザンテーストの影響を受けた種牡馬。サンデー系のなかでもパワーに優れたマイラー型です。一方、母の父のデインヒルダンサーは現役時代に6~7FのGⅠを勝ったスプリンター。パワーで突進力を生み出すことで、スピードに昇華させる血統です。父のパワーを母の父のパワーによって後押しした、タフな配合といえます。
またダイワメジャーらしいタフな競馬をするうえで、底力のサポートは欠かせません。その点で2代母の父にサドラーズウェルズがあることにも大きな意味があります。母方にデインヒルダンサーとサドラーをセットで併せもつダイワメジャー産駒といえば、本馬とおなじく阪神JFを勝ったレシステンシアがいます。
母のアスコルティは現役時代に1200~1400mで2勝を挙げた馬。8戦中4戦で逃げる競馬をしています。母の印象や血統全体の字面も加味すると、さきほど比較対象として挙げたレシステンシアのような、後続をふるい落とすスタイルが似合うタイプです。しかし実馬の走りは、想像していたものとは違いました。むしろ柔軟性があり、しなやかなフットワークが目を引きます。前進気勢も許容範囲。気負いすぎずに走れています。牝馬らしい決め手をいかす競馬ができるのが強みです。
今回背負った斤量は55.5キロ。これは古馬の牡馬に換算すると59.5キロに相当します。いくらGⅠ馬といえど、けっして楽なハンデではありません。しかしそんなこともまったく問題にせず完勝。秋の大舞台が楽しみになる走りでした。
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