重賞勝ち馬考察:ゼッフィーロ(アルゼンチン共和国杯)
父:ディープインパクト
母:ワイルドウインド
母父:Danehill Dancer
ディープインパクト×母の父デインヒルダンサーの組み合わせは、該当馬7頭中6頭が勝ち馬になっています。重賞を勝っているのはテルツェットとゼッフィーロの2頭。実はどちらも3代母にモネヴァシアをもつ近親の関係です。ちょっとおもしろい共通点ですね。せっかくなので2頭を比較しながら、血統表を掘り下げてみたいと思います。
2頭の共通の牝祖であるモネヴァシアは、あのキングマンボの全妹。世界的な名牝系の一族です。テルツェットはその牝祖にストームキャット→デインヒルダンサー→ディープインパクトという累代。ゼッフィーロはサドラーズウェルズ→デインヒルダンサー→ディープインパクト。どちらも名血を繰り返し配することで紡がれており、何ひとつキズがありません。テルツェットとゼッフィーロの唯一の違いは、2代母の父の部分だけです。
テルツェットはストームキャットの米血が入ることで、マイルにも対応できるスピード型にでました。それに対してゼッフィーロの2代母の父は、欧州・スタミナ血統のサドラーズウェルズ。これにより、祖母の血統内で「サドラーズウェルズ≒ヌレイエフ」1×3という強烈な近親クロスが発生しています。重厚色を強めているだけに。2500mという長めの距離で実力を発揮できるのも納得です。
テルツェットとの構成の差はわずか8分の1。しかしこの差が別の大仕掛けを生み出したことで、適性に大きな違いがでました(もちろん性別の違いもありますが)。これが血統の面白いところですね。