ニックス考察:ルーラーシップ×母の父ディープインパクト(牡牝共通?)
※24年4月更新
ディープインパクトは現役時代、「空をとぶ」と称されたほど、しなやかさに優れた競走馬でした。しかし母の父になると重厚さが濃くなり、パワー血脈へと変容する特徴があります。
その特徴を有効利用しているのがルーラーシップとの組み合わせ。ルーラーは体質の緩さが招く、ダラダラとした走りが伝わりやすい種牡馬です。それを引き締めるために、パワー型になったディープの資質が役に立ちます。
ルーラーシップ自体が軽いタイプではないうえ、ディープも重厚感が増しているため、切れ味を武器にするタイプにはなりません。ドロドロの不良馬場で行われた菊花賞を勝ったキセキがわかりやすい例でしょう。
これまでは牡駒限定のニックスというイメージがありました。牡駒からはキセキ、エヒト、ドルチェモア、ワンダフルタウン、アンティシペイト、イシュトヴァーン、サトノラムセスなど多くの活躍馬が誕生。それに比べて牝駒の実績がほとんどなかったのです。
ところが23年に入って傾向が一変。メイクアスナッチ(フェアリーS2着)、ドゥアイズ(クイーンC2着)、ビッグリボン(マーメイドS)、マスクトディーヴァ(ローズS)のように、重賞好走馬がどんどんでています。むしろ牝駒のほうが頑張っているくらいです。このニックスを同人誌で紹介した際は、牡駒限定と表記しました。いまの流れを考えると、いずれは牡牝共通のパターンに変更する日がくるかもしれません。
なお菊花賞馬のキセキと、マーメイドSを勝ったビッグリボンは全きょうだいの関係です。兄はこのニックスの代表馬であり、妹はセックスバイアスの傾向の変化を象徴する存在。きょうだい揃って印象に残りますね。