ヴィクトワールピサ×「ナスルーラ+プリンスキロ+カウントフリート」血脈の一挙両得な関係

 ヴィクトワールピサ産駒の牡馬で、POG期間の重賞・オープンで連対した馬は8頭います。

コウソクストレート(GⅢファルコンS)
アウトライアーズ(GⅡスプリングS2着)
マイネルフラップ(GⅢシンザン記念2着)
ブレイキングドーン(GⅢ京都2歳S2着)
アンブロークン(GⅢ新潟2歳S2着)
アジュールローズ(OPプリンシパルS)
ジョルジュサンク(OPすみれS)
ナムラシングン(OP若葉S2着)

 このうちマイネルフラップ以外の7頭には、母方に「ナスルーラ+プリンスキロ+カウントフリート」血脈をもつ、という共通点があります。いきなり「ナスルーラ+プリンスキロ+カウントフリート」といっても、どれがその血なのかわからないと思いますので、上記の活躍馬を具体例として、該当血脈を紹介します。

・オートクラティック(ホワイトマズルの祖母)

ブレイキングドーンの母父ホワイトマズルの祖母

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 ・コジーン

コウソクストレートの母父の父
ナムラシングンが4代目に内包

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・ミッテラン(フレンチデピュティの母)

アウトライアーズの母父フレンチデピュティの母

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・ミルリーフ

アンブロークンが6代目に内包
ジョルジュサンクが4代目に内包

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・リヴァーマン

アジュールローズが6代目に内包

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 では、なぜこれら「ナスルーラ+プリンスキロ+カウントフリート」血脈から活躍馬が出るのでしょうか? それには2つの大きな理由があります。


1,「ナスルーラ+プリンスキロ」が切れ味を与える
 柔らかな体質を伝えるナスルーラと、ゆったりとした持続力をもつプリンスキロは、セットで組み合わせると“しなやかな切れ味”として融合されます。この資質はヴィクトワールピサに限らず、多くの種牡馬の産駒において決め手の強化としてプラスに働きます。


2,「ナスルーラ+カウントフリート」がヴィクトワールピサから柔軟性を引き出す
 ヴィクトワールピサの血統内において、『ミスタープロスペクター』の血はとくに柔らかさに秀でていますが、その主成分となっているのがナスルーラとカウントフリートです。これを刺激することで、ヴィクトワールピサ(ミスプロ)がもつ柔軟性を引き出す効果が期待できます。


 つまり、コジーンやミルリーフのような「ナスルーラ+プリンスキロ+カウントフリート」血脈は、それ自身が「ナスルーラ+プリンスキロ」による切れ味をもつうえ、「ナスルーラ+カウントフリート」によってヴィクトワールピサから柔軟性を引き出すこともできる、一挙両得な存在なのです。これが活躍馬を出す秘訣というわけですね。

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 ちなみに、ミスタープロスペクターをもつ種牡馬に対して「ナスルーラ+プリンスキロ+カウントフリート」血脈を合わせる手法は、バゴ産駒でも良くみられます。なかでもクロノジェネシス(ミッテラン内包)、オウケンサクラ(スルーザドラゴン内包)、グレイスミノル(リヴァーマン、ミルリーフ内包)など、芝で活躍する牝駒にはとくに効果があるようです。こちらもあわせて覚えておきましょう。

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